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FASHION 僕が捨てなかった服

【かつての休日のユニフォーム】ビームス中村さんが冬に愛用した本物のハンドニットとは

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人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。

手編みの魅力を感じられるインバーアランのハンドニット

人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。成毛賢次さんに続いて登場するのは、ビームスのクリエイティブディレクター、中村達也さん

中村さんが膨大な数を所有してきた中でも捨てられなかった服をご紹介する企画の第5回目は、「インバーアラン(INVERALLAN)」のニットです。

インバーアランは今でこそビームスプラスでの取り扱いですけど、かつてはビームスFでバイイングしていたんです。アランセーターっていうのがメンズウィメンズ問わず、もの凄く流行っていて、コレに前回のチノパンやタータンチェックのパンツを合わせるようなスタイリングで着ていました。

当時はカーディガンが流行っていて、Vネックとかクルーネックのニットっていうよりは、カーディガンをジャケット代わりにリラックスして羽織るのが注目されていました。

ハイゲージのVネックカーディガンに対して、ざっくりと編まれたイギリスの昔からあるようなニットっていうアイテムに人気が集まっていて、中でも本物のハンドニットであったインバーアランは、今でもカジュアルのお店で売れていますけど、当時ももの凄く人気がありましたね。

実は同じモデルの白も持っているんですが、手編みなので表記に対してサイズが全然違うんです(笑)。白は割りとピッタリしてるんですが、この紺は大きめでタップリしてる。それも許容された時代で、ピッタリで着る習慣もなかったので、休みの日にはよく着ていました。

その頃はまだ子どもも小さかったので、ネルのチェックのシャツにコレを着てデニムやチノパンを穿いて一緒に出掛けたのを覚えています。ネルのチェックシャツを見せて着たいというのがあって、クルーネックでも襟付きのモノでもなく、クルータイプのカーディガンというのがカッコよくて気に入っていました。

今まで買ってきたニットはほとんど捨ててしまっているんですが、残っているのはコレだけかな。自分がバイイングして売れたという良いイメージに加えて、自分も好きで休みの日によく着たというイメージも残っているので、とにかく思い入れがあります。

さすがに今では袖を通すことはなくなりましたが、コレと白のインバーアランは捨てることはないですね。今後ハンドニットっていうアイテムはより希少になっていくと思うので、この当時のインバーアランは文化的な価値も含めて手放せません。

Photo:Naoto Otsubo

Edit:Ryutaro Yanaka


中村達也
ビームスクリエイティブディレクター
大学在学中よりBEAMSでアルバイトをし、卒業後ショップ勤務、店長、バイヤーを経て現在はクリエイティブディレクターとしてドレス部門を統括。メンズのドレスクロージングに関するセレクトや論理的な解説が持ち味で、媒体での連載や自身のブログ”ELEMENTS of STYLE”は絶大な人気を博している。


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