時計ベルトを替えるだけでスタイルが自由に!
イタリア文化全般に精通するスピラーレの代表、神藤光太郎さんは、僕のキャリアを語るうえで盟友ともいえる存在。常に、ファッションだけでなく、さまざまな分野でいい刺激をいただいています。
今回、紹介するNATOベルトは、そんな神藤さんが手がけるブランド「THE SOLE(ザ ソウル)」から登場した渾身作。ずっと温めてきた企画を、ついに実現したそうです。
NATOベルトといえば、冷戦時代の1970年代に英国軍がロレックスにオーダーした専用リファレンスが有名ですが、カジュアル向けで、基本的にはスポーツウォッチにするのが大前提。それをドレスウォッチにも装着したい、という煩悩が神藤さんの原動力になったようです。
で、どうしたかというと、従来はナイロンと金属を組み合わせた時計ストラップを、表面には贅沢にもマットブラックのクロコダイルレザーを使い、裏面にはオストリッチレザーを採用。もはや、その発想自体がド変態ですよね(笑)。
確かに、それだとオリジナルのロレックス「サブマリーナ」や「デイトナ」といったダイバーズやクロノグラフだけでなく、薄型のドレスウォッチにも似合うでしょうし、ファッションもスーツからデニムまで幅広いスタイルにフィットしそうです。
このストラップひとつで、いろんなタイプの時計がスタイルを選ばずに合わせられるようになるのって、本当にすごいアイデアだと思います。
NATOベルトに関しては、僕も特別な思い入れがありまして、それを知ったのは昔から大好きだった映画『007』シリーズが最初でした。初代ボンドのショーン・コネリーが、風防がボロボロで傷だらけのサブマリーナにNATO海軍仕様のナイロンベルトを装着したのが、すごく新鮮だったんです(スパイであることが、バレバレだろというツッコミはあるかもしれませんが……)。
スーツにNATOベルトは、本来はあり得ない組み合わせだったはずですが、『007』がきっかけでそれ世界的に認められるようになったそう。僕にとっては妙に腹落ちするストーリーですが、THE SOLEのNATOベルトは、そうしたエピソードを踏まえつつ、ベルトそのものを進化させています。
これはまさに誰も気が付かなかった、ありそうでなかった時計ベルトといえるかも……。神藤さん、あなたやっぱり天才だわ!
各2万7500円/THE SOLE(MASTER PLAN)
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MASTER PLAN
Photo:Ikuo Kubota(OWL)
Text:Toshiaki Ishii