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戸賀敬城が「売れる」と確信する“自由で中庸”なメンズ服とは?(後編)

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なぜ、ナノ・ユニバースのメンズディレクターに就任したのか?

ハースト婦人画報社『メンズクラブ』の元名物編集長であり、現在も自身のブログ「トガブロ。」をはじめ、さまざまなイベントなどで発信を続ける戸賀敬城さん。昨年独立する前から縁があったナノ・ユニバースのメンズディレクターに就任したのもニュースになりました。ファッション情報を編纂する立場から、実際に服を作り、さらにピッティ・ウオモにも買い付けにいった戸賀さんに、「大人服のあり方」を尋ねます。前編はこちら

自由さが魅力のナノ・ユニバースで、自由な服を

――戸賀さんが『メンズクラブ』編集長を辞められて、ナノ・ユニバースのメンズディレクターに就任したのも驚きました。

ご存知のようにナノ・ユニバースはECなどデジタルに長けているセレクトブランドで、ウェブと連動した誌面作りやイベントを仕掛けていた僕に声がかかり、ポップアップショップ「トガバコ。」というイベントを開催したら、ブログのフォロワーや読者に受けて大当たりしました。

そこから、僕が48歳のときに「ナノ・ユニバース クアトロ オット(48)」を、49歳のときに「ナノ・ユニバース クアトロ ノーヴェ(49)」というブランドを作って一緒に取り組みました。それで50歳になる前に独立したので、クアトロ・シリーズは終わり、ナノ・ユニバースのメンズディレクターに就任、最上級ライン「ナノ ライブラリー」を昨秋冬にスタートしました。

ナノ ライブラリーのキーワードは「自由」です。ナノ ライブラリーのオリジナル商品はメンクラの読者層の30代後半から40代に着てもらっていますが、買い付け商品に関しては「僕が本当に着たい服」にフォーカスしています。2018年春夏シーズンのために、ナノ・ユニバースのバイヤーと昨年6月にピッティ・ウオモに行き、一緒に会場を回って初めて買い付けを体験しました。取材とは違うしんどさがありましたが、この歳になっても勉強ができて面白いなと思いましたね。

――買い付け商品のターゲットは?

まず前提として「良い服は売れる」ことがありますが、個人事業主など富裕層に確実に受けるワードローブを揃えることと、もう一つは服好きを増やしたいという思いがあります。今シーズンからは本格的に品揃えしますよ。自由さという特徴をもったナノ・ユニバースで、ちゃんとした自由で中庸な服を発信したい。「若いマインドをもったニュートラルな服」は売れると確信しています。

 

男服は“微差が楽しい”ことも伝えていきたい

――戸賀さんがメンクラの編集長になったときに、「イタリア服を軸に据えた」とインタビュー前編で話されていますが、イタリア服の魅力は?

編集者のときに、イタリアで服を作っている人たちが英国服をすごく大事にしているのを目の当たりにして感動したことがあります。英国服に敬意をもちながら、自分たちの文化を大事にしていることに感銘を受けました。イタリア服はまず着心地が良いし、美しいシルエットだったり、強いラインだったり、自由で新しい風を常に感じる。男服は「イタリア人が解釈したイギリス」がいい。それに自由なスパイスがあれば、百難隠してくれます(笑)。

――本格的に始動する今シーズンのナノ ライブラリーのコレクションはどこが見どころですか。

まず、ダブルブレストジャケットのデザインを取り入れたニットカーディガンが、大ヒットアイテムです。昨秋冬シーズンの立ち上がりの8月にナノ ユニバースのオリジナルとして販売したところ即完売で、冬には素材を厚手にしてほぼ同じシルエットの冬バージョンも作りました。

この春夏版として薄地になったニットカーデは、身体にきれいに沿って、アウターとしてもミドルレイヤーとしても着こなせます。襟付きなのでゴルフ場に行くときにジャケット感覚で着られるし、休日のホテルのランチもこれで行けるなど、大人が便利に着られる点が売れたポイント。このニットカーデは「ライブラリーの顔」にしていきたいですね。

ダブルブレストニットカーデ 17,064円(ナノ ライブラリー)

それと、大人が安心して着られるTシャツが、タフでヘビーウエイトなプレミアム素材、ナノフォルテを使用したヘンリーネックTです。大人のTシャツは乳首が透けない、汗染みができないという実用性も大事で、二の腕のリブを厚くするなど、体脂肪を5%ほど低く見せてくれる(笑)デザインになっていますので、ぜひ着てみてください。

ナノフォルテヘンリーネック 5,616円(ナノ ライブラリー)

Photo:Simpei Suzuki
Text:Makoto Kajii
Editor:Ryutaro Yanaka

戸賀敬城(とがひろくに)
1967年、東京生まれ。学生時代からBegin編集部(世界文化社)でアルバイト、大学卒業後にそのまま配属となる。1994年Men’s Ex(世界文化社)の創刊スタッフ、2002年Men’s Ex編集長に。2005年時計Begin(世界文化社)編集長、及びメルセデスマガジン編集長兼任。2006年UOMO(集英社)エディトリアル・ディレクター就任。2007年4月に10代目『メンズクラブ』編集長に就任。2016年10月に創刊した『Esquire The Big Black Book』の編集長も兼任。2017年5月より独立し、ハースト婦人画報社のメンズ メディア ブランド アンバサダー、GDO社『ブルーダー』のスーパーバイザーに就任。同年、ナノ・ユニバースのメンズディレクターに就任。

トガブロ。
https://ameblo.jp/togablo/
ナノ・ユニバース
http://www.nanouniverse.jp/
ナノ ライブラリー
https://store.nanouniverse.jp/jp/c/c2020



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