芯のないふっくらとしたルックスが、大人の余裕と色気を演出します
第350回目は、タイ ユア タイのセッテピエゲです。
スーツの顔と言えばVゾーン。ビジカジが定着した今でもこの常識は変わりません。大事な商談やディナー、パーティシーンではその人と為りを示すVゾーンがキマっていなければ却って恥ずかしいもの。もちろん、それ相応のスーツを纏うのも大事ではあるのですが、最も重要なのはVゾーンを彩るネクタイなんです。そこでご紹介したいのが、お洒落な大人がこぞって愛用する「タイ ユア タイ」のセッテピエゲ。
1984年にフィレンツェで創業した同ブランド。熟練の職人のハンドメイドによるモノ作りが特徴で、一点一点丁寧に作り上げられたコレクションは、ラグジュアリーさを醸し出すとしてスーツ愛好家に一目置かれています。そんなタイ ユア タイの鉄板定番たるセッテピエゲは、芯地を使わない複数折りのネクタイのこと。ネクタイの原型とも言われており、イタリア語でSette(7つ)Pieghe(折り目)が示すように、7回折ることで成形しています。
芯の入ったネクタイの倍近い生地を使用し、保形するのに高度な技術を要するため、高級品とされるセッテピエゲ。折り目だけで仕立てることで、ふんわりとした柔らかな印象と色気を演出します。特に今シーズン、タイ ユア タイはモデルチェンジを実施し、使用する生地分量をさらに増やすことで、よりふっくらと美しいVゾーンを構築。極端な話、人気上昇中の楽ちんスーツにすら華やぎを与えます。
普段はリラックスしたビジカジを楽しみつつ、ここぞの場では魅力的なVゾーンを纏ったラグジュアリーなスーツスタイルにアップデートする本作。ノータイ傾向が増している昨今では、この振り幅こそデキる大人の象徴。お洒落に余念のない40男子なら、一つは持っておきたい逸品です。
細かく何度も折り込むことで、生地が芯地の代わりになり成形するのが、セッテピエゲの特徴。タイ ユア タイではセッテピエゲだけで、上写真の服地タイをはじめ小紋柄プリントなど、10種類以上をラインナップ。豊富なバリエーションで選べるのも見どころです。
8cm幅の程よくボリューミーなシルクニットタイ。継ぎ目のないホールガーメントで仕立てており、シルクの光沢も相まって、結んだ際のノットやディンプルは実にエレガント。カジュアルアイテムながらも、さり気なく上品さをアピールします。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Hayato Hosoya
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タイ ユア タイ 東京店 03-5357-7338