コートだって、コンフォートの時代です
ロングレングスやベルテッドなど、コートにおいてもクラシック回帰が顕著に見られる昨今。しかし、春のスーツスタイルには、やはり軽さが欲しいところです。そこで注目したいのが、ナイロンコート。軽さはいうまでもなく、薄手でイージーケアなナイロン素材なら、梅雨時期にうれしい撥水性や、出張で便利なパッキング仕様など、春シーズンに重宝する機能を享受することができます。クラシックなスリーピーススーツにはさすがにマッチしませんが、ストレッチスーツと合わせれば、コンフォートを極めたビジネスコートスタイルが完成します。
ただし、素材感が軽快であるがゆえに、印象までも軽薄になっては台なし。それを回避するために、クラシックトレンドに沿ったトレンチタイプやベルテッドデザイン、アンブレラヨークを採用したコートを選ぶという手が有効です。また、ベーシックな色を選ぶのも大切。スーツに羽織ることを前提とするなら、ベージュやネイビーは鉄板。クセのない色を選びましょう。
高機能だからと言って、フード付きやジャケット丈といったいかにもアウトドアなコートを羽織っているのをよく見かけますが、ビジネスではNG。丈は長いほど大人っぽく見えるんです。素材はナイロンでも、その形はあくまでビジネスコートに沿ったものを選びましょう。
ナイロン生地の名手が作る、軽やかコットン地
MACKINTOSH マッキントッシュ
非常に薄く軽量な生地は、イタリアのリモンタ社製。高級ナイロンにおける代名詞的存在ですが、こちらの生地はコットンです。表面にポリエステルをコーティングすることで、ペーパークロスという名の通りナチュラルなシワ感のある生地に。アンブレラヨークやダブル仕立てといったクラシックな要素を見せながらも、あくまで軽快に着られるコートは、まさに今シーズン着たい春コートの好例です。
あくまで都会顔に留めた、ハイスペックコート
HERNO ヘルノ
シンプルなルックスとは裏腹に、高機能が自慢となるラミナーシリーズ。こちらは、防水透湿性素材のゴアテックスを採用。シームシーリングとともに、梅雨時期のコートに活躍してくれます。ビジネスにもカジュアルにも合わせやすいベーシックなステンカラータイプですが、着丈を長めにしさらにベルテッドデザインにする辺りに、トレンドのクラシック感を匂わせています。
上品な艶が美しい軽やかなコート
HEVO イーヴォ
エアリーという表現がまさにぴったりな、極々軽量なナイロン生地。染色に定評のあるイタリアはプーリア生まれのブランドらしく、ナイロン生地においても艶感と深みのあるネイビーを披露しています。光の当たり具合で、微妙にトーンを変える点も注目です。形はシンプルなステンカラー。ややゆとりのあるサイジングは、カジュアルスタイルでもマッチします。
トラッドなトレンチも、ナイロンで春顔に
ASPESI アスペジ
トラッドなトレンチコートも、光沢のあるナイロン100%ならこんなに軽快に。ビームスのエクスクルーシブとなるこの1着は、インライン展開モデルよりも着丈をやや長めに調整。着心地は軽快ながら、クラシック感を両立します。パッカブル仕様なので、ビジネストラベルでも活躍してくれます。
【番外編】休日ぐらいは、こんな攻めのコートで!
META INTERMEZZO メタ インターメッツォ
ライトウェイトナイロンに描かれる、ハウンドトゥース調の独特なプリント。軽快な着心地とは裏腹に、インパクトは抜群です。無地コートが中心のビジネススタイルから離れた休日には、こんな1着もありでしょう。柄の主張ばかりに目を奪われがちですが、脇下ベンチレーションやデタッチャブルフード、サイドアジャスターなど、機能面においても見どころありです。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Model : Isao Takahashi(FORZAR)
Text:Masafumi Yasuoka
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