スーツを出発点であり終着点であると捉え、テーラリングのあらゆるかたちを探求
Paul Smith(ポール・スミス)がパリ・ファッション・ウィークで2024年春夏メンズコレクションを発表。コレクションは、ポール・スミスのアーカイブピースをヒントに、クラシックなメンズウェアの常識を覆し、ワークウェアやミリタリーユニフォームから着想を得ています。
「紳士服」のあり方そのものを捉えた2024年春夏メンズコレクション
コレクション発表に際して、ポール・スミスは、「テーラリングはとかくシリアスなものだと思われがちですが、私はいつも、それがいかに楽しいものであるかを人々に伝えたいと考えてきました。だから今回のショーは、スーツとテーラリングという、多くの技術と専門知識を必要とするアートフォーム、ないしはクラフトへのオマージュであると同時に、スマートな着こなしにユーモアと喜びを取り戻すためのものでもあります」と語ります。
さらに、「そしてそれは、伝統的なビジネスウェアと同じく、ミリタリーにインスピレーションを得たユニフォームルックにも表れています。私は常に、“”スーツとは一体何なのか?”という問いに関心を持ってきました。このショーが、その答えのようなものになることを願っています」と続けます。
「The Suit(But Different)」と銘打ち、スマートな着こなしをルックごとに再定義
ノッティンガム本社にあるアーカイブには、デザイナーとしてのポール・スミスのこれまでの軌跡が所蔵されていますが、今シーズンはそのアーカイブが、70年代から現代に至るまでのテーラリングに対する豊富なインスピレーションを与えました。
全体的にシルエットは、風をはらんで軽やかに揺れる、流動的なシルエットが特徴で、クラシックなスーツ生地を美しいカッティングで仕立てたものから、より軽量なカジュアル素材を使用し、ゆったりとボリュームのあるシェイプに仕立てたものまでさまざまなシルエットを提案。
コレクション全体にはミリタリーとモッズとが融合したムードが漂い、ワークウェアやユーティリティウェアにインスピレーションを得た形や、スーツのジャケットに見られるウエストタブと幅広のラペルなどのディテール、ステッチ入りのカーペンタースタイルのトラウザーズ、6つボタンのダブルブレストジャケットなどが印象的です。
ポール・スミスらしい遊び心も溢れているスタイリングに注目!
コレクションには、クラシックなストライプのボクサーショーツを、伝統的なスーツやワークウェアジャケットとコーディネートし、「ブレックファスト スーツ」として提案している一方、リラックスしたパジャマ風のルックには、共地のネクタイをスタイリング。
また、デニムのトラッカージャケットにバレルフィットのジーンズを合わせた「カナディアン タキシード」は、典型的なメンズウェアテイストを自信たっぷりに表現。さらに、伝統的なメンズウェアコードを意識し、ピンストライプ、ヘリンボーンスエード、ポルカドット、ベスト、スリーピーススーツなども今回のコレクションにも登場しています。
今シーズンのカラーパレットは、映画『アラビアのロレンス』の一コマにインスピレーションを得ており、サンドカラーに近いニュートラルカラーや、クールチャコール、リッチブラック、ソフトブルーといった色彩の中に、ポップなレッドがアクセントカラーとして使用。生地はクラシックなスーツを軽やかにアレンジしたパピートゥースや、ピンストライプ、スラブサテン、コットンキャンバス、テクスチャードニットなどを揃えています。
Creative Team
Stylist:Julian Ganio
Hair:Matt Mulhall
Make up:Ciara O’Shea
Manicure:Cam Tran