FASHION ― エコラグ

干場の究極ワードローブ! キーワードは"エコラグ"

45歳の誕生日に買ったパテック フィリップの腕時計

2018.4.9 2018.4.9
2018.4.9

毎日、勝負できる究極の腕時計

ここ10年は、自分のスタイルを築き、それを刃物のごとく研ぎ澄ませたいと思い、いろいろと模索していた時期でした。ようやくひとつの答えが見えてきた気がします。昔は気分で服を変えることが多かったのですが……。独立して、自分の会社を起業してからはほとんど毎日が仕事。つまり、スーツスタイルが大半なのです。そうすると、着心地が良くて、体型に合うのはやっぱり誂えたもの。色はネイビーかグレーというのが、やはりビジネスの場では基本です。シャツはお手頃価格のブランドの白無地とブルー無地。それに黒やグレーのウールのネクタイを合わせるのが、僕の制服のようになっています。ブレない、自分のスタイルを確立したかったのです。

最近は、僕が以前から語ってきた「多くの粗悪なものよりも少しの良いものを」「移り変わる流行よりも普遍的で美しいものを」という考えがより強くなってきています。で、普遍的なスーツスタイルを追求しながら、そのときに合わせる小物をずっと探していたんです。前回、紹介したAsprey(アスプレイ)のシグネットリング(印章・紋章付き指輪)もそのひとつ。例えば、女性でいうところの“勝負下着”って言葉があるじゃないですか。でも、勝負下着ってことは、勝負しない日もあるってこと? なんて考えていたら、毎日勝負でもいいんじゃないかという気持ちになったんです。

で、腕時計は僕にとっては大事な要素。これまでいろいろ買って試してきましたが、ずっと定まらなかったんです。そこで、地元・中野にあるメンズ専門のジャックロードという時計店の社長に欲しいモデルを伝えて良いのがあったら教えてくださいと……。ちなみに、近ごろ昔の本に目を通すことが多くて、『英国紳士はお洒落だ』(飛鳥新社)は繰り返し読んでいる一冊。これは1992年に刊行されたものなのですが、これまでイタリアに感化されることが多かった僕には、目からウロコの話がテンコ盛りです。英国紳士が好む“正しい服”について、延々と書かれていて、なるほどなと思ったのは、やっぱりものごとのすべてには正統なルーツがあるわけです。

腕時計は、第一次世界大戦中、塹壕(トレンチ)で指揮を執る英国の将校たちが最初に使ったといわれています。戦争なので迅速な時刻確認が必要とされますからね。当時は、腕につけられる腕時計がまだ存在しませんでした。英国紳士たちが、狩猟(ハンティング)時に持ち歩いていた屋外の埃や損傷から保護する蓋付き懐中時計の天地両側に、耳(ラグ)をロー付けして貫通両ネジでストラップを強引に固定して腕時計として使ったのがルーツのひとつにされています。

そんな要素をすべて凝縮したモデルが、このパテック フィリップの「カラトラバ」のオフィサー(将校)というモデルです。1932年に初代モデルが登場して以来、基本的なデザインはそのままで、素材やムーブメントを改良するなどして年々進化していますが、僕が選んだのは1980〜2000年代に製造された限定モデルのヴィンテージの1本です。アラビア数字を斜体にした古典的なブレゲ数字にブレゲ針。

開閉式の裏蓋を閉めるときに鳴るカチンという金属の音も、なんども開閉しても音が変化しないように作られているんだとか。究極に削ぎ落とされたシンプルを極めた意匠は、まさに自分のスタイルに通じる部分があると感じたのです。パテック フィリップの場合は、100年先でも修理して使えるので、受け継いでいく安心感もあります。値段はそれなりだったため、前からしていた時計貯金に加え、所有していた腕時計を数本手放すことになりましたが……。誕生日に手に入れて以来、ほとんど毎日のように着けております。

Photo:Ikuo Kubota(owl)
Text:FORZA STYLE

エコラグ-Hoshipedia
「エコラグ」とは、エコノミック・ラグジュアリーの略。economic luxury。極めて経済的だが、上質さやエレガンスは失わないスタイルの意味。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」という干場の哲学により生まれた造語。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは高額でも、白シャツや白無地のTシャツのように常に白いまま清潔に着たい消耗品は、高額なものよりもコストパフォーマンスを重視するというスタイル。パテック・フィリップの腕時計やジョン・ロブの靴と、カミチャニスタやデッコーロの白シャツ、GAPの白無地のTシャツは干場にとっては同じ。一点豪華主義とも違う。干場が敬愛するブルース・リー先生が提唱した無駄を排した最短の動き(エコノミック モーション)で相手を倒すジークンドーのように、経済的で盛り過ぎない、かつ無駄のないシンプルで上質なスタイルを指す。

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