FASHION ― エロサバ

干場の「エロサバコーデ」

【押してダメなら引いてみろ!】干場流 エロスの罠の仕掛け方とは?

2018.3.7 2018.3.7
2018.3.7

ブレザーに散りばめたゴールド

15年ほど前に、ビームスのカスタムオーダーで仕立てたダブルの8ボタンのネイビーブレザーを、最近お直しに出しました。肩パッドを抜いて、着丈を3センチ短くしたら、いま着てもまったく違和感なし。トレンドを超越して、長く着られるのがオーダーメイドの素晴らしさです。今回のエロサバは、このブレザーの金ボタンからインスピレーションを得た、エロスという名の猛獣を扱う術を伝授します。

アイテム

ブレザー/カスタムテーラー ビームス
シャツ/デッコーロ ウォモ
パンツ/ジェルマーノ
サングラス/レイバン
時計/セイコー
バッグ/エルメス
靴/WH
(すべて干場私物)

す、すみません。海外出張やイベントが立て込んで、すっかり更新をサボっておりました。このままでは当連載の存続も危ういと思いつつも、なかなか筆が進まず……。で、ようやく一念発起して、今、移動中の新幹線の中で書いております。

さてさて、僕が“制服フェチ”であることは、以前からお伝えしている通りなんですが……。最近またそれを強く感じています。例えば、このブレザーは15年ほど前にビームス 銀座で仕立てたもの。ダブルといえば、4ボタンや6ボタンが主流ですが、そのときビームスのスタッフだった菊池さんが8ボタンのブレザーを着ていたんです。それを見たらいいな〜と思って。で、さらにいろいろと調べてみたら、チャールズ皇太子が乗馬の際に8ボタンのダブルのネイビーブレザーを着用している写真を見つけたんです。で、これしかないと思って仕立ててもらいました。ボタンが多いほうが精悍に見えるし、制服っぽさが増すじゃないですか。

そもそも、ブレザーの起源は、1837年、ヴィクトリア女王が英国軍艦、ブレザー号を訪問したときまで遡ると言われていまして……。だらしない恰好の部下をなんとかスマートに見せようと考えた艦長は、ネイビーブルーのサージの生地で上着を作り、英国海軍の真鍮のボタンを付けて彼らに着せたのです。その上着は、ヴィクトリア女王のお褒めにあずかったので、急ごしらえのジャケットは、たちまちユニフォームとなったんです。〜『英國紳士はお洒落だ』(飛鳥新社)ポール・キアーズ著、出石尚三訳より〜

ところでチャールズ皇太子って、紳士服のルーツである英国の皇室の人なだけに、常に着こなしの完成度が高過ぎますよね。カントリーウェアやサファリジャケット、ナポレオンジャケットなどなど。どんな場面でも装いが完璧なのがすごい。最近だと “TPPO”(TPOにもうひとつの“P”の「Person“誰と”」を加えた用語)というんですが、あの服装術は、いま生きている人のなかでは頂点なんじゃないでしょうか。で、その域に少しでも近づきたいとチャールズ皇太子の着こなしに注目していたら、あるときはたと気がついたんです。メンズファッションを究めていくと、最終的にたどり着くのは、もしかするとコスプレなんじゃないか、って……。

つまり、メンズファッションの大半が制服(スーツ、ミリタリー、ワーク、スポーツなど)が原型だとする説があるのですが、そう考えるとチャールズ皇太子の装いは、クラシックスタイルにおける究極の制服。あれ以上のお手本はありません。でも、そこにエロスは感じない……という意見があるのはわかります。とはいえ、カミラ夫人と長年の不倫愛の末に結婚したぐらいですから、きっと“制服の魔術”ともいうべき何かがあるに違いないはずです(妄想)。前置きが長くなりましたが、このコーディネイトは、そんなチャールズ皇太子に敬意を評して、僕なりにエロスを注入してみました。

ネイビーブレザーに白シャツ、グレーパンツの組み合わせは、誰がやっても間違いのないスタイル。そこでエロ注入のスパイスとして使ったのがゴールドです。ゴールドって、下手したら成金趣味のイヤらしい感じに見えてしまいますよね。これは、寸前のところでバランスを保った例。まさに寸止めです。ブレザーのボタンや胸ポケットに挿したサングラスのテンプル(つる)、腕時計のケースにバッグの金具など、メタル部分はすべてゴールドで統一。ひとつひとつの面積は小さくても、こうしてまとめて使うと印象的な上、結構な存在感が出るんです。

ちょっと逆説的になりますが、本来がエロいゴールドの印象をいかに抑えるか。ここが重要でして、同じようなゴールドの使い方をブラックスーツでやったら、完全にイヤらし過ぎると思うんですよね。でも、ちょっと考えてみてください。いかにもエロそうな女性が娼婦みたいな格好をしているよりも、真面目でコンサバな格好をしているほうが絶対にエロい感じがするじゃないですか。内面から溢れ出る猛獣のごときエロスを、抑え込もうとしているのに抑え切れない、みたいな(笑)。つまり、何が言いたいかというと、このゴールド使いのポイントは、あえてど直球のトラッドに組み合わせた点。“エロ”と“真面目”の両極端のミックスだからこそ、成立し得る術なんです。

ここまでやっておいて何ですが、金ボタンのブレザーにポケットチーフは華美になり過ぎるのでご法度。野暮に見えると、僕が尊敬する服飾評論家の故・落合正勝さんが著書で、そう述べていました。それがあっての今回のゴールド使いとなったわけですが、自分でも地味なのか派手なのか、わからなくなってしまいました(失笑)。

今回のスタイルのキモは……。

● ダブルのブレザーで制服の魔術に期待。
● 金ボタンのブレザーにポケットチーフはしない。
● いろんなところにゴールドを散りばめる。
● トラッド×エロスで、滲み出るエロさを演出。
● コーディネイト自体は、王道中の王道を。

Photo: Ikuo Kubota(OWL)

Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba


 

3冊目の書籍が発売になりました。今回は、難しいとされる大人のカジュアルスタイルについて書いています。読んでない方はぜひ!

干場義雅が教える

「究極の私服」
(日本文芸社)




2冊目の書籍は、色気についてです。
普通に見えて、なぜか人を惹きつける男の共通点について書いています。読んでない方はぜひ!

一流に学ぶ

「色気と着こなし」
(宝島社)


1冊目は、スーツの着こなし術から世界の一流品選びまで、基本的なことやお洒落の本質について書いています。読んでない方はぜひ!

世界のエリートなら誰でも知っている

「お洒落の本質」
(PHP出版)


【エロサバ】-Hoshipedia

「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。

『FORZA STYLE』編集長

干場義雅

尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。
スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする小誌編集長。1973年、東京生まれ。

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