BMW 8 Series Convertible
「女心と秋の空」。秋の空模様のように、女性の心はコロコロ変わって果てしがないですよね。しかし、先日ご一緒した能の関係者によると、実は「男心と秋の空」という言葉が先に誕生していたというんです。元は狂言の「墨塗(すみぬり)」が由来だと思うけど……と前置きしながら、そのなかに「男心と秋の空は一夜にして七度変わる」というセリフがあると教えてくれました。
室町時代から演目として存在する「墨塗」。まあニワトリが先かタマゴが先か? って程度のハナシですが、性別を問わず人の心情は常に移り気だということでしょう。ソレすなわちクルマ選びのココロも同じです。
BMWがフラッグシップクーペとして送り出した8シリーズに、コンバーチブルが追加されます。さらに追ってグランクーペも投入されるようですから、先々、8シリーズは3つのボディバリエーションをラインナップすることになります。
新しいデザイン言語とマーケティング戦略を象徴する8シリーズは、言わずもがなラグジュアリークラスにあたる超高級車。必死に買うようなおクルマではございません。お宅拝見でオーナーのガレージにうかがえば、ライバルブランドもあるに違いないのです。
このクラス&価格のクルマを作れるのがBMWのスゴイところ。国産車なら特異なモデルを除けば、まずカタログモデルとして成立しません。
屋根空きモデルを選ぶときのポイントは、屋根を閉じたときのスタイリングです。フロントガラスのトップからリヤエンドへと流麗なラインを描くクーペは秀逸です。一方のコンバーチブルはワタシは素直にカッコいいと思いますが、皆さんの感想はいかがでしょうか。
パフォーマンスを司るパワーユニットは、日本仕様はガソリンエンジンのみ導入と予想します。ローンチは最高出力530hpの4.4リッターV8ターボを搭載する「M850i xDrive」となる見込みで、追って最もスポーティなM8とエントリーモデルの840i(多分Mスポーツの名がプラスされるか?)が登場予定です。
さて、8シリーズのグランクーペ版はまだ発表されていませんが、皆さんならどのボディタイプを選ぶでしょうか。ワタシなら、クーペかカブリオレしか買いません。そして、ワタシはオジサンですから迷わず後輪駆動の840iを選択。「BMW Individual」で自分好みにエッチく仕上げて乗っちゃいます。
搭載される3リッター直6ターボのB58B30Aは、7シリーズで最高出力326ps(国交省届出値)なのでパフォーマンスは十分です。また、ミッションはトルクコンバータータイプのAT(油圧式)ですから、下手に乗らない限りまず壊れません。
で、なぜBMWはフラッグシップの8シリーズでグランクーペを作るのか? というお題で妄想すれば、さらに上のクラスを作るのでしょう。その場合、おそらくEVなどパワーユニットはエンジンとはならない可能性が高いのですが、ダイムラーが塩漬けにしていたマイバッハも本格始動するようですし、BMWも黙って見過ごすワケには行かないのです。
そんな背景を考慮すると、今こそ動物的な雄叫びを上げる化石燃料仕様のクルマに乗れる最後のチャンスが訪れている……と感じずにはいられないのです。
このボディサイズとパッケージでしか実現しない艶やかさ。条件付きで2019年モデルえっちぃ度No.1に認定しましょう!
Text:Seiichi Norishige
BMW
0120-269-437(BMWカスタマー・インタラクション・センター)
■The all-new BMW 8 Series Convertible. Official Launch Film.