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BUSINESS ー SONY元異端社員の艶笑ノート

大事なことはみんな女が教えてくれた

SONY元異端社員の艶笑ノート
「新進気鋭のDV男」

2017.5.27
2017.5.27

「女性が暴力を受けていると通報があったんです」

ソニーがプレステ(プレイステーション)を発売するまで、ゲーム業界は任天堂が王者として君臨し、セガがそれに挑むという図式になっていた。ただ、どんな世界にもアンチがいるように、ゲームの世界にも強すぎる任天堂を買いたくない人がいた。セガも2番手ながら、そんなアンチ任天堂を吸収しながら、じわじわと王者に迫っていた。

ソニーがプレステで参入したのは、ちょうどそんな頃だった。

街の公園で、オスのハトがメスのハトを追いかけ回しているのを見たことがあるだろう。それは鬼ごっこをしているわけではなく、オスの求愛行動なのだが、逃げ回っていたメスがオスのしつこさに観念し、ついに受け入れ体制をとった矢先、別のオスが現れ、連れていかれてしまうことがたまにある。

意中のメスが後から来たオスと一緒にあっちに行ってしまうと、最初のオスはもはや追いかけようとせず、人間から見てもそうとわかるほど、ただ呆然として、その方向を見ているものだ。

ゲーム業界は、そんな公園のハトの争いとそっくりだった。

セガはあともう一歩のところまでメスを追い詰めていた最初のオスで、プレステはまさに後から現れたオスだった。プレステが発売されると、セガはたちまち置き去りにされ、テレビCMでも社長自ら自虐ギャグを演じるほどになっていった。

ぼくはそんなセガの社長(たしか湯川さんといった)が気の毒でならず、

「プレステを買いたい」

と言ってきた知り合いには、自分がソニー社員であることを忘れ、

「セガを買ってやれ」

と言うほどだった。

マンションの前にパトカーが…

そんな頃、ぼくは依然として深川のマンションに住んでいた。

ぼくもそれまで何度か引っ越しをしたが、あのマンションはどう考えても普通ではなかった。理事長になってから、あのマンションの怪しさはエスカレートした。

ある晩のことだった。会社から帰ってくると、マンションの前でパトカーが停まっていた。

何だと思って声を掛けると、おまわりさんから鋭い目つきで睨まれ、

「あなたは誰ですか?」

「このマンションの理事長です」

すると、意外そうにぼくを見つめ、

「女性が暴力を受けていると通報があったんです」

「本当ですか! 部屋番号は?」

「803号室です」

「それは変ですね。803は男の一人暮らしですよ」

「でも、確かにその部屋から、暴力を振るうような音と女性の悲鳴が聞こえると通報があったんです」

「誰が通報したんですか?」

「隣の部屋の方だと言っていましたが……」

「じゃあ、きっと連れ込んだんでしょう。風俗嬢じゃないですかね?」

「そんなの知りませんよ」

おまわりさんは目を三角にした。

なぜぼくが即座に803号室の住人が誰なのかわかったかというと、そこに住む男が目立っていたからだ。190cmほどの長身に、彫りの深い顔。分厚い胸板に黒人のような足腰。時々玄関ですれ違うが、威圧感たっぷりの男だった。

形式的とはいえ理事長なので、どんな人が住んでいるのか住人のあらましは前任者から引き継いでいたので、803の男がサラリーマンだとは聞いていたが、普通のサラリーマンにあんな筋肉は必要ない。彼がなぜあれほど鍛えているのか、今になって急に怪しく思えてきた。

人を見かけで判断してはいけないと小学校の先生は言っていたが、もしやあの筋肉は、女を逆らえないようにするためなのか? 

気づけば、いつの間にか近所のおばさんたちがあつまり、いかにも野次馬らしい目で見ていた。

「とにかく見てきます」

おまわりさんは上がっていったが、すぐ降りてきた。

「ケンカみたいですが、収まったようなので、我々はこれで帰ります」

そう言うと、パトカーに乗ってさっさと帰ってしまった。

集まっていたおばさんたちは、なあんだと言いたげな様子で帰っていった。

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