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「褒めずに褒める」人間関係が急によくなる、コミュニケーションの技術

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ビジネスコミュニケーション講師の藤田尚弓さんが教える、ビジネス現場で本当に使える「口のきき方」。話し方ひとつでビジネスが円滑に進む、コミュニケーションの極意を伝授します。

褒め上手になって職場の人間関係を円滑に!

コミュニケーション講師の藤田尚弓です。

褒められて伸びるタイプ、と自称する人がたくさんいます。あなた自身がそうかもしれませんね。しかし、誰かを褒めるのは案外難しく「褒めベタ」なビジネスパーソンも多いようです。

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今回は、さりげないフレーズなのに相手の心に響く褒め方のコツをご紹介します。

褒め言葉を使わずに褒めるテクニックはこれだ!

スマートに相手を褒めるには「相手が褒めてほしいであろうポイント」にさりげなくタッチするのがコツ。できる限り褒め言葉を使わず、徐々に「褒め」を深めていくステップを意識してみましょう。具体例をご紹介します。

 

ステップ1 見たままを言葉にする

例1「今日、スニーカーですか。青なんですね」
例2「さっき、エレベーターのドア押さえてましたよね」

ステップ1は褒めの導入です。ここでは見たままを見た通りに言葉にしましょう。オシャレですね、紳士的ですね、などの褒め言葉は不要です。大事なポイントはここから! 相手がどのような言葉を返してくるのかを待ちましょう。

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例1「今日、スニーカーですか。青なんですね」
→『きれいめのデニムだから、スニーカーで外してみたんだけど』

例2「さっき、エレベーターのドア押さえてましたよね」
→『ベビーカーが出て行くまでドア押さえるのがクセになってるんだよね』

返ってきた言葉にこそ、褒めポイントが潜んでいます。例1では洋服のコーディネートにこだわりあり、例2では育児の真っ最中らしい、という情報を得ました。この情報こそ、相手が褒められたいであろうポイントです。褒めポイントが分かったら、次のステップへ。

 

ステップ2 相手のコメントを使って褒めを匂わせる

例1「今日、スニーカーですか。青なんですね」
→『きれいめのデニムだから、スニーカーで外してみたんだけど』
  →「キメ過ぎない感じが、素敵です。外しって大事なんですね」

例2「さっき、エレベーターのドア押さえてましたよね」
→『ベビーカーが出るまでドア押さえるのがクセになってるんだよね』
  →「大事なことなのについ忘れがち。習慣にしているのが素晴らしいですね」

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返ってきたコメントで見つけた褒めポイントに同調する、たったこれだけでOKです。褒め言葉を使わずともさりげなく褒めることができていますし、ごく自然な会話の流れのなかで褒めを匂わせているだけなので、好感を抱いてもらいやすいのがメリットです。

 

ステップ3 質問を重ねて会話を前に進める

例1「今日、スニーカーですか。青なんですね」
→『きれいめのデニムだから、スニーカーで外してみたんだけど』
  →「キメ過ぎない感じが、素敵です。外しって大事なんですね。さりげない感じがオシャレだなと思っていたんですけど、外しはいつ頃から意識するようになったんですか?

例2「さっき、エレベーターのドア押さえてましたよね」
→『ベビーカーが出るまでドア押さえるのがクセになってるんだよね』
  →「大事なことなのについ忘れがち。習慣にしているのが素晴らしいですね。大事なことを習慣にするって、なかなか難しいと思うんですけど、なにかきっかけがあってできるようになったんですか?

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質問を重ねることのメリットは、相手に謙遜させないで会話が進んでいくということです。さらに、質問を重ねることで相手の褒めポイントをくすぐり続けることになります。これこそが、褒めずに褒めるテクニックです。

褒めるのが苦手な人の3つのパターンと解決法

褒められるのは好きだけど、褒めることには苦手意識を持っている人も多いでしょう。褒めるのが苦手な人は、おおむね次の3つのパターンに分類されます。それぞれの特長と解決法をご紹介します。

 

パターン1 どこを褒めたらいいのか分からない

優秀な人ほど多いのが「どこを褒めたらいいのか分からない」パターンです。下手に褒めようとすると、上から目線になりがち、という自覚もあるでしょう。褒め上手になる解決法は、一日に一度「誰かのいいところを探す」クセをつけることです。

そうはいっても褒めるところが見つからない、という場合は先の会話例を思い出して。まずは見たままを言葉にしてみるだけでもいいですよ。あなたにとって普通のことでも、相手にとっては最高にうれしい褒めポイントになるということを覚えてください。

 

パターン2 褒めることに抵抗がある、照れがある

「おべっかに聞こえそう」「わざわざ褒めるのは恥ずかしい」と思っているパターンです。実直で誠実、嘘がつけない人に多いパターンともいえます。考えてみてください。もしも、あなたが管理職にある場合、部下は何をやっても褒めてもらえないということになります。職場の空気が悪いと感じてはいませんか?

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おすすめの解決法は、褒めることのメリットとデメリットを書き出してみることです。自分が褒められたらどんな気持ちになるか、褒められないときはどんな気持ちになるか。もしメリットが多ければ、褒めずに褒めるテクニックのトレーニングを開始。周囲があなたを見る目ががらりと変わり、職場の空気も改善することでしょう。

 

パターン3 褒めることに抵抗がある、照れがある

褒めたい気持ちはあるけれど、褒めたら褒めたで薄っぺらい言葉になりがちなのがこのパターンです。相手のいいところ、褒めポイントを見つけるのは上手なので、言い回しさえ分かってしまえば褒めの達人になる可能性も!

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解決法は、普段使っている褒め言葉を点検することです。「いいっすねー」「さすがですねー」など、口先だけの言葉になっていないか? 褒めているはずの言葉なのに、周囲が凍りついていないか? 相手がほしがる褒めポイントとズレたことを言ったり、触れてほしくないポイントを褒めていないか? 褒めるとき、落ち着いた低めの声にするだけでもいいでしょう。

ビジネスに必要な「褒め」を身につけよう

褒めることは、相手を持ち上げて気持ちよくさせるためのものではありません。褒めは相手を承認して、成長を促すという大事な役割を持っています。褒めずに褒めるテクニックをコミュニケーションツールにして、ビジネスをスムーズに回転させましょう。

Text:Naomi FUJITA
Photo:Getty Images



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