職場でのイライラ、直ちに解消したくないですか?
商談がうまくいかない、部署のメンバーと意見が食い違う、仕事量が多くて手に負えない……緊張状態にある職場で、人はストレスをためてしまいがちです。
そんなビジネスマンに、職場で簡単にできるストレス解消方法をご紹介!「自分は大丈夫」と思っているそこのあなたも、知らず知らずのうちにストレスをため込んでいるかもしれませんよ。
目次
1:ストレスとは
2:職場でのストレスの原因
3:ストレスをためやすい人とは?
・真面目で責任感が強い
・神経質
・気を遣いすぎる
・競争心が強い
4:職場でできるストレス解消法7選
(1)ストレッチをする
(2)腹式呼吸を行う
(3)ツボを押す
(4)こまめに目を休める
(5)ガムを噛む
(6)デスクに観葉植物を置く
(7)コーヒーの香りを嗅ぐ
5:それでも解決しない……という人は
1:ストレスとは
そもそも「ストレス」とは、外部から刺激を受けたときに生じる体の緊張状態・反応のこと。もともとは物理学の言葉でしたが、アメリカの生物学者ウオルター・B・キャノンが生理学に応用し、さらにカナダの医学者ハンス・セリエが「ストレス学説」を唱えたことにより、現在の「ストレス」が生まれたといわれています。
ここでいう外部からの刺激を「ストレッサー」と呼び、これを含めて「ストレス」と表現されることもあります。ストレッサーには、睡眠不足などの身体的要因から、不安などの心理的な要因まで、さまざまなものがあります。これらの“刺激”によって、私たちはイライラした気分になったり、胃痛、不眠などの症状を引き起こしたりします。これがストレス反応です。
ストレス反応は、大きくわけて心理面(イライラ、不安、気分の落ち込みなど)、身体面(動悸や息切れ、頭痛、食欲低下、便秘や下痢など)、行動面(飲酒量や喫煙量の増加、仕事のミスなど)の3つがあります。さらにこれらの症状が悪化すると、急性胃炎や過敏性腸症候群といった疾患を引き起こしてしまいます。
まずは、自分のストレスサインを知っておくことが重要ですね。
2:職場でのストレスの原因
では、職場で起こるストレスの原因とはいったい何でしょうか? 厚生労働省の調査(2012年)によれば、「人間関係」(41.3%)が最も大きな原因となっています。ここで男性だけの結果を見てみると、「人間関係」(35.2%)に続き、「仕事の質」(34.9%)、「仕事の量」(33.0%)、「会社の将来性」(29.1%)や「昇進、昇給の問題」(23.2%)、「定年後の仕事・老後の問題」(22.4%)が原因であることがわかります。
原因の1位となった「人間関係」。具体的には、どんなところにストレスを感じているのでしょうか? 日本法規情報の調査(2017年)によれば、「噂話・陰口」(33%)に続き、「コミュニケーションのミスマッチ」(26%)、「仲間意識の低さ」(13%)が挙げられました。また、「人前での注意」(10%)や「飲み会の強制」(3%)といった回答もあります。
このような社内の人間関係においてだけでなく、クライアントやお客様との関係を築いていく過程でも、ストレスは日々気づかないうちに生じているかもしれません。
3:ストレスをためやすい人とは?
ここで、どんな人がストレスをためやすいタイプであるのかをご紹介します。参考までに、ご自身の性格に当てはめてみてくださいね。
・真面目で責任感が強い
頑張りすぎてしまうタイプの人です。適当なところでは妥協できない、完璧主義者ともいえます。仕事を完璧に仕上げたいがために、自分に厳しく、夜遅くまで残業するという人もいるのではないでしょうか。
・神経質
細かいところにこだわりすぎてしまうタイプの人です。上記の完璧主義者と少し似ていますが、書類やメールにしろ、言動にしろ、細部にまで気を配りすぎて神経質になってしまう人のことを指します。また、些細なことで不安になることもあります。
・気を遣いすぎる
常に相手のことばかり考えてしまい、自己主張ができないタイプの人です。「この言い方で大丈夫かな、先方を怒らせないかな……」という心配であったり、「本当はこちらのやり方が良いけれど、満足してもらうためには違うやり方にした方が良いかな……」などと、他人に対して過度に気を配る傾向にあります。
・競争心が強い
優秀で自己評価が高く、承認欲求が強いタイプの人です。周囲から認められたいという気持ちが強く、ときには自己中心的な言動がみられます。物事が自分の思い通りにならないと許せず、イライラしてしまいます。
4:職場でできるストレス解消法7選
それでは、職場でたまったストレスを解消するにはどうすれば良いのでしょうか? 簡単に実践できる方法を、7つご紹介します。
(1)ストレッチをする
椅子に座った状態で、両肩を上げて、首をすぼめるように肩に力を入れます。そのまま10秒キープしたら、ストンと脱力します。その後20秒ほど、力の抜けた感覚を味わいましょう。
