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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine

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エコラグ-Hoshipedia 「エコラグ」とは、エコノミック・ラグジュアリーの略。economic luxury。極めて経済的だが、上質さやエレガンスは失わないスタイルの意味。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」という干場の哲学により生まれた造語。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは高額でも、白シャツや白無地のTシャツのように常に白いまま清潔に着たい消耗品は、高額なものよりもコストパフォーマンスを重視するというスタイル。パテック・フィリップの腕時計やジョン・ロブの靴と、カミチャニスタやデッコーロの白シャツ、GAPの白無地のTシャツは干場にとっては同じ。一点豪華主義とも違う。干場が敬愛するブルース・リー先生が提唱した無駄を排した最短の動き(エコノミック モーション)で相手を倒すジークンドーのように、経済的で盛り過ぎない、かつ無駄のないシンプルで上質なスタイルを指す。

イタリア伝統の技が 詰まった一着

これは『LEON』編集部に移籍してすぐに携わった、創刊準備号のときの思い出の品。そのときの銀座特集で、“最高のスーツを仕立てる”という企画があって、ペコラ銀座で誂えたものです。オーナーの佐藤英明さんはミラノの老舗サルトリアであるマリオ・ペコラでの修業を経て、帰国後に銀座にサロンを設立したお方。ディテールだけを追い求める日本のクラシコ・イタリアの風潮とは距離を置き、イタリア伝統の“美しくて動きやすい服”をつくり続けてきました。当然、既製品やパターンオーダーではないのでそれなりのお値段はしましたが、いまでもオーダーしてよかったと思える一着です。

そうは言っても、当時はマリオ・ペコラの名前も、佐藤さんの名前も知らずに、お店に飛び込んだのですから、いま思い返すと、自分の無鉄砲ぶりに顔から火が出る思いです。僕自身、三代続くテーラーの家に育ったとはいえ、父のスタイルしか知らなかったわけですから、佐藤さんとはマリオ・ペコラのベーシックを聞きながら、とにかく長く着られるもの、という視点でお願いしました。

ほぼお任せだったのですが、いろんな話をするうちに、生地はカノニコのぎっしりと目が詰まったウール素材、色は限りなくライトに近いミディアムグレー、段返り3ボタンでフラップなしの両玉縁ポケット、ノーベントというスタイルにたどり着きました。佐藤さんの人柄のおかげで、銀座の一流店で誂えるという緊張はなかったのですが、どういうものができるのかが楽しみで、すごくワクワクしていたのを覚えています。

で、完成品を試着してまず驚いたのが、圧倒的なフィット感。肩、胸、背中に吸い付くような着心地なのに動きやすいんです。これがイタリアのサルトリアの技か、と。計算されたデザイン性とアイロンワークの凄さなんでしょうね。

パンツは“パンチェリーナ”という仕様なんですが、フロントにボタンが多く付いていて腹巻きみたいに下腹部をしっかり固定するんですよ。それと横から見ると、ウエスト部分が弓形になっているのがわかりますか?  これもオーダーならではのデザイン。しっかりとヒップを包み込んで、穿くとストンとまっすぐ落ちるんです。立体的だから置くと不恰好に見えるかもしれませんが、実際に着たときのシルエットは最高。20年ほど前につくったスーツなので、パンツの裾幅は細くお直ししましたが、いまでも現役で着ているスーツです。良いものは長く着られて、時代を超えるんですね。これぞ「エコラグ」の考えにふさわしい逸品です。

Text:FORZA STYLE

エコラグ-Hoshipedia
「エコラグ」とは、エコノミック・ラグジュアリーの略。economic luxury。極めて経済的だが、上質さやエレガンスは失わないスタイルの意味。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」という干場の哲学により生まれた造語。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは高額でも、白シャツや白無地のTシャツのように常に白いまま清潔に着たい消耗品は、高額なものよりもコストパフォーマンスを重視するというスタイル。パテック・フィリップの腕時計やジョン・ロブの靴と、カミチャニスタやデッコーロの白シャツ、GAPの白無地のTシャツは干場にとっては同じ。一点豪華主義とも違う。干場が敬愛するブルース・リー先生が提唱した無駄を排した最短の動き(エコノミック モーション)で相手を倒すジークンドーのように、経済的で盛り過ぎない、かつ無駄のないシンプルで上質なスタイルを指す。



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