HEALTH ― ヘルスケア

エンドルフィンで幸せになろう! “脳内麻薬”エンドルフィンとは?

2018.9.17 2018.9.17
2018.9.17

「エンドルフィン」は幸せの鍵?

皆さんは「エンドルフィン」という言葉を聞いたことがありますか?

「エンドルフィン」とは脳内で作り出される神経伝達物質であり、それが多く体内で作り出されると、わたしたちはモルヒネ同様の多幸感を抱くことができます。

なんだか胡散臭いですが、この「エンドルフィン」の生成を自らの力で上手い具合に調節することができれば、わたしたちは簡単に幸せになれるかもしれません!

今回は“脳内麻薬” エンドルフィンについてご紹介します!

そもそも「エンドルフィン」とは?

「エンドルフィン」とは、脳の視床下部の神経細胞で作られる鎮痛・鎮静作用を持つペプチドです。といってもよくわからないと思いますので簡単に書くと、エンドルフィンとはいわゆる脳内ホルモンです。またこのエンドルフィンの特徴とは、モルヒネが摂取されたときと同じ受容体と結びつくことで人体に多幸感を与えることが挙げられるため「体内性モルヒネ」「脳内麻薬」と呼ばれることもあります。実際にエンドルフィンにはモルヒネの約6.5倍に及ぶ鎮痛作用があると言われています。内因性のモルヒネ様物質(endogenous morphine)からエンドルフィン(endorphineと名付けられました。

エンドルフィンは、1976年にイギリスの研究グループがブタの脳内から、また同年にアメリカの研究グループも子牛の脳内から相次いで発見しました。そこから研究は進められており、エンドルフィンが脳内でホルモンと似た働きをしていることがわかっているものの、生理的意義は未だ解明されておらず現在も研究が進んでいます。

エンドルフィンが関与する現象

エンドルフィンが関与する現象の一つに「ランナーズハイ」が挙げられます。「ランナーズハイ」とは、人が長時間走り続けたときに次第に身体が高揚感を抱くようになる現象を言います。この現象にはエンドルフィンが関与していると考えられています。

我々の身体は長時間酷使され続けると、筋肉のグリコーゲンが枯渇し、また痛覚が刺激されます。その反動としてストレス軽減のためにエンドルフィンが分泌されるのです。エンドルフィンは神経を興奮させて快楽を与えるのではなく、神経を落ち着かせる作用を持つからです。

また同じように鍼治療も身体の痛覚を刺激しますが、痛覚を刺激した反動として分泌されるエンドルフィンによりむしろ快感を得られる仕組みになっています。

他にも食事をした時の満足感セックスの快感もエンドルフィンが関与する現象と言われています。

エンドルフィンを分泌するには?

エンドルフィンは「ランナーズハイ」、鍼治療のように肉体や精神が極限状態に追い詰められたときに分泌される一方、食事をした時や性行為の後など癒しを感じた時に分泌されることもあります。

したがって、エンドルフィンを分泌するには軽い運動など体に刺激を与えることやダイエットなどで食事を我慢しないことが良いでしょう。

以下が簡単にできる具体的なエンドルフィンの分泌方法です。

・エアロバイクを15分漕ぐ、ウォーキングなど簡単に続けられる軽い運動

・熱すぎないお湯に入浴する(※高血圧や心臓疾患のある人は注意しましょう)

・辛いものを食べる

上記3つは肉体や精神を追い詰めることで分泌する方法です。

・深呼吸する

・ダイエットなどはせず、たまには甘いものや脂っこいものなど好きなものを好きなだけ食べる

・好きなことをしてよく笑う

上記3つは肉体や精神を癒すことで分泌する方法です。

エンドルフィンに似た脳内物質

エンドルフィンに似た脳内物質5つをご紹介します。

・ドーパミン

エンドルフィンと同じように、人を幸福にする作用があります。また「ワーキングメモリ」と呼ばれる脳の部分に深く関わっているため、ドーパミンが分泌されると情報処理能力集中力やる気が高まると言われています。精神的に報酬を得た時に分泌されるので、例えば自分がクリアしにくいと思われる目標を設定しその目標を達成すると良いでしょう。

