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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION 干場の「エロサバ」

シンプルを突き詰めると、自ずと内面勝負になるんです!

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ブラウン小物で爽やかスタイルに“まろみ”をプラス

今回は、僕の敬愛するヤマノ アンド アソシエイツの山野エミールさんにインスパイアされたコーディネイトです。山野さんは10年前の格好と、今の格好を比較しても、どっちがどっちだかわからないぐらい、変わらない自分のスタイルをもった人。なのに、エロスのダダ漏れ感がすごいんです。ネイビーブレザー、白シャツ、グレーパンツの定番的な組み合わせがエロいスタイルになるなんて!?

アイテム

ジャケット/キートン
シャツ/カミチャニスタ
パンツ/インコテックス
メガネ/ジョルジオ アルマーニ
ポケットチーフ/ムンガイ
ベルト/ジャン・ルソー
手に持ったコート/ムーレー
時計/セイコー
バッグ/ブルネロ クチネリ
キーチェーン/エム・フラテッリ
靴/WH

(すべて干場私物)

仕事でもカジュアルが許される日は、こんなジャケパンスタイルが僕の定番。ネイビーブレザーに白シャツ、グレーパンツという組み合わせは、日本人の誰でも似合う失敗しない組み合わせです。王道中の王道ですから、フィッティングと素材感は超大事。むしろ、ここでしか差がつかない、実は難易度の高いコーディネイトと言えるかもしれません。なので、この着こなしが一目置かれるようになったら、間違いなくお洒落上級者。本当の洒落者は、目立つことを好まないのです。

かなりオーソドックスなこのスタイルではありますが、このスタイルでエロいのは間違いなくジャケットです。毎度のことではありますが、エロスは素材に宿るのです。見てください、この光沢。控えめでありながら、隠しきれない上質さ。まるで、溢れ出るマグマのように色気がどんどん湧いてきます。

しかも、仕立てが最高なんですよね。芯地と服地の相性やアイロンによるならし、袖や肩、ボタンホールのかがりまで、着心地や着やすさを徹底的に追求しています。職人の手でつくられるキートン特有の柔らかさやドレープもエレガント。例えるなら、知性と気品が漂う秘書が、実は……ムフフ❤︎。妄想してみてください。

この組み合わせには、おなじみの“アズーロ・エ・マローネ”のカラーリングが鉄板です。バッグや靴、ベルト、メガネ、腕時計といった細かなところまでブラウンを加えてやると、あら不思議。爽やか一辺倒だった(ジャケットの素材感は除く)スタイルに、なんだかこっくりとしたまろみが生まれてくるじゃなりませんか! このまろみが大事なんですよね。こういうオーソドックスな着こなしで色っぽさが表現できたら、相当エロいですよ。

話は変わりますが、フィレンツェの世界最古の薬局、サンタ・マリア・ノヴェッラの輸入販売などをしているヤマノ アンド アソシエイツのCEOの山野エミールさん。山野さんはリストランテ「ジャッジョーロ銀座」も手がけていて、僕もよく利用させていただいているのですが、お店で山野さんを見かけると、いつもこういう格好なんです。真っ黒に日焼けして、10年以上前から変わらないんです。なのに、すごく色っぽくて……。

つまり、自分のスタイルを突き詰めて、突き詰めて、熟成しているんですよね。余計なものというか、不純物を取り除いて、本当に自分に似合うもの、必要なものだけを身に着けている。だから、上品に装っているのに、内面の色気が滲み出てしまうんでしょうね。もしかして、フツーの男性が見てもわからないかもしれませんが、こういうのを女子は嗅ぎ分けられるんです。理屈じゃなくて、本能で。

で、結論としては、我々FORZA世代が目指すべきはここだと思うんですよ。山野さんみたいな上品なオジ様って、ヨーロッパだとわりと見かけるんですけど、日本だとなかなかいないんですよね。なんなんでしょう、あのエロス。きっと、毛髪の色も関係しているんでしょうね。枯れた魅力を醸し出す、白髪の影響も絶対に大きいと思います。だから、僕なんか早く白髪が増えてほしいぐらいなんですよ。

話がとっ散らかってしまいましたが、このネイビーブレザー着こなしに話を戻すと、直接的な肌見せは白シャツのボタンの開け方だけ。これだけでエロスは感じさせるのは、なかなかの難題。でも、山野さんを見ると、エロスがダダ漏れですから、僕もあんな大人になりたいものだと、いつも思ってしまうのです。

今回のスタイルのキモは……。

● やっぱり、エロスは素材に宿るんです。
● 本当の洒落者は、目立つのを好みません。
● “アズーロ・エ・マローネ”は、お洒落に見える鉄板カラーリング。
● 不純物を取り除いた、内面のエロスこそが本物。
● 究極は、シャツのこなし具合だけで膝カックン。

Photo:Kazuya Furaku

Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba



3冊目の書籍が発売になりました。今回は、難しいとされる大人のカジュアルスタイルについて書いています。読んでない方はぜひ!

干場義雅が教える

「究極の私服」
(日本文芸社)




2冊目の書籍は、色気についてです。
普通に見えて、なぜか人を惹きつける男の共通点について書いています。読んでない方はぜひ!

一流に学ぶ

「色気と着こなし」
(宝島社)


1冊目は、スーツの着こなし術から世界の一流品選びまで、基本的なことやお洒落の本質について書いています。読んでない方はぜひ!

世界のエリートなら誰でも知っている

「お洒落の本質」
(PHP出版)

 

【エロサバ】-Hoshipedia

「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。

 

『FORZA STYLE』編集長

干場義雅

尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。
スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする現在44歳の小誌編集長。東京生まれ。



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