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FASHION 干場に着させたい松竹梅

【干場の師匠!】喜多尾祥之さんがオススメするゴルフウェアとは?

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佐藤浩市さんのスタイリングなどを手がけるスタイリストの喜多尾祥之さん。今回は、喜多尾さんがセレクトする「冬のゴルフプレーのときに着るネイビーのダウンベスト」の松竹梅。干場編集長が、“アニキ、師匠”と慕う喜多尾さんは、80年代の『ポパイ』のファッションページを創りあげた大先輩。「ゴルフウェアの松竹梅」後編では、ゴルフウェアの買い方から『ポパイ』時代の逸話まで話が広がります。

ゴルファーはどこでゴルフウェアを買っている?

干場編集長(以下敬称略):そもそもの話なんですが、今ゴルフをしている人って、どこでゴルフウェアを買っているんでしょうか? スポーツショップやセレクトショップなどいろいろあって、迷っている人もいっぱいいると思うんですが。

喜多尾祥之さん(以下敬称略):やはりゴルフショップは見た方がいいと思う。「人とかぶらないものを着たい」という人でも、ゴルフ用に作られているアイテムはやっぱり良いからね。

干場:やはりゴルフ用というのは違いますか。

喜多尾:特にパンツは実際プレーしたときに差を感じます。ボトムスに関しては素直にゴルフウェアを見直したね。

干場:どこが違うんですか。

喜多尾:ストレッチが効いていても、身体をねじるゴルフと、ウォーキングやランニングとは違うからね。どんなに格好良くても、プレーを邪魔するのはNG。さらに、デザインがよければOK。

喜多尾パイセンの青春時代をちょっと振り返る

干場:喜多尾さんはご両親がゴルフが大好きで、一緒にコースに初めて出たのが小6と言われていましたが、どんな学生時代だったんですか。

喜多尾:中等部のゴルフ部に入るのは何の迷いもなくて、ゴルフが上手くなりたかった。夏合宿はゴルフコースで球拾いをして、大学のゴルフ部員がコーチをしてくれたり。

干場:プロになろうと思っていたんですか。

喜多尾:実は中2までは医学部に行きたかった。勉強ができたんだよね。

干場:それは初耳です!

喜多尾:でも中3のときに、“青学一遊び人”といわれたヤツとつるんで、東京アメリカンクラブでハンバーガー食べたり、湘南でサーフィンしたり、新宿・六本木で夜遊びしたりして、成績は急降下。中3から高1まで授業中寝ていたからね(笑)。

干場:どんな高校生だったんですか。

喜多尾:部活はゴルフを続けていたけど、夜は六本木で、学校の机の引き出しには『ポパイ』しかなくて、「イタリアやロスへ行きたいな」「早く大学生になりたいな」と。頭の中には、「一刻も早く大学生になって、どういう大学生活を送るか」しかなかった(笑)。

干場:それで『ポパイ』にはどうやって入ったんですか。

喜多尾:19歳、大学2年のときに山本康一郎さんに師事して、アシスタントになった。

干場:康一郎さんとはどうやって知り合ったんですか。

喜多尾:六本木の飯倉片町にあった「プレステージ」っていうディスコで。 その後すぐに、新宿第三倉庫というクラブで、「やらせてください」と直談判してアシスタントになったんだけど、1日で辞めようと思った(笑)。今でも約2年間よくもったと思うよ。

干場:そんなにきつかったんですか。

喜多尾:詳しくは話せないけど(笑)。撮影の準備をして、撮影スタジオの駐車場で寝て、スタジオマンに起こしてもらったり、風呂も入れない日々で。

干場:よく頑張りましたね。

喜多尾:もうあるがままを吸収する日々で、本当に大変だったけど、良い現場に立ち会うと、それを栄養にして、師匠の思考回路全部を吸い尽くしてやろうと思っていた。康一郎さんのクセや考え方、なぜこうするのか、勘や本能でやっている源まで考えたね。

干場:19、20歳でそれはすごい!

ダウンベストの竹は、「硬派で旬なブランド」の一着


「ライル&スコット」 ZIP THROUGH PADDED GILET 4万円(税抜) /キューブ (03-6427-0791)

喜多尾:ダウンベストの竹は、イーグルのアイコンが今年っぽい「ライル&スコット」のZIP THROUGH PADDED GILET です。

干場:2017年男子賞金王の宮里優作プロが着ているブランドですね。

喜多尾:ボディには保温性に優れるプリマロフト入りで、背中からじんわり暖かいのが伝わるはず。サイドはストレッチが効いていて、スイングを邪魔しないのが選んだポイント。松竹梅の中の唯一のインポート商品です。

干場:ライル&スコットは英国の伝統あるブランドですよね。

喜多尾:昔からあるけど、硬派なイメージがあって、今このイーグルのアイコンが旬に感じるわけ。

干場:師匠の感性がよくわかります。

ダウンベストの松は、「ダウンパックの柄にひと目惚れ!」


「チュース」MEN NEOLIGHT DOWN VEST 3万9000円(税抜)  / ノースブレイン (03-5422-6381)

喜多尾:では、ダウンベストの松は、スイスのウェアブランド「KJUS(チュース)」のMEN NEOLIGHT DOWN VEST です。

干場:初めて聞くブランドです。

 

喜多尾:スキーウェアが発祥のライフスタイルウェアブランドなんだけど、ゴルフウェアがとにかく良い。梅と竹のダウンパックは規則的なデザインだけど、このチュースのダウンパックは幾何学的で、ひと目で魅入られた。撥水加工も施されて、4ウェイストレッチでスイングもスムーズ。

干場:3着どれも着てみたいですが、全部モードな匂いがするのが喜多尾セレクトの真骨頂ですね。あ、今日のコーディネートも教えてください。

喜多尾:コートは、イタリアの「バレナ」のもので、サイズは大きいけど、余分なビッグさがない、大きいけど締まっているのが気に入った。クールネックセーターは「ウィリアムロッキー」で、パンツは「オーラリー」、それにローカットのワラビー。

干場:ローカットのワラビーというのが、師匠っぽい。

喜多尾:でも最近は「ヌケ感」というのが使い古されて好きじゃない。「外し」も業界っぽくてダメ。

干場:なるほど(笑)、みんなよく覚えておいてください。「ヌケ感」や「外し」はダメですよ。今度、真剣にゴルフ教えてください。

喜多尾:今日はゴルフウェアをいろいろ語ってきたけど、ゴルフウェアを作りたいんだよね。どなたか一緒に作りたい人がいたら、ぜひお願いします。

干場:これ、ちゃんと書いておいてください!

Photo:Katsumi Murata
Text:Makoto Kajiii
Edit:Satoshi Nakamoto

【撮影協力】
スイング碑文谷
東京都目黒区碑文谷5−14−8
03-3794-0109

喜多尾 祥之(きたお よしゆき)
1965年東京浅草生まれ。雑誌・広告・TV他、俳優を手がけるスタイリスト。青山学院大学在学中、20歳の時にマガジンハウス「POPYE」でスタイリストとしてデビュー。様々な服やスタイルを自分で快感し、常に時代の気分に合ったものを探し続ける。趣味はゴルフ・料理。POPEYEでの連載を収録した『魔味探究 五感が覚醒、男の深夜めし』を書籍化。

 


 



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