「WATCHES & WONDERS」の新作をご紹介する第6回目、今回ご紹介するのは、ジャガー・ルクルトです。
今年はラウンド型の代表である「マスター・コントロール」コレクションをリニューアル。
「マスター・コントロール」は1992年に誕生。ジャガー・ルクルト独自の「1000時間コントロールテスト」を初めて採用したことから、その名前が付けられました。
「1000時間コントロールテスト」はスイス公式クロノメーター検定を遙かに上回る、時計業界でもっとも厳しい検査のひとつ。完成した各時計に対し、精度、気温耐性、気圧耐性、耐衝撃性、耐磁性、防水性の6項目の検査を約6週間に渡って行う、まさしく過酷で長期間のテストです。
今回、発表された「マスター・コントロール」の新作は4モデル。共通するのはケース径が39mmから40mmに拡大されたこと。そしてムーブメントがアップデイトされたのが大きな特徴です。
また、「Novonappa®」(ノボナッパ)カーフレザーのストラップの採用も注目点。フランスのタン郡発祥のマット仕上げのソフトなカーフレザーで、時を経るに連れて変わる色合いが楽しめるのだそう。道具なしでワンタッチで交換できるのも素晴らしい点です。
さらに、写真はありませんが、「Le Grand Rose gold®」(グランド・ローズゴールド)をケースに使用したモデルをラインナップするのも特徴。グランド・ローズゴールドは新開発のピンクゴールドで、ケースに使用するのは今回の「マスター・コントロール」の新作が初。
実機を見ていないため未確認ですが、リリースによれば、深みのある色合いが特徴だそう。18Kゴールドの独自の配合にパラジウムを加えることで酸化が防止され、年月を経ても色が褪せないのが長所だそうです。
さて。それでは新作をご紹介していきましょう。
自動巻き、SSケース、ケース径40mm、ノボナッパ®カーフレザーストラップ、5気圧防水。72万4000円(税抜)
「マスター・コントロール」の最ベーシックである「マスター・コントロール・デイト」のアップデイト版。最大の特徴は、昨年発表された新型「キャリバー899」が搭載されたことです。
「899」は2005年の誕生以来、常にアップデイトされ使い続けられている、ジャガー・ルクルトの基幹ムーブメント。そして昨年、シリコン脱進機の採用やセンターホイールや香箱のデザイン変更など全面的にリニューアル。パワーリザーブも約43時間から約70時間に大幅に延長されました。
しかし昨年は限定モデルにのみに使用。レギュラーモデルに搭載されるのが待ち望まれていたのです。
で、それが実現したのが、この新作ということ。実機を見ていないため詳しくはわかりませんが、全体的なデザインは大きくは変わっていないよう。でも、12時位置のロゴマークや、カレンダーの枠など、細部が変更されているなど気になる点も多数。早く実物を手にとって、じっくりと見たいです。
自動巻き、SSケース、ケース径40mm、ノボナッパ®カーフレザーストラップ、5気圧防水。118万円(税抜)
この新作も以前から人気のロングセラーモデルのアップデイト版。
「マスター・コントロール・カレンダー」は、もともとは1945年に発表されたカレンダーモデルから着想を得て生まれたもの。月・日・曜日のトリプルカレンダーとムーンフェイズを搭載するのが特徴です。
この新作も最大の特徴は新型「キャリバー866」を搭載すること。前記の「899」と同様に各部を改良し、パワーリザーブも約43時間から約70時間に大幅に延長。さらに特筆すべき点が、独特のジャンピングデイト機能を追加したことです。
「マスター・コントロール・カレンダー」は、ダイヤル外周に印された日付を中央の針で指し示す、ポインターデイト表示が伝統のスタイル。しかしそのため、これまで月の半ば辺りになると6時位置のムーンフェイズにポインター針が被さり見えにくくしていた。そこでムーンフェイズを跨ぐように15日と16日を広く開けて配置し、日付の変わる際にポインター針を大きくジャンプさせる機構としたのです。
この新作も全体的なデザインは大きく変わっていないよう。でも、ダイヤルやインデックスなど細部が変更されていて、これも気になる点が多数。やはり実物を早く見たいです。
自動巻き、SSケース、ケース径40mm、ノボナッパ®カーフレザーストラップ、5気圧防水。131万2000円(税抜)
「マスター・コントロール・ジオグラフィーク」はジャガー・ルクルトのアイコン的存在であるトラベルウォッチの名作。
10時位置のリュウズでダイヤル下部の窓に表示されている都市名を選択すると、その都市の時間が6時位置のサブダイヤルで表示されるという、その使い勝手のよさが世界的人気の理由。デイ/ナイト、ポインターデイト、パワーリザーブを備えるのも便利で機能的です。
この新作もまた新型「キャリバー939」の搭載が大きな特徴。各部が改良され、パワーリザーブが約70時間に大幅に延長されています。
やはり全体的なデザインは大きく変わっていないようですが、ダイヤル外周がすり鉢状に立ち上がっているように見えるなど、細かな変更点も多そう。実物を見るのが楽しみです。
自動巻き、SSケース、ケース径40mm、ノボナッパ®カーフレザーストラップ、5気圧防水。156万円(税抜)
「マスター・コントロール・クロノグラフ・カレンダー」はクロノグラフとトリプルカレンダーとムーンフェイズを搭載した、まったく新しいモデル。
なお、この3つの機構の組み合わせは、意外なことに、ジャガー・ルクルトの時計で初めてだそう。長い歴史と伝統をもつ名門マニュファクチュールであるジャガー・ルクルトの「初」となると、それだけでも大きな価値がありますね。
そんな初のモデルのため、当然、搭載される「キャリバー759」もまったくの新開発。シリコン製パーツなど最新技術が盛り込まれ、パワーリザーブも約65時間と充分。来年以降、さまざまに活用されそうで楽しみです。
3時位置に30分積算計、9時位置にスモールセコンド、6時位置にムーンフェイズと日付表示。12時位置の2つの小窓で月と曜日を表示。ダイヤル外周にパルスメーター。クロノグラフに関係する針だけをブルーに見やすくしているのも秀逸です。
【問い合わせ】
ジャガー・ルクルト
0120-79-1833
Text:Yutaka Fukuda