部長：解決するべきことはあって。例えばうちのガキが中2で多感な時期で、さらに受験勉強もさせないといけないので、いきなり同居とかはハードルが高いんですよね。でも、解決するべきことさえクリアすれば、結婚させていただきたいなと。
川崎：まあ、それも幸せですね。ところで、彼女にも質問させていただいてよろしいですか？ ご経歴など。
フィアンセ：はい。実は私もバツイチなんです。25歳で結婚して、5年くらいで離婚して。
川崎：離婚理由など、聞いても良いかしら？
フィアンセ：嬉しいです、先生にこうやって質問されるなんて。まさに「婚活道場」に出演させていただいているという感じ！
川崎：なんだかおかしな企画になってきましたね（笑）。
フィアンセ：えっと、マスコミ系の会社に入るまで別の会社にいまして、全国各地を転勤で転々としていたんですね。それで、当時の旦那は東京にいたんです。なのでほぼ会えなくて、離婚に至りました。
川崎：それは、努力しても難しいですよね。
フィアンセ：そうですね。特に25歳と若かったので、若き日の私には無謀な結婚でした。
川崎：それは仕方ないでしょうね。婚活はなさってたんですか？
フィアンセ：いえ、その後に母が亡くなり、色々あって父とも離れなければならなくなり、それで年の離れた18歳の弟がグレてしまって。その弟を更生させなければと、6年くらい保護者のような役割を担っていたんです。恋愛に一番良い、若くて良い時期を、グレた弟の保護者として過ごしてしまったので、再婚どころじゃなかったんですよね。38歳になってやっと保護者の役割も終え、そこからやっと婚活を考えられる余裕ができたので、40から婚活を始めました。
川崎：40歳から、婚活をしてみようと思ったきっかけは？
フィアンセ：実験してみようと思ったんです。一般的に、女性は40代になると需要がなくなると聞くが、それは本当なのかな？と。
川崎：さすがマスコミ魂。結果はどうでした？
フィアンセ：結果、イーブンかな、と。申し込みは来るので需要はあるんです。でも、ピンとこない、ということが多かったですね。
川崎：なるほど、でも、40代の婚活でも、ピンと来る方を見つけてお付き合いできる市場も存在しますよ。若い子が好きな層が集まる層ではない婚活の場で、婚活をすることが40代女性にとっては大切ですよね。
フィアンセ：そうですね、やっぱり行く場所や登録する婚活サイトにもよるんでしょうね。
川崎：それにしても、今回は1歳差と同年代。これまでも同年代とのお付き合いが多かったんですか？
フィアンセ：いえ、それが、同年代は初めてなんです。すごく上か、下ばかりでしたね。というのも、バリバリ男社会で働いていると同年代にライバル視されてしまうんです。それが怖くて、同年代は怖いものだと思っていたんですよね。でもこの年になり、やっと同年代でライバル視することもされることもなく、落ち着いたお付き合いができるようになったんだと思います。
川崎：たしかに働く女性はそうですよね。ビジネスの場では、同世代って競争相手だし、プライドの問題もあって難しい。若いうちは、女性の方が目立ったりしてそれに嫉妬されたり。
フィアンセ：そうなんです。でも今となっては、同年代で同じマスコミ畑の人とお酒を飲みながらお互いの仕事や趣味を語り合うのって本当に幸せだなって。驚きました。こんな風な時間を持つことができる同年代に出会えるなんて……。
川崎：わ～。こちらまで、キュンとしました。本当、一緒に語り合えるパートナーの存在って、癒しになりますよね。特に、仕事における戦場にいた女性の方が、その癒しのありがたみってわかるんじゃないかしら。
フィアンセ：そうですね。私も若い頃は、命削って働いてました（笑）。今考えるとなぜあそこまで一生懸命だったのかもわからないくらい幸せボケしていますが、過去は苦しかった想い出ばかりですね。でも、その苦しみがあったからこそ、出会えた癒しだなって。
川崎：部長、本当に素敵な女性と一緒になられたんですね。結婚が楽しみ。
部長：そうですね。もちろん結婚したいという気持ちは満々ですが、うちのガキにどうやって説明しようか。最初から「話があるんだけど……」だと傷つけるかもしれないから、徐々に大勢の友達の中に彼女にまざってもらって、交流を持ってもらい、仲良くなってもらってから結婚したいなと思っています。
川崎：なんて子供想いのシングルファーザー。その作戦、いいと思いますよ。よく顔を見ている相手って、自然と好意を持つものみたいですからね。それにしても、彼女は、部長がシングルファーザーということには抵抗なかったですか？
フィアンセ：ええ、逆に、部長もやり激務をこなしながら、ここまでお子さんのことを愛して考えていらっしゃる。頭が下がるなという思いです。ただ、私、ドSじゃないから、それだけが心配（笑）。
部長：いやいや、僕、ドMではないですから！ 偶然、性格の悪い女性にひっかかることが多かっただけです!!（笑）。
川崎：うーん、きっと、過去の女性は悪い意味でのS。今の彼女は、「しっかり者」という良い意味でのSなんじゃないかしら（笑）。
フィアンセ：良い意味での……そうだといいんですが。
部長：確かに良い意味でのSかもしれないですね。腹も座ってて頼り甲斐もあります。いや、でも……だから僕、ドMではないです。逆に、僕ドMじゃないですけど!! いいですか？
フィアンセ：いえ、私こそ、ドSじゃないけど、いいですか？
……お互いに、ご自身の性癖が相手にとって良いのかどうか自信が持てないままではあったが、「ドMじゃないけど、いいですか？」「ドSじゃないけど、いいですか？」と、はにかみ笑いを交えて確認しあう、ジョークも阿吽の呼吸。マスコミ畑でしごかれ抜いたお2人には、もう、誰にも入っていけない、そして、誰にも止められない愛を感じざるを得ない。
では最後に、いつも、超ド級Sで辛口の川崎貴子さんから、活を入れてもらいましょう！ 川崎先生、どうぞ！
川崎：いや～たまには幸せに穏やかに終わりましょうよ。だってお2人、こんなにも幸せオーラ。もう、言うことはありません！ でも、もし何か危機があれば、最初の対談の時みたいに、部長をバーできっちり怒らせていただきますのでフィアンセさん、いつでもご相談くださいね。本当に本当に、おめでとうございます！
Photo：Yuji Hirose
Text&Edit：西内悠子
婚活道場では、川崎貴子先生にご相談なさりたい男女を募集しております。プライバシーには十分配慮しますので、お気軽に下記編集部のメールにご連絡ください。
→VOL10 「DV、極貧、運動音痴。トラウマ三重苦のオトコ」
→VOL9「肉食女子のメッシ－君にされている高身長のオトコ」
→VOL3「高収入のエリートしか愛せないオンナ」
【川崎貴子 プロフィール】1997年に女性に特化した人材コンサルティング会社、株式会社ジョヤンテを設立。経営者歴19年。女性の裏 と表を知り尽くし、人生相談にのりフォローしてきた女性は1万人以上。婚活結社「魔女のサバト」主宰。「女のプロ」「黒魔女」の異名を取る。10歳と3歳 の娘を持つワーキングマザーでもある。著書に、『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』（総合法令出版）、『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』（KKベストセラーズ）『私たちが仕事を辞めてはいけない57の理由』（大和書房）『上司の頭はまる見え。』（サン マーク出版）など。
▶︎最新著書「モテと非モテの境界線 ＡＶ監督と女社長の恋愛相談」も絶賛発売中！
▶︎結婚したい独身男性の皆さまへ、キャリコンのご案内
http://buff.ly/2cmWmg8
