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あなた史上最高の1本を見つける! 40男のメガネ選び

老眼のオシャレダンナは必読! スマホやPCが見やすくなるメガネ選びとは?

2017.9.1
2017.9.1

メガネ歴約40年にして、目からウロコの“両眼視検査”を初体験!

日本には5名しかいない「ドイツ国家公認眼鏡マイスター」の資格を持つドイツマイスター眼鏡院の中西広樹さんに取材で検眼してもらっている途中から、「これはぜひメガネを作ってもらおう」と思いたち、“両眼視検査”をもとに新しい遠近両用メガネを作製。一週間後にメガネを受け取った。

自分は40歳過ぎから老眼が気になり始めて、外出時には「遠近両用」を、パソコン仕事には「近距離単焦点」をと掛け替えていたが、今回作ったメガネでパソコンに向かうと、なんと掛け替える必要がなく、約70センチの距離間のデスクトップパソコンで支障なく仕事ができる!

たしかに検眼のとき、中西さんは「梶井さんが今掛けているメガネは、典型的な“過矯正”ですね。遠近の“近視度数”が強すぎます。左右共に2段階はきつい。それと“斜位”があるので、このメガネを掛けていると常に両眼の筋肉に負担をかけていて、眼精疲労や肩こり・首こり、頭痛などが起こりやすくなります」と説明してくれた。

これまで「40男に似合うフレーム選び」を連載してきたが、今回は「正しくモノを見る」ことを東京・外苑前の『ドイツマイスター眼鏡院』で取材した。少々長い記事ですが、メガネを利用している人は必読です!

 

40男は知っておきたい「遠近両用レンズ」のこと

すでに遠近両用(累進)レンズを使っている人には分かるはずですが、遠近両用レンズは、「レンズの上の方で遠くを、下の方で手元を、その中間は見たい距離に自分で合わせていく」という設計のもの。また左右はどうしても像が歪(ひず)むものです。ちなみに自分は遠近両用のメガネだと、どうしてもパソコンの画面に焦点を合わせづらくて疲れるので、長く単焦点のメガネをパソコン専用としてきました。

取材に応じてくれた中西さんは、「遠近両用レンズは一般的に“遠”に重点を置き、“近”をサポートするという役目のものなので、遠くも見たい、PCも手元のスマホも見たいというのは眼にも大きな負担をかけます」と説明。ちなみに老眼を意識し始めるのは40歳前後ぐらいからとのこと。

「遠近両用は、日本では“遠・中間・近のオールマイティな一石三鳥”というイメージがありますが、うちの患者では、遠近を掛けているのに見えにくい、手元が見にくい、眼が疲れるという方の相談が多いです。これは実は、“遠近だから見にくい”のであって、医者などの専門職を筆頭に、職業と使い方によっては、遠近だけでは足りない場合が多い」と中西さん。確かに遠近ではカバーできない部分を、メガネを掛け替えることで補っている人も多いはずです。

また、私たちはメガネを外している状態が、眼が休まっていると思っていますが、それは大きな間違いだとか。「両眼でモノを見るときは眼を動かしている片眼6本(計12本)の筋肉が絶えずバランスをとっていますが、その筋肉のバランスが左右対称とは限らず左右の視線にズレが生じて常に筋肉に負担をかけています。そのズレを補正してくれる唯一のアイテムがメガネですから、本当は“正しいメガネを掛けている間がケアしている状態”なのです」。これは目から鱗です。眼鏡をかけているほうが、眼が休まっていたとは。

今回、ドイツマイスター眼鏡院で新しく作製したメガネ

 

メガネはあくまで“眼鏡補正器具”。器具なので治療が必要

20代はドイツで学んでいたという中西さんは、13世紀より続く伝統ある国家資格「ドイツ国家公認眼鏡マイスター」の取得者。資格取得には語学習得を含めて約10年かかったそうです。そのドイツ式の大きな特徴は、ハーゼ博士が打ち立てた『ハーゼ理論』に基づく“両眼視機能測定”で、「眼は脳と繋がっているデリケートなむき出しの臓器です。検査によって視力のバランスや視線の向き、遠近感などのチェックと矯正はもちろん、“眼”を通して視機能をつかさどる部分の“脳”の状態をみる。両眼でどうバランスがとれているかを調べるのが両眼視検査です」と説明。「歯医者で虫歯の治療をしたら、最後に噛み合わせの微調整まで行うのと同じです」と続けます。

