東京3大煮込みで気絶するなら北千住の名酒場「大はし」
BD(ボタンダウン)シャツは、ブルックス ブラザーズのものが気に入っている。プレスをかけても洗いざらしでもサマになる魔法の1枚だからだ。いろんなシャツを着るが、白のこいつがしっくりくる永遠のマイ・スタンダード。
シャツの袖を無造作に捲り、裾はラフに出し向かったのは、北千住の名店「大はし」。
日光街道の宿場でもある北千住。今は商店街となった旧街道に大衆酒場の聖地はある。
千住で2番とは、お客様こそ1番ということ。さすが明治10年創業の老舗だけに深い、深過ぎる……。
コの字カウンターの美しさにまずは酔うべし。東京3大煮込みのひとつとして有名で、他にも呑兵衛を唸らせる魚介系のつまみが揃っているのだ。
大衆酒場の定番焼酎キンミヤのキープボトルに圧倒されちまう。下町の名脇役どころか、主演しまくっているじゃないか! ここでは、とりあえずルービーではなく、キンミヤ梅割りと決めている。
梅シロップで割るだけでいい。梅割りは下町の大衆酒場ではスタンダードで、こいつがもつ焼きや煮込みと絶妙に合うのだ。
美しい佇まいだ。表面張力したセクシーなお前。甘く見て近づくと火傷しそうなお前。
強烈に美味すぎる。飲みやすく、クイクイいけちゃうので泥酔には気を付けてくれ。男は酒には飲まれるべきだと思うが、人に迷惑をかけてはいけない。泥酔していてもダンディを気取るべし。それこそ男の泥酔の極意だ。
「名物にうまいものあり北千住
牛のにこみでわたる大橋」
この一句が酔いなあ~。あれ!?少し酔ってきたか。大衆酒場の聖地と呼ばれる名店では長居はしない。サクッと飲み、サクッとつまみ、颯爽と店を出るべし。
キンミヤ梅割りと肉豆腐だけでいい。
大鍋で煮込まれる堂々とした姿に140年の歴史を感じる。
ダンディな大将が守り続ける牛煮込み。白衣の下はチェックのシャツで粋な着こなしだ。若いころはかなりイケメンだったに違いない。優しく煮込みを準備してくれる。待ちきれないが男は焦ってはいけない。
肉豆腐でアニ気絶……牛昇天! いやぁ~強烈に美味い! そう、キンミヤ梅割りとお前だけでいい。一般的なモツの煮込みではなく、スキヤキ風な甘みのある牛鍋に近い。牛スジやカシラ、肩ロースを使用していてホロホロにじっくり煮込まれている。
味が染み込んだ豆腐を一口食べ、キンミヤ梅割りを呑む至福の時。牛煮込みも同じ320円だが、俺のおすすめは牛煮込み&染み込み豆腐の肉豆腐だ。粋な大将ごちそうさまでした。
「大はし」は店内撮影が禁止されている。他にも大衆酒場の名店は撮影禁止の店が多い。スマホがない時代から長い時を経て、常連に愛され続ける聖地は、そうあるべきだと思う。
時には、少しの時間だけでもスマホをしまい、酒とつまみと自分だけの時間に心からリラックスして酔うのも悪くない。
ブルックス ブラザーズのBDシャツ。ボタンダウンシャツのオリジナルと呼ばれている。これは身幅がゆったりしているレギュラーフィットの赤タグ。今でもMADE IN USAで着こむ程に馴染む逸品だ。裾出しはレギュラーフィットで裾をインする時はスリムフィットと使い分けて愛用している。
Photo & Text:Eiji Katano
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今回のアニキおすすめの店
「大はし」
東京都足立区千住3-46
Tel. 03-3881-6050
https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132402/13003767/
営業時間 16:30~22:30
定休日 土曜・日曜・祝日
片野英児(かたのえいじ)
1968年生まれ。昭和とメンズ服飾を愛してやまない47歳。小誌編集長の干場(ほしば)がアニキと呼んだことから、いつしかアダ名がアニキに。趣味は、スナックで昭和カラオケ。呑みすぎると、歌いながら、なぜか干場と泣き合う熱き男。好きな場所は軍艦島。