FASHION ― 赤峰塾!間違いだらけの洋服選び

ドクトル赤峰と洒落者ブン屋がお手合わせ。今回の大喝は何だ!?

2018.5.12 2018.5.12
2018.5.12

ジェントルマン道を極めるドクトル赤峰とファッション界のレジェンドたちが、イマドキファッションの風潮やヤワな着こなし、ガッカリスタイルなどをスパッと一刀両断! 男として、あるいは女として、「清く、正しく、美しく」生きるために必要な服装術や、服を着ることの意味・意義をストレートに語り尽くします。

今回のゲストは、朝日新聞社の文化くらし報道部 次長の中島耕太郎さんです。彼はかってファッション担当だった経験があり、私と共にピッティ・ウオモやフォックスブラザーズのファクトリーを訪問したこともあって、服好きでかなりダンディーです。フォルツァ世代の中島さんと2回に渡って「メディアと現代スタイル考」をお送りします。

「ドクトル質問箱」に25歳の男性から初の質問

――中島さんとの対談の前に、FORZA STYLEに赤峰さんへの質問が来ています。

突然のメールで失礼します。25歳の服に熱中している者です。
現在、物を修理し大切に育てていくように考えており、背伸びして良い服を古着屋で買うようにしております。良い服というのはいつまでも格好良く愛せるスエードブルゾンのような服だと思っております。そこで赤峰先生にお聞きしたいのですが、赤峰先生が太鼓判を押す、昔から今まで変わらず良い服や靴を、種類別に教えていただけないでしょうか。宜しくお願いします。

赤峰 質問ありがとうございます。古着屋へよく行かれるそうですが、過去から今まで存在している普遍的な商品や時代を超えてきたモノは、どんなアイテムでも、世界の中の多くの男たちに認知されてきたものです。なので、ブランド名はあえて挙げたくありません。あなたが気に入ったモノは、「楷書体の服」と定めて、自分自身が愚直に「楷書の服」を着ていくことが大切です。情報や値段に惑わされず、ブランドでモノを買うのではなく、モノの良さを自分の肌で感じてみて、「これは!」と思った服を着ていく、靴を履いていく。なにより自分で確かめることが大事です。

私が24~25歳の頃は古着屋三昧で、お金がないのに、神田須田町にあった綿布屋で白の綿のギャバジン生地を買って、東京の仕立屋は高いので、埼玉の熊谷まで自分で持っていって3つ揃いのスーツを安く仕立ててもらいました。フェデリコ・フェリーニの映画『8 1/2』のシーンに刺激を受けて、「似たものを着たい」という情熱からです。

「人と同じモノは着たくない」という思いは大切ですが、「人と違いを出そう」と過激になるのは要注意。コスプレ的になってはいけません。まわりの目にも惑わされず、普通のモノでいいものを探していく、古着屋通いは大歓迎です。

――回答ありがとうございます。「ドクトル質問箱」では、赤峰さんへの質問をお待ちしています。ぜひ「forzastyle@kodansha.co.jp」にメールをお送りください。

「装いの基本」を語らせたら赤峰さんが一番のオーソリティー

中島 FORZA STYLEの連載は、若い方も読んでいるんですね。

赤峰 最近Incontroのアトリエにオーダーに来る人は25歳ぐらいから34、5歳ほどの男性が多いんですよ。昨日も25歳の新潟の新聞記者の人が、「赤峰さんの服を着たくてお金を貯めてきました」と訪れてくれました。県警詰めらしいです。

中島 自分がサツ回り(警察担当記者)をしていたときは、警察官と同化しようと、「ダークスーツに白シャツ」でした。いかにもブンヤ風ですが、自分はチャコールグレーが好きで、オールドイングランドのスーツを着ていましたね。

赤峰 さすが、その頃から洒落っ気があったんですね。

中島 国税のマルサ(査察部)も身なりはきちんとしていますよ。

赤峰 うちにも33歳の国税局の人や、31歳の防衛省勤務の人などが来られます。国税の人はスーツを4着ほど作っていて、興味があるんですね。

中島 中央省庁は相手が相手なので、スーツは「武装」の意味もあると思います。

赤峰 なるほど。では、中島さんのプロフィールを教えてください。

中島 1974年、埼玉県生まれです。98年に朝日新聞社に入社し、広島・神戸支局(現総局)、大阪社会部を経て、現在は東京本社の文化くらし報道部に属し、ファッションとアートを主に担当するデスクです。5年ほど前に3年半ほど赤峰さんの連載を担当し、現在は赤峰さんの装いの思想をまとめたような『装い歳時記 男の粋を極める』として電子書籍で読んでいただけます。赤峰さんの連載を担当していた頃は、ご一緒に海外も回って幸せな時間でした。

