「てっきり出てくるのは、シェフだと思っていたのでびっくりしてしまいました。しかし、女性が責任者だというのなら仕方ありません。できるだけ落ち着いた声でハンバーグはまだしも、赤ワインの分はお支払いできませんと言いました」
しかし、女性はなんのこと? というような平然とした顔で、「お召し上がりなったものの正当な代金を頂戴しているだけです」と強気の姿勢を崩さなかった。
「ではせめてハンバーグにビニール片が入っていたことを謝っていただけませんか? そうでないと気が治りませんと伝えたんです。そうしたら、なんて言ったと思います?証拠はあるんですか? って言うんですよ。証拠がないから、謝れないと。写真を撮影しなかった自分を本当に悔やみました」
イラついたこのみさんの声が大きくなっていたのだろう。周りから奇異の目が向けられるのがわかった。その数が徐々に増えていることにもこのみさんは気がついていた。
「もう、これ以上は無駄だと思いました。相手は引く様子もなければ、謝るつもりもありません。本当に癪に触るけれど、ここを去るには支払いをする以外にないんだと思い知らされました」
結局、このみはワイン4杯に前菜盛り合わせ、スープ、ハンバーグとパン合わせて9800円の支払いをする羽目になったという。
「本当に信じられません。でもこれ以上、揉めてもいいことはない気がして。そのあとバーに行こうと思っていましたが、もうそんな気持ちには慣れませんでした。すぐにビジホに戻りました」
しかし、このみの怒りはおさまらなかった。一度は炎上目的でTwitterに挙げることも考えたという。
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