東大は何も教えてくれない〜大切なことは全て塀の中で教わった〜
今月も残すところあと2ヶ月。
最近は親友に会ったり、絵を描いてみたりと自分の内面を豊かにすることにいそしんでおります、編集makikoです。
先日は親友の森下悠里ちゃんとハリネズミカフェでとっても癒され、読書で活字中毒を癒そうと思い手にとったのは・・・。こちら!
「東大から刑務所へ」なんと心ゆさぶられるタイトルでしょう。
実業家の堀江貴文氏(東京大学文学部中退)と大王製紙前会長の井川意高氏(東京大学法学部卒業)のお二人が対談形式で「天下の東大から刑務所へ至った物語」を展開されている本著。
さっくりとお二人の経歴をお話ししますと、堀江氏は東大中退後設立したライブドアで大成功したものの、2006年、「証券取引法違反」などの罪で逮捕され刑務所生活を余儀なくされます。一方の井川氏は、東大卒業後、家業である大王製紙に入社、業績を伸ばし会長職に就任しますが、ギャンブル資金として総額106億8000万円を子会社から借り入れ、「会社法違反」(特別背任)で2011年に逮捕、刑務所へと送還されました。
一言でこの本の感想を申し上げると、「人はなんと順応能力が高い生き物か」というのをヒシと感じさせられた、ということです。
いや、お二人が特別なのかも知れません。
経営者として大成功をおさめ、経済界や芸能界、スポーツ界など一流と呼ばれるの人々との華やかな交遊関係から一転、刑務所での”イチ服役者”としての生活を全うするという正反対の生活を送る中で、そこでのささやかな楽しみを見いだしていく心の推移は非常に興味深いものでした。
東大に入る前からの生活や逮捕劇、刑務所での生活が具体的に語られているのですが、お二人の口調からは悲壮感というものは全く感じられず、幾分客観的にユーモアを交えて語られているので、読み手としては半ばお二人と友だちにでもなったかのような親近感を持ちながらスイスイ読み進めていけるのも特徴的と言えましょう。
「人間、何があっても折れずに生きられるんだ」
失敗を乗り越え現在に至るお二人の会話は私に勇気をもたらしてくれました。
text: makiko