イタリアらしい、端正な中にあるエレガンス
第49回は、ヴァレクストラのブリーフケースです。
[W41×H30×8cm]28万5000円(税抜)/ヴァレクストラ
形状は機能に従う。バウハウスの哲学は、ともすれば味気なくもなりがちです。しかし、ヴァレクストラのそれは、機能性に基づいたデザインながらも、印象は実にラグジュアリーでエレガント。まさしく、ミラネーゼスタイルそのものです。
創業は1937年のミラノ。すべての工程を手がけることができる生粋の職人たちによって作られるバッグは、究極のシンプルデザインが見どころです。
今回ご紹介するブリーフケースは、まさにそのひとつ。装飾性を極力省いていることが、外側にロゴマークやブランドネームさえ記さないことからおわかりかと。アウトポケットはフロントにジップ式がひとつだけ。メタルピースも直線的で抑制を効かせたボリュームに。そのシンプルさは、ソフト・カーフスキンとともに軽さという魅力も備えます。
ヴァレクストラの製品はよく建築物に例えて語られますが、確かに同ブランドのデザインは沈黙の美といえます。
シンプルといっても、内側にはA4サイズのジップポケット1つにA5サイズのオープンポケット4つ、ペンループ2つと必要な収納性は確保。PCを保護できるよう、薄くパッドも入っています。
[W41×H30×8cm]22万8000円(税抜)/ヴァレクストラ
ソフト・カーフスキンのやわらかな質感も相まって、ブリーフケースながら堅苦しい印象がないヴァレクストラ。春夏のジャケパンには、こんなジオメトリック柄もいかがでしょう。
ヴァレクストラはレディスが主軸となるブランドで、そちらでは華やかなデザインも披露しています。そこはかとなくにじむラグジュアリー感やエレガンスは、そんなレディースからインスパイアされているといって良いでしょう。同ブランドのブリーフケースが、女性から高い人気を集めているのも、その証です。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Masafumi Yasuoka
【問い合わせ】
ヴァレクストラ・ジャパン
03-3401-8017
https://www.valextra.jp/