・ノルアドレナリン、アドレナリン

エンドルフィンと同じように、両方とも身体や精神が限界まで追い詰められると分泌される特徴があります。ノルアドレナリンは主にに、アドレナリンは主に身体に作用します。ノルアドレナリンを分泌して脳の働きを高めたいときは、あるタスクに対して自ら〆切を課し自分を追い詰めると良いでしょう。またアドレナリンを分泌したい場合は、大声を出すと良いと言われています。よく重量挙げの選手やハンマー投げの選手が大声をあげて力を振り絞ることには、アドレナリンを出すためという理由があるのです。

・セロトニン、メラトニン

エンドルフィンと同じように、両方とも分泌されると心に安らぎを与えます。セロトニンを分泌する方法として有名なものが、朝起きた時に朝日を浴びる方法です。セロトニンは日光によって分泌が活性化されます。一方でメラトニンは日が落ちた夜に活性化します。メラトニンを分泌するには、眠るときは遮光カーテンなどを閉めて光のない状態にすると良いでしょう。どちらとも睡眠と覚醒をコントロールする役割を持つため、分泌バランスが崩れてしまうと一日中倦怠感を覚え、うつ病のようになってしまいます。

 

エンドルフィンを含む脳内物質の分泌を助ける食事

エンドルフィンは脂っぽいものや甘いものを食べすぎたりしてしまういわゆる「ドカ食い」で分泌が活性化されますが、それでは身体に毒です。

本当に身体が喜ぶ、健康的な食事を集中して摂るようにすると、身体にも脳にも良いエンドルフィンの分泌を可能にします。

そのためには以下のような食事が推奨されます。

・スムージー

ミキサーさえ持っていれば、バナナやリンゴ、ヨーグルトを投入するだけで、簡単にビタミンBやマグネシウムを摂ることができます。

・魚

魚はオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいます。オメガ3脂肪酸は、セロトニンの生成に不可欠です。特にイワシやマグロの赤みに多く含まれるので、積極的に摂取するように心がけましょう。

エンドルフィンと「幸せ」のバランス

そもそも「幸せ」とはなんでしょうか?例えばモルヒネによる快感は「幸せ」に含まれるのでしょうか?

もちろん闘病などの際に、少しでも痛みを和らげるためにモルヒネを使う場合などは例外です。しかし、それ以外の人間ならば誰しもが体験する肉体的、精神的に追い詰められてしまうことは、モルヒネなどで解決するに値するのでしょうか。いつも「ドカ食い」ばかりしてしまったり、身体に刺激を与えることで(例えば辛いものばかり食べてしまうなど)快感を得ようとする考えはある種病的であり、持続可能な「幸せ」ではないでしょう。

長寿の人々は健康的に毎日笑顔で生きることを楽しんでいるように見えます。彼らは適度な運動、健康的な食事、習慣的にリラックスタイムを設けるなどを心がけている場合が多いです。そのような生活はエンドルフィンの分泌を自然と助けています。

したがって過度に、中毒的に「幸せ」を求め、エンドルフィンを分泌するのではなく、あくまで健康的に楽しいことを求めて、エンドルフィンを活性化させることが真の「幸せ」に近づく方法であると考えられます。

まとめ

いかがだったでしょうか。脳内で“麻薬”を作ることができるなんて、知らなかった方も多かったと思います。また、「ドカ食い」やセックスの快感が、まさか脳内物質のエンドルフィンによるものだったなんて意外に思われた方も多くいたでしょう。

しかし決してそのように過度なエンドルフィンの分泌に依存し、理性を失うことがないように、バランスよく幸せになることが人生において大切なことではないでしょうか。

Photo : Getty Images
Text : H.M

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