なかでもウォーキング用の「アダージョ」というモデルは、3万円オーバー! 当時知り合いのショップでも買い付けていたので、早速清水ダイブして試してみることに。
まず、足入れしてみて驚いた! 硬すぎず、柔らかすぎず…。包み込むように衝撃を吸収する感じのクッション性がありながら、それと同時に踏み込みのエネルギーを反発させて推進力にする反発弾性もある。
それで調べてみると、ミッドソールにはサンダルなんかにもよく使われるEVA(Ethylen-Vinyl Acetate/エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)の含有量を80%という高い比率で使用しているため、柔軟性と弾力性が段違い。
一方でアウトソールには同じくドイツ発OK Gummiwerk社の「EURO STAR」という堅めで、反りの少ないラバーソールを採用し、この2つを組み合わせることで安定性を高めているんだとか。ふむふむ。
さらにスゴかったのが、「GOMAX」と名付けられたオリジナルのインソール! 高弾性のラテックスフォームを採用して人間工学的観点のもとに設計し、医学的にも考えられた形状になっているから、土踏まずとか、足の指のつけ根辺りにあるアーチ部分の感触が、いままで味わったことがない初めての感覚。
もうこれは、百聞は一見にしかず! 一度足を入れてみてください。足裏に不思議な感覚を味わえますから。
ちなみに、ちょっとお高いんですが、このインソールだけでも5500円で購入できるので、騙されたと思って愛用の靴に入れて試してみると、きっと驚くはずです。
この勢いついでに、もうひとつ驚かされるのがアッパーの素材。スエードかと思いきや、合成皮革、高品質素材PUマイクロファイバーを使ったシンセティックスエードなんですって。全然安っぽく見えません。
それでいて合皮なので耐久性が高く、日焼けによる脱色など経年変化もない。さらにザブザブ水洗いもできちゃいます。動物由来、石油由来どっちが……的な話もありますが、本来消耗品であるスニーカーが傷みにくく、長く履けるという点では優秀なのかと。
展開当初は新しもの好きなファッション業界人を中心に話題となり、日本の正規総代理店が頑張って大人も履きやすい渋いカラーを展開させたりして盛り上がったのですが、やはり3万円オーバーという価格が足かせとなったのか、徐々に下火に…。
そのせいでセールで投げ売る店舗もでてきたため、見つけては買いまくってストックしていたんですが、その何足かがコロナでパンドラの箱を整理しているときに ひょっこり姿を現しました。
細かいこと言うと、シューレース横に付いてるピスネームとか、ある時期からシューレースパイプ(先端部)に入ったロゴとか、不要なディテールもあるんですが、ピスネームは切っちゃえばいいし、シューレースも替えちゃえばいいので、夜なべして履く準備をしようかと思ってます。
現在 「アダージョ」は廃番で、後継モデル「クラッシック ウォーク(Classic Walk)」に引き継がれていますが、おそらく履き心地などはグレードアップし、結構いい感じのカラーリングも展開されているので興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょう?
ん〜、やっぱり靴ネタになるとアツくなってしまって、長くなるなぁ…。最後までお付き合い頂いて ありがとうございました!
Photo:Shimpei Suzuki
Edit:Ryutaro Yanaka