簡単な問題ばかりです。全部知っていますか?
ファッションを嗜む者としてはぜひ知っておきたい、様々な基礎用語を一緒に学んでいくこの連載。今回取り上げるのはスーツにおけるスラックスの名称です。
ジャケットやシャツにもたくさんの細かな部位がありますが、パンツにもたくさんの知っておくべき名称がありますよ! 現在スーツをお召しになっている方は、ぜひ自分のものと併せてチェックしてみてください。
Q1.横のポケットは何という?
まずは手慣らし! さすがに簡単すぎる問題でした。サイドポケットですね。
両サイドにあるこのポケットは、角度がついた斜めのものをフォワードセットポケットと言います。スラントポケットとも呼び、手を入れやすく実用的であるため、ほとんどのサイドポケットがこの仕様です。また、横の縫い目に沿って縦口の形になっているものをバーティカルポケットと言います。
Q2.お腹周りの部分を何という?
こちらも簡単ですね。ウエストバンドのことです。
お腹周り、ウエスト部分をぐるりと取り囲む帯の部分を指します。一般的なスラックスはセパレートウエストバンドと呼ばれる仕様で、ベルトループが付いており、またの名をスプリットウエストバンドと言います。
ベルトをしないデザインのパンツにはベルトレススラックスという形が用いられており、ベルトループが付いていません。そして、少し珍しい形としてカリフォルニアウエストバンドという仕様があります。ベルトループの位置が低く、帯部分が一枚仕立てになっているもので、1930年代にアメリカ西海岸辺りで人気が出たデザインです。
Q3.股下の幅を何という?
これはデニムパンツを選ぶ時によく耳にするかと思います。ライズですね。
ウエストラインから股下までの幅のことで、ここが浅いものをローライズ、深いものをハイライズと言います。ローライズは、ハイライズに比べるとウエスト部分の締め付けが少ないため履いた際に楽なことがメリットとして挙げられ、一方ハイライズはウエスト部分がローライズより高くなるため脚長効果を期待できます。どちらもメリットはありますが、いずれにせよ自分のサイズときちんと合ったものを身につけることが大事です。
Q4.「タック」とは?
聞いたことはあるけど質問されると実はよく理解していない……なんて方もいらっしゃるかもしれません。これは、ウエストバンドの下部分の生地を折り重ねることで出すヒダのことです。
タックがあることで、腰回りの可動域が広がりゆとりが生まれます。これが外向きに折ってあるものをアウトタック、内向きに折ってあるものをインタックと言い、既製品ではアウトタック仕様がほとんどです。
また、そのヒダの数によりノータック、ワンタック、ツータック…と数字が増えていきます。ノータックはゆとりを生み出さずスマートなシルエットを演出してくれます。
Q5.「クリース」とは?
最終問題です。これは聞き慣れない方も多いのではないでしょうか。しかしスラックスの着こなしにおいては大変重要なパーツですから、ぜひ覚えていってくださいね。
クリースとは、パンツの中央に走る縦折れ線のことを指します。センタープレス、センタークリースとも言います。
このクリースがビシッと決まっているかどうかでスーツの印象がガラリと変わります。しばらく穿いていると消えてきてしまうため、頻繁にアイロン掛けをする必要があります。
クリースが入っていないパンツもありますが、きちんとしたビジネスの場では選ばない方がいいでしょう。
まとめ
今回は比較的簡単なパーツの紹介となりました。全部知っていましたか?
正しい知識を身につけて、いつ部下に聞かれても大丈夫なようにしておきたいものです。細かい部分にもこだわりを持って、スーツのコーディネートを楽しんでくださいね。
Text:FORZA STYLE
Photo:GettyImages