素朴な疑問として「ドイツ式があるなら、日本式もあるはず」と尋ねましたが、「世界基準の国家資格となるのはドイツとアメリカしかありません。ドイツ国家公認眼鏡マイスターは、“メガネと眼と脳”のコーディネーターで、問診をはじめ、視力検査、レンズ選定・加工、フレーム販売・フィッティングまで行います。日本ではフレーム産業は発展していきましたが、眼鏡屋になる資格が存在せず、検査等を誰でも行えるという非常に危険なことに国民が気づいていないのが現状です」との返答。

「私たちはメガネ専門店で、メガネはあくまで眼鏡補正器具と位置づけています。脳と視力の関係を基本に、両眼で見る状況を想定して正しい両眼視検査を元にメガネを作製しています」と言います。

ドイツマイスター眼鏡院の店内


 

マイスターが、お客さんを“患者”と呼ぶ理由

実際にドイツマイスター眼鏡院を訪れた人の中には、「50前半の専門職の男性で、突然地面が揺れて立っていられなくなり、まず眼科で眼底検査を受けたが眼の機能自体は悪くなく、次に大学病院の脳外科を紹介され、さらに神経内科、心療内科と渡り歩いて、約3年にわたって抗うつ剤を服用していた人がいました。その男性が来店したときは奥さんに手を引かれていたほどの重症でしたが、検査してみると“両眼でモノが見えていない=脳に伝わっていない”状態で、いわば眼と脳の連動が非常に悪い。正しい眼鏡補正器具(メガネ)で補正してしばらく使用され、徐々に快方に向かい今では普通に生活されています。そういった人間の健康に直接関わる仕事、それがドイツ国家公認眼鏡マイスターです」と中西さん。

実際、今回の取材を終えた夜、某テレビ局の健康番組で「緊張型頭痛」の解説をしていて、ひどい場合には抗うつ剤投与と説明していましたが、メガネでの補正・矯正という内容はなく、ちょっと恐ろしく感じたことも書き添えておきます。

 

何よりもまず重要なのが、検眼の前の「問診」

PC、スマホ、タブレットなど電子機器類と接する時間が劇的に増えている現代人ですが、それに付随して、目や首、肩などに大きな負担がかかっていることも事実。新しいメガネを作りにいくと、普通は「では検眼しましょう」といきなり検眼室に連れて行かれますが、ドイツマイスター眼鏡院ではまず生活環境などを含めた問診があります。

「新しい家を建てるときに、どう住みたいかが最重要であるのと同じで、メガネを掛けるときに、どこでどう使うかは最も大切なポイント。患者さんの年齢、体調、職場環境、服用されている薬までヒアリングし、あらゆる角度から視力への影響を考慮します」と、まるでコンサルタントのよう。

問診では、クルマの運転の有無、使っているPCの種類をはじめ、姿勢のクセ、斜頸(頸部<首>が傾き、顔が回しにくくなる病気の総称)、靴の底の減り方まで見るそうで、「肩こり、偏頭痛、眼精疲労、首こりなどの症状を感じている方には、生活習慣を変えることのアドバイスまで行います」(中西)。

ドイツマイスター眼鏡院では、問診から検査、レンズ説明、フレーム選びまでで平均約1時間半ほど。「問診で“どんなメガネが必要か”がわかり、検眼で“どんなレンズが適切か”が決まり、適合するレンズに合うフレームを一緒に選びます」とプロセスを説明。

問診と同時に、今掛けているメガネの度数を測定。検眼の前に眼球(眼自体)の機能が正常に働いているか瞳孔のリアクションを含めて、まず予備検査を行います。

 

「今のメガネの見え方は“斜位”ですね」と言われた衝撃

予備検査のあとは、前述の両眼の視線をコントロールする外眼筋のチェックや、度数(オートレフ値)の検査、眼の幅の測定など、どこの眼鏡店でも通常行なう視力測定を実施。

通常の片眼矯正(視力検査)で驚いたのが、ドイツから取り寄せたという視力検査用メガネ(トライアルフレーム)。日本の眼鏡店では、重くて冷たいイメージがあって、レンズも2~3枚入るものですが、ドイツマイスター眼鏡院が使っているのはレンズが5枚入り、さらに眼の距離、水平、高さなどが正確に測れる角度調節付き。

