ことの発端は、桃子さんが彼女へ「資料をまとめて〇〇日までに仕上げてほしい」と依頼したことがきっかけだったそう。
「私が入社したてのとき、右も左もわからない状態だけど手探りでどうにか資料をつくって、3割、5割、8割完成した資料を先輩や上司へ確認してもらうやり方をしていました。しかし彼女たちZ世代からすると『なにから始めてどのような手順で取りかかればよいか』を逐一教えないと進められないみたいです。教えてもらうのが前提じゃないんだけどなぁ……とモヤモヤしながらも指導していましたね」
Z世代はデジタルネイティブ世代である。情報収集やネットの検索には慣れているが、成果が出るかわからない努力を嫌う傾向にあるのだ。
それ以外にも、A子の仕事ぶりに疑問を抱く社員も少なくなかった。
Zoomの会議中に寝ていることがばれ、人事担当に怒られてしまった事件もあったよう。仕事ができなくて先輩の桃子さんが手伝っているにもかかわらず、本人は定時の17時に帰宅され言葉を失ったこともあるようだ。
そんなA子に10月中旬、3年ぶりに開催される職場の忘年会について話す。
「基本、忘年会は若手が店決めから段取りをするじゃないですか。営業所は20〜30代が私とA子しかいないため、一緒にやろう!ゼロから一人でやるのは大変だと思うから、店選びの基準とか段取りとか教えるね!」
「……え?私、忘年会不参加なので桃子さんよろしくお願いします」
まさかの返答に桃子さんはフリーズ。彼女が言っていることに対し、数分考えこんだ。
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