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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION 干場の「エロサバ」

【じつは細部がエロい】愛の神"エロス"はディテールに降臨します!

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愛の神エロスはディテールに降臨します

寒い、寒すぎる……。寒いのが大の苦手なんです。だって、体力を根こそぎもっていかれるじゃないですか。だから、冬の防寒対策は十分すぎるほど、万全を期すのが干場流。特に、この時期のイタリア出張にはダウンコートが手放せません。急な降雪でも、これさえあればなんのその! 都会の風景に溶け込む、冬のあったかスタイルです。

アイテム

ダウンコート/ムーレー
ジャケット/ビームスF
シャツ/マリア・サンタンジェロ
パンツ/ジェルマーノ
ストール/ブルネロ クチネリ
グローブ/ソリ
時計/セイコー
バックパック/ブルネロ クチネリ
ソックス/カルツェドニア
靴/WH
(すべて干場私物)

こうやって全体で見てしまうと、ちっともエロくないですよね。でも、“神(エロス)は細部に宿る”んです。これは20世紀を代表する近代建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエもよく使っていた言葉。つまり、素晴らしい芸術作品や良い仕事は細かいところまできちんと仕上げてあり、こだわったディテールこそが作品の本質を決定する、という意味でして、これってまさに“エロサバ”にも言えることなんです。

主役のダウンコートは、ムーレーの「BARBIERI」。同ブランドのコレクションのなかでもトップクラスの保温性を誇るモデルです。ミリタリーウェアの「N3-B」をモチーフにした長めの着丈が特徴で、機能性とファッション性、ラグジュアリーな雰囲気の三拍子揃った一着として重宝しています。スーツやジャケットに似合うダウンって、あるようでなかなかないですから。フードにはブラウンの天然ファーが付いていて、ボディはネイビー。イタリア人が大好きな“アズーロ・エ・マローネ”のカラーリングですね。

で、これを主役にして、サックスブルーのシャツとグレーパンツ、小物類はブラウンで揃えました。このコーディネイトは、ダウンコートをネイビージャケットに置き換えてみるとわかりやすいんですが、ネイビージャケットにグレーパンツの組み合わせって鉄板じゃないですか。そこにブラウンの革小物を加えるイメージでやると上手くいくと思いますよ。基本は、“アズーロ・エ・マローネ”。ここではダークトーンを選んだのがポイントです。季節的なこともありますが、イタリア人みたいに明るい色でこれをやってしまうと、妙に目立って浮いてしまうんですよね。髪の毛や肌の色のせいなのかもしれませんが、僕のポリシーは街の風景に溶け込むスタイル。できるだけシックに、目立たないのが好みなのです。

さっきの“神は細部に宿る”という部分に話を戻しましょう。この連載を読んでくれている人にはすでにネタバレかと思いますが、ひとつはストール。そう、極上タッチのカシミア素材のあれです。で、ここにいい香りを仕込んでおくのが秘密なんですが、なんのフレグランスを使っているのかは内緒。そして、肌寒さを感じたときに隣の美女に、「これ使ってよ」と言って、サッと首に巻いてあげましょう。その瞬間、しっとりとした柔らかな肌触りと立ち上る香りで、顔がポッと赤らむはずです。「干場さん、なんだか火照っちゃう」みたいな(笑)。

で、波状攻撃の次の策は、グローブです。これはイタリアのソリというブランドのもので、日本での知名度はそれほどでもないながら、50年以上の歴史を誇るグローブ専業メーカー。ヨーロッパの一流ブランドのOEMなんかも数多く手がけていることからも、その優秀さはわかりますよね。かれこれ15年ぐらい前ですかね。僕のお洒落の師匠でもあるブリッラ ペル イル グストのディレクターの無藤和彦さんから、「干場、このグローブはイヤラシイぞ」とすすめられたのがきっかけでした。なにがイヤラシイんだろうと思ってはめてみたと、雷に打たれたかのような衝撃からの気絶。ライニングにシルクを使っているんですよ。まるで人肌のような感覚に、あまりに気持ちよくて、出したり、挿れたり、出したり、挿れたり……。すみません。思い出してしまって。と、まぁ、それぐらい気持ちいいわけですから、この感触も美女におすそ分け。どうなるかは想像してみてください。

あともうひとつの超絶テク。靴は磨かない。これも無藤さんから教わったテクニックなんですが、味出しで、頑張っている感じを出さないこと。もちろん、汚いのはNGですよ。でも、絶妙な枯れ感と言いますか、年齢になじませる感じを演出するんです。上手く言い表すのが難しいのですが、そのほうが絶対に女性にはモテると確信しています。とにかくガツガツしているように見せない。ほら、神(エロス)は細部に宿っているでしょ?

 

今回のスタイルのキモは……。

● “アズーロ・エ・マローネ”を基本にする。
● ダークトーンでできるだけシックに。
● 美女が驚く極上素材を細部にちりばめる。
● ストールには秘密の媚薬を。
● 靴は磨かない。

Photo: Ikuo Kubota(OWL)

Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba


3冊目の書籍が発売になりました。今回は、難しいとされる大人のカジュアルスタイルについて書いています。読んでない方はぜひ!

干場義雅が教える

「究極の私服」
(日本文芸社)




2冊目の書籍は、色気についてです。
普通に見えて、なぜか人を惹きつける男の共通点について書いています。読んでない方はぜひ!

一流に学ぶ

「色気と着こなし」
(宝島社)


1冊目は、スーツの着こなし術から世界の一流品選びまで、基本的なことやお洒落の本質について書いています。読んでない方はぜひ!

世界のエリートなら誰でも知っている

「お洒落の本質」
(PHP出版)


【エロサバ】-Hoshipedia

「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。

『FORZA STYLE』編集長

干場義雅

尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。
スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする小誌編集長。1973年、東京生まれ。



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