そして視力検査では、今掛けているメガネが「典型的な過矯正で、左右共に2段階ほど緩めてもいい」ことが判明。さらにここから“両眼視検査”が行われます。

両眼視検査は、両眼の視力バランス、遠近感をチェックし、眼の筋肉や脳内の視機能のズレを測定し矯正するもので、中西さんから手渡されたのが、真ん中が白くなっている黒の2本の棒。機械を通して見えた像を、手元で再現していきます。

「では、今掛けているメガネの見え方を再現します」と言われて見えたのが、縦棒が左へ大きくずれている像。それを見て「あぁ、やっぱり梶井さんは“斜位”ですね」と中西さん。これは予備検査時点で確信していたそうです。

「この両眼視検査の“十字”は、現時点で脳に映っている像の解析で、右眼は縦、左眼は横が示します。今、縦が左に大きくずれていると思いますが、これが斜位です。眼は見ようとするモノに両眼の視線を合わせますが、斜位があると、眼は視線を合わせる必要な位置まで左右の眼筋を働かせようとします。これが続くと、ずっと左右の眼筋に緊張を強いる状態で、やがて眼精疲労や頭痛、肩こりなどの遠因になります。そして、十字が重なったところが“眼にとって楽な位置”ということです」(中西)

自覚症状はありませんが、斜位といわれてかなりショックだったことも事実。今回作製する新しいメガネを掛けて1ヵ月ほどすると、肩こりなどの症状が減っていくことが分かると言います。

「十字の補正は、目を支えている筋肉のバランスが悪くなっているのを整えていくことで、両眼視検査で少しずつ誤差を詰めていく作業をしますが、新しいメガネでいきなり十字がピタッと合致するような作り方はしません」とも説明。視力・深視力・両眼視の各検査は、特殊フィルター付きのドイツ製の検査枠で行なわれます。

「梶井さんの場合は、クルマの運転をしないので、遠視をさらに1段階落としても大丈夫。近視はスマホや雑誌、本などを見たい距離にドイツの機械を置いて測定します。梶井さんならジャスト40センチで、年齢を加味して検査します」と、初めて見たドイツ製の機械で手元の見え方も仔細にチェックします。

 

フレームの掛け心地調整で出てきた7センチほどのペンライト

検眼が終了して、勧められたレンズは、「脳科学をメガネレンズに取り入れよう」というテーマで開発された東海光学の脳科学メガネレンズ。今掛けている遠近両用レンズに比べて左右の歪みも抑えられるといいます。

そして顔型や眼の幅などを考慮して選んだフレームは、日本のアイウェアブランド「Frency & Mercury(フレンシー&マーキュリー)」のもの。ブロウタイプで、レンズはやや大きく、しなやかで頑丈なβチタンのテンプルが特徴です。

フレームのフィッティングのときに中西さんが取り出したのは7センチほどのペンライト。「開店したときから、“ここのメガネはズレない”との声を多くいただいていますが、日本ブランドも海外ブランドも、フレームが納品されてから、東洋人の骨格に合わせた調整をすべてに入れています。それはあくまでスタンダード調整で、実際のフィッティングの際に、ペンライトの光を当てて、鼻にできるシワや耳との隙間を見て微調整していきます」と中西さん。

中西さんによると、日本人はほとんどメガネが鼻からズレていて、それは骨格によるものとのこと。メガネがズレるとレンズの光学の中心と眼の中心がズレる(焦点がズレる)ので、「見にくい、眼精疲労の原因となり眼鏡補正器具の役割をなさない」そうです。

今回の検査を通して、新しい度数と見え方のメガネを手にして、「これまで掛けていたメガネも使っていいですか?」と中西さんに尋ねると、「もちろん使ってもいいですが、前の見え方はしんどくなって、たぶん掛けられなくなりますよ」と言われたのも印象に残る取材となりました。みなさんもぜひ、お試しになってみてはいかがでしょうか。きっと視界が変わってきますよ!

ドイツマイスター眼鏡院
東京都港区北青山2-12-27
Tel. 03-6804-1699
営業時間11:00~20:00(要予約)
定休:毎月第3月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
http://meister-gankyouin.com

Photo:Simpei Suzuki
Text:Makoto Kajii
Editor:Ryutaro Yanaka

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