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BUSINESS 「お金の残酷な真実」

この1月から新制度スタート! 結局NISAって何がお得なの?

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初心者こそ注目すべき、つみたてNISAのイロハ

こんにちは。ファイナンシャルプランナーの工藤将太郎です。

2018年がスタートしましたね。みなさん、今年の家計について、あれこれ思い巡らせているかも知れません。

実はこの1月から、「つみたてNISA」が始まりました。といっても、「何それ?」という人がほとんどかもしれません。名前の通り、「積み立て投資ができるNISA」なのですが、そもそもNISA自体が一般の人にはあまり知られていません。FORZA読者も、「聞いたことはあるけど、自分には関係なさそう」と思っている人が多いのではないでしょうか。

それも仕方ありません。「NISAは誰にとって必要なのか」を教えてくれる場は、今のところほとんどないからです。国や金融機関は何とかこの制度を広めようと努力し、証券会社でもNISAのセミナーを頻繁に開いていますが、そのメリットは世間になかなか伝わっていないのが現状です。

NISAとは、簡単に言えば「株や投資信託で儲かった利益のうち、一定額が非課税になる制度」です。2014年にスタートし、現在は最長で5年間、毎年120万円までが非課税枠となっています。要するに、「毎年120万円までの範囲内で購入した株や投資信託から運用益や配当金を得た場合は、国が税金をとらずに儲けた分をそのままあなたに差し上げますよ」という制度です。

なぜこんな制度ができたかと言えば、国はもっと国民に投資してほしいからです。日本の家計が持つ金融資産は1700兆円を超えていますが、そのうち52%は現金や預金で、株式は10%、投資信託は5%ほどに留まります。アメリカの家計金融資産が株式や投資信託で50%近くを占め、現金や預金は13%程度しかないのとは対照的です。

これから高齢化や人口減少が進めば、年金や医療などの社会保障制度を支える財源も厳しくなるため、国としては国民が自分でお金を増やす努力をして将来に備えてもらいたいのが本音です。しかし今のような低金利の時代に預金をしても、利息はほとんどつきません。だから何とかして個人の資産を預貯金から株式や投資信託などへ動かそうとしています。NISAができたのも、その一環というわけです。

ただ、今の説明を聞いてわかる通り、そもそも投資に興味がない人はNISAのことを知ろうとも思わないはず。また、投資に興味がある人から見れば、正直言ってNISAは使い勝手が悪い制度です。「120万円、5年間」という上限が決まっている上に、「損益通算」ができないというデメリットがあるからです。

例えば、ある口座の取引で100万円の利益を出しても、自分が持つ別の口座の取引で100万円の損失を出したら、プラマイゼロで課税されない。これが損益通算です。ところがNISAにはこれが適用されないので、NISAの口座で100万円の損失を出しても、もう一つの口座で出した利益の100万円には課税されてしまいます。つまり、NISAの口座を開いた以上、そこでの取引で利益を出し続けなければ得にはならないということです。

投資に興味がない人にはわかりにくく、投資に興味がある人には使いにくいのであれば、NISAがなかなか広まらないのも致し方ないといったところでしょうか。

ただ、国もこの状況を放っておくわけにはいきません。そこで新たに打ち出した策が「つみたてNISA」です。こちらの非課税枠は「毎年40万円まで、最長20年間」で、従来のNISAよりも長期的に、かつ少額から投資を始められる制度になっています。

つみたてNISAを始めるにあたっては、金融庁では専門家を集めてワーキング・グループを作り、「どうすれば投資初心者にもっとNISAを使ってもらえるか」を検討しています。その報告書を読むと、金融のプロたちがいかに試行錯誤しながら議論を重ねたかがうかがえて、なかなか興味深いものがあります。

従来のNISAと大きく違うのは、つみたてNISAで購入できるのが「金融庁が定めた条件を満たした投資信託やETF」に限られることです。報告書でも、数ある投資信託の中から、「リスクが小さく、市場の動きに振り回されずコツコツ長期投資ができて、販売手数料などのコストがかからないものに限るべき」と提言しています。これも金融庁が「できるだけ初心者にとってハードルが低い制度にして、新たに投資を始める人を増やしたい」と考えている表れでしょう。ただし、つみたてNISAも損益通算はできないなど、課題はまだ残ります。

というわけで、今回はNISAについて解説してみましたが、「誰にとって必要なのか」という問いについては「あなたのライフプランやマネープラン次第です」と答えるしかありません。

確かにNISAは投資初心者が使いやすいよう工夫がなされていますが、そもそも株式や投資信託に投資するのがあなたにとってベストな選択かどうかはわかりません。投資というのは、預貯金や保険、不動産といった他の資産も含めたトータルバランスで考えるべきものだからです。

いくらNISAが優れた制度でも、自分には合わないことも当然あり得ます。ファッションだって、いくらおしゃれな腕時計をつけていても、スーツや靴など他のアイテムとのバランスがちぐはぐだったらセンスよく見えませんよね。お金もファッションも、トータルコーディネートが大事ということです。

もしこの記事を読んであなたがNISAに興味を持ってくれたなら、ぜひそれを入り口に資産形成や投資について勉強してみてください。私のようなファイナンシャルプランナーに相談してみるのも一つの方法です。ファッションのセンスを磨くならプロのスタイリストにアドバイスをもらうのが近道であるように、お金のセンスを磨くならその道のプロに力を借りてみてはいかがでしょうか。

>>>年収300万円で1000万円を貯金したOLのシンプルな財テクとは? 「お金の残酷な真実」をまとめ読み!

 

Text:Shotaro Kudo
Photo:Getty Images

株式会社クレア・ライフ・パートナーズ
代表取締役 社長
工藤 将太郎(くどう・しょうたろう)

日本生命にて、外資系金融機関(証券・銀行・投資顧問)や、私立大学を中心とした学校法人の確定拠出型 企業年金や、弔慰金制度などの福利厚生制度の構築に従事。 積極的に行ってきた不動産投資や海外投資、そして必要最低限の生命保険活用を通して、“マネーパズル®”や “ハイブリッドプランニング®”など独自のノウハウを確立し、2011年に株式会社クレア・ライフ・ パートナーズを創業する (2012年法人設立)。 2016年からは、国内外の不動産、金融商品情報提供、法人節税対策、事業承継・相続税対策や所謂プライ ベートバンク口座開設サポート(アジア地域・欧州)、海外法人設立サポート事業を手掛ける。 事業オーナーだけでなく、顧問先の企業社員や顧客を対象として金融教育事業にも注力している。

 

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