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FASHION 赤峰幸生の服飾歳時記

【ドクトル赤峰のお正月準備】イタリア人が大晦日にかついで食べるものとは?

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赤峰先生、クリスマスパーティでジーノパオリの歌を唄う

なつかれくさしょうず 乃東生ず 初候(12月21日~12月25日ごろ)
しかのつのおつる   麋角解  次候(12月26日~12月30日ごろ)
せつかむぎをいだす  雪下出麦 末候(12月31日~1月4日ごろ)

一年でもっとも昼が短く、夜が長いこの頃、いよいよ正月の始まりです。小学生の頃の正月準備はまず庭掃除でした。結構庭が広く、さまざまな木が密集していたので、おびただしい枯葉を大量に集め、庭の真ん中に穴を掘り、枯葉を入れて火をつけます。そのとき、割烹着を着た母から5~6個のサツマイモを手渡され、焚き火の中に入れます。

バケツを脇に置いて、万一に備えて焚き火を開始。すべて灰になるまで2時間ほどかけて、煙が出なくなった頃、竹の棒で焼きいもを取り出します。熱々の焼きいもを半分に割ったあの黄金色は今でも目に焼きついています。

そして、次の手伝いは餅切り。まだ餅がやわらかいうちに5~6枚を同じ大きさに切るのが大変でした。あと、田作りではホウロウで焦がさないように大鉢で煎るのですが、よそ見をしているとすぐ焦がしてしまいます。台所に行っては伊達巻や蒲鉾の耳をつまんだり、今でも昨日のことのように思い出すのもこの時期です。

 

さて、冬の色合わせといえば「黄色」。昔からミディアムグレーに黄色やマスタード系の色でアクセントをつけるのは、曇り空のグレーに銀杏やゆず、菊などを合わせるようで、お薦めです。

“豊かな食文化と家族”がテーマのディナーはメイン料理へ

イタリアの歳末の家庭料理をラ ビスボッチャ流に表現する「イタリアン・クリスマスディナー」。いよいよメインの肉料理の登場ですが、井上裕基料理長に、「今回の特別ディナーで、一番ラ ビスボッチャらしい料理は?」と尋ねると、「丹波黒鶏のフィレンツェ風ローストですね」と即答。

「イタリアのクリスマスは家族が揃って祝うことが習慣ですが、肉料理はみんなが一番楽しみにしている料理。いわゆるローストチキンを当店風に素材の旨味を活かす調理法で仕上げています」と料理長。

赤峰さんは、「デザートのパネトーネは、イタリアでクリスマスに食べる縁起物の菓子パンですが、日本でいうお雑煮の味のようなもので、地域によって入れる材料が違います。イタリア人も郷土意識が強いんですよ」と言います。

25日のローストチキンと、新年を迎える日の豚肉の腸詰め

丹波黒鶏のフィレンツェ風ロースト

クリスマスの肉料理といえばローストチキン。牛や豚でもいいそうですが、日本でもクリスマスといえば鶏です。コクも楽しめる丹波黒鶏をフィレンツェ風ローストで、伝統料理(アーリスタ)風に仕上げました。

豚肉の腸詰めレンズ豆添え

「新しい年も良いことがありますように……」と、イタリア人が大晦日に縁起をかついで食べるのが、コテキーノ(豚肉の腸詰め)やザンポーネ(豚肉の豚足詰め)。それに、見た目が金貨に似ていることから、新しい年の金運を祈願する意味をもつレンズ豆の煮物を添えて。いわば“イタリアの年越しそば”感覚の煮付けですが、旨味やコクが凝縮したこってりした味わいのコテキーノと、さっぱりした甘みのレンズ豆がよく合います。

ミラノ発祥のデザートは、クリームをたっぷり挟んで

パネトーネ

ディナーを締めるデザートは、ミラノから取り寄せたパネトーネ。イタリア北部でしかとれない特殊な天然酵母の働きで、防腐剤を使わなくても日持ちすることから、クリスマスから正月にかけて長く食べられます。生地がしっかりしているので、ラ ビスボッチャでは生クリームとティラミスに使うマスカルポーネチーズを加えてコシを強くしたクリームをたっぷり挟んで。ドライフルーツの酸味や焦げめの苦味とクリームのバランスが絶妙です。

2018年の「イタリア文化発信」にもご期待ください!

井上料理長は、「冬のラ ビスボッチャは、白トリュフがお薦めですが、今年は収穫量が少なく、価格も高くなっています。12月に入って黒トリュフが入荷しているので、香りも高く、お肉と良く合う黒トリュフをお楽しみください」とメッセージ。

そして赤峰さんからは、「イタリア文化発信の第2弾は、美味しい料理とともに楽しいひとときになりました。イタリアでは3月に“フェスタ・デッラ・ドンナ”という女性の日がありますが、ラ ビスボッチャでは女性の日のアイコンであるミモザをたくさん用意して、次の文化発信をしようと思っています。それから、夏の“フェスタ・デッラ・マーレ=海の日”や、イタリア映画の上映、トークショーなども考えていますので、来年もご注目ください」とメッセージです。

次回、連載24回目は、1月5日頃の“小寒”。冬至を過ぎると「春」ですが、まだまだ分厚いコートが必要です。

Photo:Shimpei Suzuki
Writer:Makoto Kajii

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