「お金返してって言えないの?」と七海が聞いても、翔太が首を縦に振ることはなかったという。
高校生にとって、学校での人間関係はいわば生活の大部分を占める重要な要素。ハブられたりいじめられたりするようになれば、待っているのはどん底の日々だ。孤独と苦痛に耐え、ひたすら時間が経つのを待つことになる。翔太はそれが怖くて、お金を貸すことにNOと言えなかったのだ。
彼の思いを聞いた七海は、翔太を見捨てなかった。
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