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TRAVEL 彼女と行きたいコスパ宿

第68回 元禄時代に想いを馳せながら、現代の湯治を

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四万もの病を快方へと導くお湯が二人の心と体を優しく癒す「四万温泉 積善館」

群馬県四万温泉。私たちが生まれるずっと前から、多くの人がこんこんと湧き出るこの温泉を目指していました。沢山の荷物を抱え、何時間も歩き、山を越え、この地へやってきていたのだそう。導かれるように、吸い寄せられるように、「湯」そのものの価値を信じて…。

今回お二人を案内するのは元禄7年の創業以来300余年、湯治客の往来が絶えないここ四万温泉にある「積善館(せきぜんかん)」です。“湯治場”として始まった同宿では、伝統的な病気やケガの本格的な治療を目的とした湯治も良いですが、今は生活習慣病改善やストレス解消、疲労回復を目的とした、現代風にアレンジされた湯治を楽しんでいただきたいと思います。

赤い橋を渡れば、目の前には日本最古の湯宿建築と伝えられ、湯治文化が今もなお息づく「本館」が見えてきます。この光景どこかで見たことないですか?

「この赤い橋とその先に佇むお宿の風景…ジブリ映画の湯宿に来たみたい!」そうなんです、「積善館」は『千と千尋の神隠し』のモデル宿としても有名なのです。「この橋を渡ればどんな世界が広がっているんだろう? 湯婆婆みたいな女将がいたりして(笑)」と、彼女の気持ちも盛り上がってきたところで、早速館内へ。

ここ「積善館」は「山荘」、「佳松亭」、そして「本館」の3つの建物で構成。中でも本日お二人がお泊りいただくお部屋のある「山荘」は、桃山様式を取り入れた建築方法で造られ、その優れたデザインにより国の有形文化財、群馬県近代遺産に登録されています。

建物の随所に当時の名工の冴えが散りばめられており、その昔多くの文豪たちが避暑に訪れたと言われています。客室では、窓から見える四季折々の美しい景色やせせらぎの音が今も変わらず響き渡り、お二人の心を癒してくれます。お部屋で休み、旅の疲れが少しとれたところで、お風呂などいかがでしょうか?

客室とお風呂をつなぐのは「浪漫のトンネル」。ここを通り抜けると、目の前には、まるでタイムスリップしたかのような情緒ゆたかな“湯治場”が現れます。

四万もの病を快方へと導いてくれるほどのお湯であることから名づけられた「四万温泉」。その泉質は「ナトリウム・カルシウム塩化物硫酸塩温泉」で、肌に優しいお湯は「草津の治し湯」としても有名です。

また、四万温泉は昔から「日本三大胃腸病の名湯」のひとつに数えられているほど、胃腸病には有名。飲泉できるお湯としてもファンが多く、熱いまま飲むと下痢症の方に、冷やして飲むと便秘症の方に効果があると言われているんです。今宵、お二人は熱燗で? それとも冷やで?(笑)。

温泉を満喫された後は、お食事へ。山荘と佳松亭で総料理長自慢の洗練された四季の“旬”を懐石料理で味わうことができます。

また、朝食でぜひ味わっていただきたいのが、積善館の「元禄粥」です。その昔、元禄の時代に湯治で四万温泉へ来ていた人々が好んで食べた"積善のお粥"は、自炊が習慣であったその頃に、湯治客が湧き出でる積善館の源泉でご飯を炊いたのが始まりと言われています。

「この"積善のお粥"を、現代のお客様にも召し上がっていただきたい」と思い続けていた積善館19代亭主の思いが、このたび料理長の手で復活! 三百年の時を経て、三百年の時を経て“四万の水”で炊かれるようになり、さらに美味しくなってよみがえった"積善のお粥"『元禄粥』。淡い塩味が、ほうじ茶の香ばしさをいっそう引き立て、朝からほっこり幸せな気分に♡

日常の喧噪から離れてゆったりとした時間を過ごしながら、心と身体を健やかな状態に戻す“プチ湯治”が二人の処方薬になるかも!? にが~い薬を飲むよりも断然楽しいはずですから、ぜひお試しあれ!

Text : Akiko Uehara

【四万温泉 積善館】
群馬県吾妻郡中之条町四万温泉
0279-64-2101
FAX. 0279-64-2369

【宿泊料金】(1室2名様土曜日利用) 
山荘 標準室 一泊一人 2万3,000円〜(サ込税別、入湯税別150円)



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