この方法は、肩だけでなく、全身どの部位にも適用することができます。手であれば、両腕を伸ばした後、親指を曲げて握りこぶしを作り、10秒間力を入れましょう。その後は脱力し、リラックスです。
これは「筋弛緩法」と呼ばれる方法で、約100年前にアメリカの精神科医エドモンド・ジェイコブソンが開発した方法です。筋肉を緩めることで、体の緊張をほぐすことができます。
(2)腹式呼吸を行う
体の力を抜き、お腹をへこませながら口から息をゆっくりと吐きます。 口をすぼめ「フ~」という音を立てながら、なるべくゆっくりと吐きましょう(10~30秒)。 息を最後まで吐き切ったら、今度は口を閉じ、鼻から息を吸います。お腹の力を緩めることで、自然とお腹に息が入るようにします。初めは一気に吸ってOKですが、慣れたらゆっくり吸うようにしましょう(3~5秒)。
腹式呼吸には、自律神経のバランスを整え、体をリラックス状態にする効果があります。
(3)ツボを押す
・百会(ひゃくえ)
眉間の中心から頭のてっぺんを通る線と、両耳を結んだ線が交わった頭頂部の位置にあるツボ。リラックスを司る副交感神経の働きを良くする効果があります。両手の中指をあて、息を吐きながら押します(10~20秒)。
・肝兪(かんゆ)
左右の肩甲骨の下あたりの高さの位置にあるツボ。怒り、イライラ、ストレスに効果があります。肩甲骨の下あたりをイスの背の角などにあて、息を吐きながら押します(10~20秒)。
・神門(しんもん)
手首の横じわの小指側の少しくぼんだ場所にあるツボ。精神的な緊張をほぐし、イライラした気分を鎮めてくれる効果があります。親指をにあて、残りの指で手首をつかんで押します(両手それぞれ約30回)。
・合谷(ごうこく)
手の甲側、親指と人さし指の骨の分かれ目のやや人さし指側にあるツボ。ストレスで乱れた自律神経の機能を正常に戻す効果があります。親指をあて、やや強めに押しもみます(両手それぞれ約30回)。
(4)こまめに目を休める
パソコンなどの画面を長時間見続けることは、まばたきの回数を減らし、目を乾いた状態にしてしまいます。長時間のパソコン作業は、このように目を酷使するため、VDT(Visual Display Terminal)ストレスを引き起こすといわれています。あなたを悩ませている“疲れ目”を解消するためには、画面を見続けず、こまめに目を休めることが大切なんです。
1時間おきに10分ほどパソコンの画面から離れ、目をリラックスさせましょう。その間、窓の外の景色を見つめることや、蒸しタオルなどを当てることが有効です。
疲れた目を癒してあげることで、仕事の効率も上がるかもしれませんよ。
(5)ガムを噛む
神奈川歯科大学の小野塚實教授によれば、ガムを噛むことがストレス軽減につながるという研究結果が出ているそうです。
味はお好きなもので大丈夫です。キシリトール入りのガムを選べば、虫歯予防も期待できて一石二鳥ですね。ちなみにキシリトール入りのガムは、一日3回、1粒ずつを毎食後に噛むと良いそうです。
ガムを噛んでもOK!な職場環境のあなた、ぜひお試しあれ。
(6)デスクに観葉植物を置く
観葉植物には、視覚疲労の回復効果や、筋肉の緊張をほぐし心拍数を減少させる効果があるとされています。
ホームセンターなどに足を運べば、さまざまな種類の観葉植物を見つけることができます。まだ購入する気にはなれないという人には、レンタルサービスがおすすめ。最近では1ヶ月間無料でお試しできるサービスもあるので、気軽に利用できるのが良いですね。
自宅に観葉植物があるという人は多いかもしれませんが、これを機に職場にも置いてみてはいかがでしょうか?
(7)コーヒーの香りを嗅ぐ
杏林大学の古賀良彦教授らの研究によれば、コーヒーの香りを嗅いだとき、脳波のひとつであるα波が多く現れたという結果が出ています。α波は、リラックスしたときに出現するもの。つまり、コーヒーの香りにはリラックス効果があるということなんです!
ちなみに浅煎りコーヒーよりも深煎りコーヒーのほうが、より高い効果を期待できます。
5:それでも解決しない……という人は
上記の方法を試してみたけれど、自力ではたまったストレスを解消できそうにない……。そんな人には、医療機関(精神科や心療内科)の受診をお勧めします。電話で相談できるサービスもあるので、自分に合った対処方法を探してみてください。
また厚生労働省のホームページ「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳」には、5分でできるストレスチェック、eラーニングで学べるセルフケアの方法、ほかにも相談窓口案内などが掲載されています。ぜひ参考にしてみてください。
→http://kokoro.mhlw.go.jp/
専門家の診断を受けることで、ストレスによる悩みから解放されましょう。
日々の仕事のパフォーマンスを上げるためにも、早めの対策が重要ですよ!
Photo : Getty Images
Text : Nagi