赤峰塾!間違いだらけの洋服選び

【今回は映画人と】ドクトル赤峰と「映画を観て、世界を知って、日本を知る」

2018.9.16 2018.9.16
2018.9.16

ジェントルマン道を極めるドクトル赤峰とファッション界のレジェンドたちが、イマドキファッションの風潮やヤワな着こなし、ガッカリスタイルなどをスパッと一刀両断! 男として、あるいは女として、「清く、正しく、美しく」生きるために必要な服装術や、服を着ることの意味・意義をストレートに語り尽くします。

今回は、洋服業界ではなく“映画人”に登場していただきます。昨年3月に東京・恵比寿ガーデンシネマで、「イタリア ネオ+クラシコ映画祭2017」というイベントを開催し、多くの映画ファンに来ていただきましたが、その映画祭の企画をしたVALERIA(ヴァレリア)の小倉聖子さんです。彼女は主にヨーロッパ映画の配給・宣伝・買い付け、映画祭の主催をしていて、“次の時代を背負って立つ映画人”です。(協力:YEBISU GARDEN CINEMA)

作り手の気合いがビンビン伝わってくる映画が好き

赤峰 小倉さんと初めて会ったのは2011年でしたね。

小倉 イタリア映画の『ゴモラ(Gomorra)』の日本上映時のときでした。

赤峰 『ゴモラ』はイタリア・ナポリの犯罪組織カモッラを題材にした映画で、街でポスターを見つけて「こんな映画を誰が日本に持ってきたんだろう」と興味が湧いて、ポスターを見たら「VALERIA」と書いてあった。それで調べて電話をしたら小倉さんが出て、「一度会って映画のお話をぜひ……」と会ってみたら意気投合。

小倉 『ゴモラ』には本物のマフィアも出演していて、作品公開後に出演俳優の一人が指名手配中のカモッラの一員であることが判明して逮捕に至るという事件が起きたというほど“ヤバい”映画なんですが、映画の根底に描かれている問題は実は大問題なんです。

赤峰 マフィアと呼ぶのはシチリアの組織ですが、ナポリのカモッラは主にクスリを、カラブリアのンドランゲタは誘拐を生業としているなど、イタリアの犯罪組織は「世界最大の企業」といわれるほどヤバい。小倉さんはどうしてこういうハードな映画が好きなんですか。

小倉 映画の中のリアリズムというか、社会の問題を映画でどう訴えて、私たちに考えさせるかというのが好きなんです。「作り手が気合いを入れて撮っているな」というのがひしひしと伝わってくる映画が好きで、それが映画の真髄だと思うんです。『ゴモラ』も大好きでしたね。

赤峰 そういうご縁があって、去年の「イタリア ネオ+クラシコ映画祭2017」が実現しましたが、来月10月6日(土)から19日(金)まで、去年と同じYEBISU GARDEN CINEMAで「イタリア ネオ+クラシコ映画祭2018」を開催することとなりました。

小倉 今回も新旧イタリア映画をリマスター版で上映します。イタリア映画が誇る現代の古典(ネオクラッシコ)と永遠の古典(クラッシコ)の中から12作品を上映します。

「イタリア ネオ+クラッシコ映画祭2018」ポスター前で
ベルナルド・ベルトルッチ監督は、変で面白い!

赤峰 小倉さんは『カメラを止めるな!』は観ましたか。

小倉 まだ観ていないのですが、先日、青森・八戸へ行ったら、知り合いが「初めて満員 の映画館で映画を見た」と話していました。またその知り合いが「みんなで映画を観て笑 ったり、共有するのはすごくいいことだね」と言っていましたね。

赤峰 それはいい話ですね。映画を観て笑って、解放された気分になって、映画館はいいところだなと思ってほしい。

小倉 観たい映画があったら、無理してでも時間を作って映画館で観てほしいです。笑えるといえば、ベルナルド・ベルトルッチ監督の『暗殺のオペラ』(1970)もめちゃくちゃ笑えるんですよね。

赤峰 日本では『暗殺の森』(1970)の方が有名ですが、『暗殺のオペラ』に出てくるサファリジャケットに赤いスカーフを巻いたおやじがカッコイイ!

