FASHION ― 僕が捨てなかった服

「僕が捨てなかった服」

雨には強くなかったけど、あらためてエルメスの底力を知ったコートとは?

2018.1.11 2018.1.11
2018.1.11

着込んで、雨に濡れたら、イイ風合いに仕上がりました

人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。スタイリストの小沢 宏氏に続いて登場するのは、数多くのイタリア ブランドを日本に紹介した成毛賢次さん。成毛さんが膨大な数を所有してきた中でも捨てられなかった服をご紹介する企画、13回目はエルメスのライディングコートです。

このエルメスのコートは、オリジナルはカウボーイの乗馬用サイドボタンレインコートで、恐らくヘルノ(HERNO)が作成しているのではないかと思います。これも以前紹介したミラノのショップで店長をやっていた僕の知り合いが、お店に着くなり「お前に丁度いいコートがあるよ」と、おすすめされまして。試着してみたら、かなり大きいし、着丈もくるぶし丈で長かったんですよ。

それで「デカいし、長いよ」と伝えたら、「心配すんなよ。着やすくしてやるから」と言って、その場でばっさりカットして、着丈やら何やらお直ししてくれました。

彼いわく「雨降ってるときに役立つから」とのレコメンドで購入を決断したんですが、実際雨が降った日に着てみたら、結構濡れてしまいまして…。「しっかり濡れるんだな」と思ったし、雨染みも付いちゃいました(笑)。でも、その染みができてしまった生地の風合いもイイ感じになったので、やっぱりエルメス。イイものはイイんだなって実感したのを覚えています。

ただ、その当時乗ってたクルマのシートが白かったんですが、色移りして真っ茶色になったときは「やっちゃった…」と少し落ち込みましたね。仕方がないので、諦めましたけど。

さらに、その場でお直ししたから、生地の特性とミシンスピードが合ってなかったのか、裾のステッチ部分にもアタリが出てしまっているんですが、着込んでいくうちにイイ雰囲気になってくれて、怪我の功名ってやつですかね。

いつだか、ボタンが取れてなくなってしまったことがあったんですが、お店に立ち寄った際に伝えたら、きちんと替えのボタンが用意されていて、その辺のバックアップ具合が流石はエルメスだなと感心しました。

これは珍しく、だいぶ着込んでいますが、それがまたカッコ良く、風合いも良いのでやっぱり捨てられません。そうそう。ちなみにワンサイズ小さいものはイタリア・ミラノのセレクトショップ「MARISA」のオーナーさんが愛犬トトの散歩時に着てたのを思い出しました。

Photo:Riki Kashiwabara
Edit:Ryutaro Yanaka

成毛賢次元マニファットゥーレ・アッソチャーテ カシミア・ジャパン代表「マーロ」や「キートン」、「ルイジボレッリ」など数々のイタリアブランドを日本に紹介し、編集長・干場いわく"イタリアを持ってきたオトコ"。東京・押上で生まれ、小学生時代からオシャレをして銀座へと足を運び、みゆき族とともに遊んだという早熟ぶり。

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