スーツを着こなしているだけの“紳士もどき”にならないで
2018年明けまして、ダンナは心新たにスタートできておりますか?
御機嫌よう、恋愛中毒JAZZシンガー「ぺぺ」ことRIKAPEPEです。
JAZZというのは、男女にまつわる恋愛のストーリーがほとんど。男と女の歌を扱うのですから、酸いも甘いも人より多めに気絶して参りました。この連載では、ぺぺが毎回読者の皆様からいただいた恋愛相談に対して、JAZZシンガー目線のユルっとした恋愛アドバイスと共に、ちょっと元気が出るJAZZナンバーをご紹介してまいります。
さて、今回のイケナイ読者からの14回目のご相談は、「最近巷でよく耳にする“紳士”という言葉。スーツを格好良く着こなしてレディファーストをするのが紳士? 自称紳士という人もいますが、本当の紳士ってどんな男なのでしょうか?」という30歳の男子からのお悩みにお答えします。ダンナ! さっそくお便り拝見いたしましょう。
ペペ先生、あけましておめでとうございます。いつも楽しく拝見しております。
最近巷でよく“紳士”というワードを耳にします。好きな女子のタイプが紳士的な人が好きという影響も大きいのですが(ほぼその影響)。紳士というワードが気になり出して色々調べています。ジャズバーで多くの大人の男性に出逢ってこられたぺぺ先生なら、本当の紳士の定義をご存知かと思いましてお聞きしました。紳士を目指してモテたいです。教えてください。
(会社員 30歳 タカハシさん)
タカハシさん、お便りありがとうございます。
好きになった女性が紳士がお好きということですね。彼女の為に紳士について学びたいなんて、伸びしろバッチリな素直なお方。紳士といえば、スーツをビシッと着こなしてレディファーストで礼儀正しいなんて世間一般のステレオタイプ的なイメージがありますが、果たしてそれが真の紳士なのでしょうか。マリリン・モンロー主演の映画「紳士は金髪がお好き」のタイトルのように、ショー・ガールと浮気っぽいことをしちゃう紳士も紳士と呼ばれていますしね(笑)
まず、「紳士」を辞書で引くとこうあります。
(1)上流社会の男性
(2)上品で教養があり礼儀正しい男。ジェントルマン
(3)成人男性の敬称
もともと「紳士」とは、中国で国の支配者層にいる人たちのことを指しました。高位高官の人が礼装のときに用いた幅の広い帯のことを「紳(しん)」と言ったことが始まりのようです。日本では明治時代に「gentleman」が「紳士」と訳され使われていくうちに、いつのまにか“礼儀正しく洗練された立派な男性を指す”という概念の方が定着して今に至っているそうです。
ここからはぺぺの持論でありますが、巷では紳士という名がひとり歩きしてしまって、着飾ったり演出したりできる人が紳士と勘違いをされていませんか? ファッションだけを紳士風に飾り立てて、中身が全然お子ちゃまだと紳士とは呼べませんし魅力的でありませんね。ぺぺの出入りしていたジャズバーには古き良き紳士がいました。彼らから学んだ立ち居振る舞いや精神論は、今尚ぺぺの宝物です。タカハシさんにより豊かな人生を送っていただくためにも、「真の紳士の条件」をお伝えしますね。
今回は、今からでもやり直したい!
「真の紳士の条件とは」をぺぺ先生が伝授させていただきます。
お答え1:相手を思いやれる男
マナーをわきまえている男はスマートですが、果たして彼らが知っているのは、テーブルマナーやレディーファーストなのでしょうか。幼い頃からきちんと躾をされた人、外国暮らしが長くて様々な文化に精通した人が紳士なのでしょうか? ぺぺが思うに、表現として試されるマナーは表面的なものであり、根はもっと深い。本当のマナーというのは、「その場の雰囲気を壊さず、相手に嫌な思いをさせない為にはどうすればいいか」という想像力に基づいて最大限の感謝を持った振る舞いができる人だと思います。この場にふさわしい自分を想像すれば、自然とマナーに適った装いと言動が伴いデート相手としても喜ばれるでしょう。
お答え2:褒め言葉を知る男
本当に褒め上手な男というのは、相手の目立たない行為や努力をそっと褒めることができる男です。お花が咲いた瞬間だけを綺麗だと言って写真におさめるのではなく、種から芽吹き、新緑が生き生きとお花になっていくまでの過程をそっと評価してくれる男です。僕は君のこういうところが好きだ! とサラッと5個くらいは的確に言えてしまう人です。そんな紳士は必ず出世していましたし、女性としても素敵でいようと自信を与えてくれる存在で素敵です。
お答え3:ひけらかさない男
何でも知っているけど、何も知らないふりをする男。言いかえれば、我慢強く大人な振る舞いができる男でしょうか。我慢は色気。これぞダンディズムに通ずる男のあり方だと感じました。相手が知っていることはどのくらいなのか、興味があって聞きたいのか熱量を推し測る。そこにはカードゲームで相手の動きをじっとこらえて観察して、結果的には自分が有益に立っているという賢さが見受けられます。「能ある鷹は爪を隠す」といいますが、ぺぺの知る紳士はみんな聞き上手で、大きな手のひらで包み込んでくれる様な懐の大きさがあります。
いかがでしたでしょうか。もちろん身なりも大事ですが、スリーピースのスーツを着ているだけの紳士もどきになっていませんでしたか?「真の紳士」というのは血筋や家柄に関わりなく、“志”つまり“精神”が一番大事なのです。ジャズバーでお近づきになった素敵なジェントルマンから教わりました。タカハシさんも今回のご相談を機に、さらに豊かな人生を繰り広げて下さいね。スマートな40代(スマフォー)のお手本になっていただけるビフォーアフター! 心よりお祈り申し上げます。
さて、今回ご紹介するナンバーは、『I'VE GOT A CRUSH ON YOU』です。
普段は冷静で品格がにじみ出ている紳士が、不意に子供っぽい振る舞いをすると気絶しちゃいます。例えば、こんな風に子供みたいに素直に告白してくれたりとか♡ ご参考にしていただきたく、この曲を選びました。邦題『君に首ったけ』。1928年ミュージカル『トレジャー・ガール』のためにガーシュウィン兄弟が書いた曲です。この曲みたいに、意中の彼女をドキドキさせてください。では、次のナンバーでお会いしましょう。艶ュー。
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I'VE GOT A CRUSH ON YOU