小倉 ベルトルッチは変ですよね(笑)。やっぱり変で面白い。『暗殺の森』のドミニク・サンダのパンツスタイル、もう絶品ですよ。あのスタイルで就活に来たら、一発合格です!

赤峰 『暗殺の森』のマルチェロ(ジャン=ルイ・トランティニャン)が、雨が降ってきたときに、ジャケットの襟を半分だけ折るんだけど、それがね、いいんだよ。

小倉 赤峰さんと映画の話をしていると、「映画は人それぞれで楽しむもの」というのがよくわかります。

赤峰 映画は“五感”で感じるものだから、映画の匂いを感じ取れる、このYEBISU GARDEN CINEMAとかで観てほしいね。

小倉 この映画館は音も良いです!

「イタリア ネオ+クラッシコ映画祭2018」前売り券発売中
赤峰さんからは、「通り一遍の感想は出てこない」

赤峰 去年の「イタリア ネオ+クラッシコ映画祭2017」のとき、ロベルト・ロッセリーニ監督の『無防備都市』の上映後にトークショーをやりましたね。今回もどこかのタイミングでやりましょう。

小倉 赤峰さんとは本当にいろんなことを話しますが、『無防備都市』を観ても、赤峰さんじゃないとわからない「映画+イタリア人の真髄」を教えていただいています。史実は調べれば分かるけど、人間的な味、いわゆる“人間味”は教わらないと分かりません。

赤峰 イタリア男の「マンマ」のこととかね。

小倉 イタリアの男性が深爪なワケは赤峰さんに教わりました。

赤峰 彼らは気がつくとしょっちゅう爪を噛んでいて、みんな深爪なんだよ。あれはマザコンの象徴で、ヒマがあるとお母さんに電話してる(笑)。

小倉 そういう"マザコンの象徴"みたいなことを知ると、また映画の見方が変わります。

赤峰 小倉さんは前にポーランドに行っていましたね。

小倉 2015年にポーランドに2ヵ月行きました。現地で驚いたのが、若い人たちが映画の話をすごくするんです。会話をして「映画の中の文化の要素」を身体の中に入れていって元気になっていくような感じなんです。そういう会話の中から、自分がしたいことや将来が見えてくる。ヨーロッパはそういうのが普通なんですよね。

赤峰 日本人とは全然違うよね。

小倉 日本人は「本音と建て前」で生きていますよね。でも赤峰さんは良い意味で、それを100%裏切ってくれます。日本人の良いところを知っていて、それに加えて世界中を歩いているので、世界の見方とか人間の“髄”を見ている感じがします。

赤峰 いやいや、ありがとう。

小倉 赤峰さんと映画を観ていると、感動する度合いや映画を観るポイントが他の人と全然違っていて、そうやって映画を観られる人は本当に少ない。いつも話がすごく合って、勉強させてもらっています。

赤峰 映画を観ていると、「人生はお金じゃない」と思うよね。

小倉 お金じゃないです。好きなことをやっていたいです。


イタリア ネオ+クラッシコ映画祭2018
日程:10月6日(土)~19日(金)
場所:YEBISU GARDEN CINEMA
上映作品:『ヘラクレス』(1958)、『ヘラクレスの逆襲』(1959)、『ナポリの饗宴』(1954)、『イタリア式離婚狂想曲』(1961)、『にがい米』(1949)、『暗殺指令』(1959)、『ゼロ地帯』(1960)、『太陽の誘惑』(1960)、『ある個人的な問題―レインボウ』(2017)、『ともに歩む人生』(2017)、『狂った夜』(1959)、『愛の果てへの旅』(2004)

YEBISU GARDEN CINEMA
東京都渋谷区恵比寿4-20-2 恵比寿ガーデンプレイス内
http://cinemaneoclassicoitaliano.com/
https://www.facebook.com/ItaliaNeoClassico/


「ドクトル質問箱」では、赤峰さんへの質問をお待ちしています。こちらforzastyle@kodansha.co.jpまで質問をお送りください。

ジャパン・ジャントルマンズ・ラウンジ
http://j-gentlemanslounge.com

Photo:Shimpei Suzuki
Writer:Makoto Kajii

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