赤峰 中島さんが文化グループのファッション担当のときに執筆したのが『装い歳時記 男の粋を極める』です。

――中島さんから見た赤峰さんはどういう人物ですか。

中島 私はもともと『暮しの手帖』が好きで、自分が服飾に関わるなら、ファッションというより「装いの基本」、働く男性の服をと考えていて、それなら赤峰さんが日本で一番のオーソリティーだと考えました。

赤峰さんは良い意味で「古い」。古いから流されないし、正統なことを言い続けています。今のファッション雑誌は「クラシックで良いモノ」と「モダンで良いモノ」が等価に置かれていて分かりづらいですが、その点、赤峰さんはいつお会いしてもクラシックで本質的だなと思います。

赤峰 ファッション雑誌をはじめとするメディアの発信が整理されていないのは、ブランドで良し悪しを語るから。『暮しの手帖』が広告を取らないで月刊100万部を続けられたのは花森安治の思想があるからで、思想なき今の時代に求められているのは「なにをもって思想とするか」なんです。だから自分は装いを通して役割を全うしたい。

「間違いだらけの洋服選び」の根底にある問題とは

中島 赤峰さんのこの連載タイトル「間違いだらけの洋服選び」ですが、間違いの根底にある問題の一つはメディア、もう一つは売り手だと思います。自分はメディアに籍を置いていますが、自分がファッションのページを担当しているときに感じたのは、「よくないものをよくない」と書くのはかなり難しい。「これはくだらない」とか「これはシャビーだ」というニュアンスも伝わりづらい。でも選別をかけることは絶対に必要です。

そこで思ったのは、「朝日新聞が紹介するのは記者が良いと思ったものです」という いいものを紹介することで、読者に実際に手にとってもらう。それがファッション・ジャーナリズムだと思いました。また、今は広告とメディアの関係性が読み手に伝わっていますので、おもねった記事は掲載できません。

赤峰 売り手の問題といえば、銀座にあるデパートやセレクトショップはよく覗きますか?

中島 買い物はしますが、どの店も提案が総花的というか……。クラシックなものの品揃えが充実していて、「ここに行けば一式揃う」というような店がほしい。今のメンズショップは、普通の人が見たら、似たようなものが並んでいて、商品が多すぎて選べない、違いが分からないと思います。

赤峰 イタリアのファクトリーブランドなどもブランドの個性はそれほど違いがないからね。

インターネット時代の新聞の存在価値とは

赤峰 中島さんは どうして新聞社に入ったのですか。

中島 新聞が好きでした。公務員の親や教師から「世のため、人のために働くこと」と言われ続けて、新聞は具体的にイメージしやすかったですね。朝日に入って20年経ちますが、自分の興味や関心を仕事に結びつけることができて幸せです。

赤峰 天声人語を毎日読んで、「どうしたらこういう文章が書けるんだろう」と気になったものをスクラップしてもう10冊ほどになります。文化・文芸欄の気になる記事も切りとっています。インターネットは知りたいモノしか知るしかできないもので、知らないことは検索できない。新聞は「僕の学習帳」のようなもので、無自覚なことをたくさん教えてくれる。

中島 自分が入社した98年から20年が経ちますが、新聞の読まれ方はあまり変わっていないと思います。ただ若者層には弱みがあって、「今の若い人には、新聞はチャーミングじゃないのかな?」とは思いますが……。その一方で、お手軽に情報が手に入るデバイスやサイトがあり、フェイクニュースが溢れる中で、朝日新聞の報道の信頼性が再評価を得られているようにも感じます。

赤峰 新聞でファッションを取り上げる理由は?

中島 衣食住は新聞が伝えるべき生活情報であり、ファッションはニュースが豊富です。たとえば、中学生の関心事の上位にはファッションがあるので、将来的にキラーコンテンツになり得る分野だなと思っています。

赤峰 そういう若年層はファッションに興味を持っている人が多いので、新聞を習慣づける要素にはなりますね。

【information】summer gentleman fair開催!

「Akamine Royal Line」では5月10日(木)から18日(金)まで、「summer classic gentleman fair」を開催します。今回のフェアでは、これからの季節に相応しいアイルランドのリネン生地メーカー「SPENCE BRYSON(スペンス・ブライソン)」とスイスのシャツ生地メーカー「ALUMO(アルモ)」の生地を中心に多数の生地をラインナップ。Akamine Royal Lineはアポイント制なので、詳しくはAKAMINE BLOG(http://www.incontro.jp/blog/index.php)を参照ください。

 

「ドクトル質問箱」では、赤峰さんへの質問をお待ちしています。こちら「forzastyle@kodansha.co.jp」まで質問をお送りください。

 

ジャパン・ジャントルマンズ・ラウンジ
http://j-gentlemanslounge.com

Photo:Shimpei Suzuki
Writer:Makoto Kajii

KEYWORDS
赤峰幸生

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