この流れの源流は ウミット ベナンだったのでは……
さて、いよいよ99回目は「トラサルディ(TRUSSARDI)」の半袖シャツ&ショーツのセットアップ。あと1回で100回だなんて感慨深いし、よくもここまで買ってきたな…。こんな高いものばっかり……。ただ、まだまだ続きそうなので 懲りずにお付き合いくだされば幸いです。
それで、このセットアップですが、「トラサルディ」がブランド100周年を迎えた2011年にデザイナーに任命したウミット ベナンが、2013年春夏コレクションでリリースしたもの。リネン100%で、夏に着るには最&高そうな仕上がりだったんです。
ただ、生地の雰囲気も相まってなのか、パッと見だと全然モードっぽくは見えない(笑)。
グレイハウンドの頭部と楯を組み合わせた例のシンボルや ボート&ヨット、スクーターなどなど、イタリア〜ンなエスプリを効かせた柄のはずなんですが、色なんでしょうかね?
バティックっぽいというか、ちょっとボヘミア〜ンな匂いすら漂ってきませんか?? そのせいか店頭での評判もあまり芳しくなく、セール時まで結構な充実っぷり。でも、当時ウミットベナンが提案するスタイルに傾倒していた僕にとっては好都合!ってことで、シャツだけでなく、しっかりショーツも まとめて清水ダイブしておきました。
さすがはトラサルディ! ただのイージーパンツに見えて、フロントはしっかりジップ付きですし、ウェストのドローコード部分には きちんとハトメが打ってあります。
ポケットもスランテッドではなく、両玉縁仕様。生地がリネンなので、荷物を入れた際に口がカパカパするのを防いでいるんでしょうね。気が利いてます。
そうそう。先日、最近のトレンドだったコロニアルなムードとか、タック入りパンツの隆盛とかってのを遡るとウミット ベナン発信だったんじゃね? みたいな話になりました。グルカとかミリタリーモチーフのパンツも結構たくさんリリースしていたし。紆余曲折あって彼のコレクションを手にする機会はだいぶ減ってしまいましたが、サラブレッドで世界中を廻ってきた経験値ってのは かなり高かったんだなぁって。いや〜、やっぱファッションって奥深くて 面白い。
ちなみに、これらを東京の夏にセットアップで着ちゃうと、甚平というか…、輩感満載になります(笑)。なので、リゾートを訪れた際に浮かれた感じで纏うんですが、これがバリだったりすると完全に現地のヒトというか、お土産で騙されて買わされた服を着てる観光客にしか見えない……。結局ドコで着るのが正解なのか、いまだに分かりません。ハッ! だから売れ残ってたのか!? 納得(笑)。
大きめな白Tにこのショーツとか、シャツ単体なら地味なアロハぐらいの見え方になるからセパレートで着れば全然問題ないんでしょうけど、なぜでしょう? どういうわけかセットアップで着たくなっちゃうんですよね……。コレ不思議。
Photo:Naoto Otsubo
Text:Ryutaro Yanaka