人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。
いつか仕事で使う可能性があるので残してあります
かつて編集者として出版社に勤めた経験があり、現在はファッション誌や広告、そして国民的アイドルからミュージシャン、政治家のスタイリングに至るまであらゆるシーンで活躍するスタイリスト櫻井賢之さん。
幅広い知識に基づき、クラシックからモード、ストリートに至るまで幅広いジャンルに精通する櫻井さんが、思い入れが強くて捨てられなかった服をご紹介する企画の第2回目は、さまざまなブランドのネクタイです。
「この辺のディオールやグッチ、セリーヌなんかのプリントタイは、父親のものを譲り受けて持ったきたものです。
今では、自身で使うのは冠婚葬祭くらいで年に1、2回。正統なスタイルしかしないので、こういったプリントタイを巻く機会は ほぼありません。
仕事で使えるかもと思って残してはありますが、実際には使ってはいないです。
一方、これらのレジメンタルタイは就職活動したときに使っていたもの。1993年頃にインターナショナルギャリービームスで買ったオリジナルと、ボッテガ・ヴェネタ、それからエルメスです。
大剣も太すぎず、今でもギリ使える雰囲気ですが、なかなか機会がありません。
しかし、今後 仕事で使う可能性があったときに、いざ探すのは大変なので、手放さずに残してあります。
ネクタイに関しても使わなそうなものは、山ちゃん(山下英介氏)とフォトグラファーの長山(一樹)くんに貰って頂いてるので、その中でも残ったもの。
これらは今後もクローゼットに残すと思います」。
櫻井 賢之
スタイリスト
ファッション誌編集部員を経て、2001年よりフリーランスのスタイリストとして活動をスタート。メンズファッション誌にとどまらず、広告から芸能、音楽シーンに至るまで活躍の場を広げている。幅広い知識に基づく洗練されたスタイリングに定評あり。1971年、東京生まれ。
スタイリスト
ファッション誌編集部員を経て、2001年よりフリーランスのスタイリストとして活動をスタート。メンズファッション誌にとどまらず、広告から芸能、音楽シーンに至るまで活躍の場を広げている。幅広い知識に基づく洗練されたスタイリングに定評あり。1971年、東京生まれ。
Photo:Shimpei Suzuki
Edit:Ryutaro Yanaka
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