テーラーブランドが手掛けた、とにかくシルエットの美しいデニムパンツ
さて、65回目は「ミラーズオース(Miller's Oath)」のデニムパンツ。昔はXXだぁ、ビッグEだぁ、シングルステッチだぁ、とリーバイス®のヴィンテージを買い漁ってみたり、「RRLのジーンズは イイぞ」だの、「ニューヨークのジーンショップ(JEANSHOP)が カッコイイ」だの、やいのやいの騒いでみたりしてたんですが、30歳過ぎた辺りから、デニムパンツに足を通す機会がめっきり減りました。
ヴィンテージの類いは ほとんど手放してしまいましたし、その他のデニムパンツは例の3つに畳んだ状態でクローゼットの奥の奥に山積み…。僕がデニムパンツを穿いてる姿を見たことある人って結構レアな感じになってしまいました。
なんで穿かなくなったのか、自分でも明確な理由があるわけではないんですが、強いていうなら"硬いから"とか、"冬場穿くと冷たい"からとか、単純な気がしてます。
そんなデニム離れしてた自分が、ある日なんだかとっても気になって試着してみたのが「ミラーズオース」のデニムパンツなんです。なぜか? それは彼らがテーラリングに長けたブランドで、彼ら自体がメチャクチャお洒落だから。普段からスーツを格好良く着こなしているデレクとカーク兄弟がデニムパンツを作ったら、どんな雰囲気になるのか?が気になってしまったんですね。
実際に穿いてみると、シルエットがメチャクチャ綺麗! パッと見は、なんてことないリジットのオーソドックスなデニムなんですが、股上が深めで、オシリから足に向かって絶妙なラインを描く。しかも、ボタンなどのパーツなんかにもゴールドを使ってたりと気が利いてる。長らくデニム離れしてましたが、これなら穿くかなと、清水ダイブをかますことに。まぁ、無駄に高かったんですが……。
とは言いながらも、ご覧の通り。色もほとんど落ちることなく、ヒゲもアタリも…。儚い状態が続いていますが、これから ゆっくりゆっくり育てていこうと思います。とりあえずは3つ折りに畳んで、目につくところに置いときましょうかね。
Photo:Riki Kashiwabara
Text:Ryutaro Yanaka
『FORZA STYLE』シニアエディター
谷中龍太郎
さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。