スポーツブランドにモードブランドを混ぜるのが今の気分(かな?)
前々から言っている通り、基本的にロゴものは苦手でして……。と言うか、ひと目でブランドがわかるようなデザインはあんまり好みじゃないんです。
でも、それが「JUST DO IT」のプリントをミラノのスポーツショップで見たときに、ビビッときたんです(笑)。ナイキの企業スローガンなんですが、直訳すると“行動あるのみ”とか、“いいからやってみな”とか、“何を躊躇しているんだ。早くやれよ!”みたいな感じでしょうか。そんな毎日が最高のチャンスだ、というメッセージにはとても共感するんです。なんせ、めちゃくちゃ時短マニアなので……(笑)。やるなら今しかない! これこそ自分のポリシーでして。まぁ、もともと、スポーツショップに行くのも好きなんですけどね。
“なぜだろう?”と、自分の内面を分析してみたのですが、おそらく最初は23歳のころ。当時『エスクァイア日本版』の編集をしていて、メンズのプラダがファッション業界を騒がせていました。で、そのときの自分のスタイルが、プラダのラバーソールのベルクロシューズに、ナイキのクライマフィットシリーズの黒のシャカパンを合わせ、サンスペルのTシャツや、セントジェームスの黒無地のロンTを着ていたんです。今、思えば、今どきのアスレジャーの走りみたいなスタイル。
そのころから、スポーツブランドは機能的な素材だけでなく、ファッション性もものすごく考え抜かれるようになってきていたんですよね。現在的なデザインやパターン、タイポグラフィなども素晴らしいですし……。最近では、ファッションブランドがどんどんスポーティなアイテムを出しているし、スポーツブランドとファッションブランドのコラボレーションも増えていますから。
このTシャツは、今年5月にイタリアに行った際、ミラノの大手百貨店「ラ・リナシェンテ」近くのスポーツショップでたまたま見つけて購入したもの。さっき、ひと目でブランドがわかるものは好みじゃないと言いましたが、これは長体がかかっているから、よく見ないと「JUST DO IT」と読めないところも気に入りました。
本当は、もっと着丈が長いオーソドックスなシルエットだったのですが、今どきのビッグシルエットのバランスで着たかったこともあり、あえてXLサイズを買って7cmくらいカット。右前の裾部分に「DRY FIT」とプリントされているのがイヤで、それをなくしたかったというのもあります。カットしたことにより、ボディは大きく、袖は長めなのに、着丈はいい感じに短いという今どきの雰囲気になりました。はい、お察しの通り、行きつけのお直し屋さん「浅野洋服店」でやってもらいました。
このTシャツは、休日にニール・バレットの黒のジョガーパンツやEA7の黒のショートパンツみたいなモードブランドと合わせるのが定番のスタイル。足元をは、もちろんスニーカーで。最初に言った通り、ロゴものは苦手なんですが、これはハズしと言うか、グラフィックを楽しむ感覚であくまでも洒落で着るのがいいんですね。
Photo:Ikuo Kubota(owl)
Text:FORZA STYLE