究極のミニマルデザインが部屋を格上げしてくれる
第113回はアルネ ヤコブセンのステーションクロックです。
壁掛け時計はどんなものをお使いですか? まさか腕時計には一家言あるのに、壁掛け時計にはなんのこだわりももっていないとか? 時間が見えればいいじゃないかって? いやいや、壁掛け時計にも、もっとこだわりましょうよ。身につけるものだけでなく、インテリアにもこだわってこそ、かっこいい大人の男。壁掛け時計は視認性の良さだけじゃなくて、ブランドやデザインにもこだわるべきなんです。
視認性とともにデザイン性も優れた壁掛け時計といえば、北欧デザインの巨匠アルネ・ヤコブセンが手がけたステーションクロック。ヤコブセンといえば建築家としてだけでなく、さまざまな傑作プロダクトを残したことで知られています。半世紀以上経た今でもそのデザインは色褪せることはなく、バウハウス的機能美に溢れるムダのないデザインはシンプルかつモダン。ステーションクロックもまた、ストイックなまでにシンプルです。
インデックスには視認性が高いアラビア数字が使用され、誰もがひと目見て時間がわかるデザイン。この視認性の高さから、デンマークの駅に採用されたことが「ステーションクロック」という名前の由来なんです。
この時計が誕生した1943年当時は、視認性よりもデザイン性が優先され、手描き風のローマ数字の時計が多かったそう。そんななか登場したこの時計は画期的で、またたく間にデンマーク全土に普及し、さらには世界中で愛されるようになりました。
“時刻を知らせる”という時計の基本機能をデザインした結果誕生したのが、このステーションクロックなのです。
バウハウスデザインの哲学である機能美を追求した、シンプルな美しさと機能性が同居した壁掛け時計は、どんな部屋にもしっくりと馴染みます。1日に何度も目にする時計だからこそ、こんなシンプルさがいいですよね。
Text:Tomomi Nishihara
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