FASHION ― 僕が捨てなかった服

「僕が捨てなかった服」

スタイリスト小沢宏 第9回 「バレンシアガ」のスタンドカラーシャツ

2017.3.2 2017.3.2
2017.3.2

15年くらい週1ペースで着ている現役選手

人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。トップバッターのファッションエディター山田恒太郎氏に続き、10回にわたり、スタイリストの小沢 宏氏が膨大な数の所有してきた服の中でも捨てられなかった服をご紹介する企画、第9回は「バレンシアガ」のスタンドカラーシャツです。

このシャツは、バレンシアガのメンズが復活したときに購入しました。当時のデザイナーはニコラ・ジェスキエール。26歳という若さでバレンシアガのデザイナーに抜擢され、2002年にメンズコレクションを復活させた人物です。

当時、ミラノのスピガ通りにバレンシアガのメンズのショップがオープンして、ミラノコレクション滞在中に覗いて手に入れたのがこのシャツ。奇抜な服もあったんですが、僕好みのちょっとプレッピーっぽいデザインが目に留まりました。あと、そもそもスタンドカラーのシャツが好きなんです。

第1ボタンがなくて、ダブルホールでボタンホールなし。全部くるみボタンになっていて、胸にはシェパードのワンポイントが入っている。それに配色使いになった比翼仕立てなど、各ディテールに小技が効いているんです。

で、着てみると、実はあまり日本人の体型に合わないパターンで、着難い(笑)。電車のつり革を持つと、シャツの裾が上がって出ちゃう。首のところにはループでメイドインイタリーとタグが付いていて、チクチクして着心地悪い。なんでこんな所にこんなタグが!?と、思いますよね。

でも、服って着心地がいいとか軽いとかという理由だけで着続ける訳ではない。着難いとか重いとかも含めて愛着って湧く。そんなところが自分が服作りをする時にもとても参考になりますね。どういうことを考えて、こういうデザインにしたのかな、と聞いてみたいくらいです。

最近のニコラ・ジェスキエールはフューチャリスティックなデザインのものが多いんですが、当時は彼自身の才能と時代がマッチして僕好みのモノを作っていた。バレンシアガというブランドとニコラの相性が、とてもよかったんだと思います。

シャツって消耗品ですよね。でも、これは購入してから15年近く毎シーズン、コンスタントに着続けているずっと現役選手の一枚。カズ選手みたいな感じです(笑)。これも消耗してしまって、袖口とか擦り切れてきているんですが、これほどヘビーローテションで着ているものもないくらい気に入っていて、週1くらいのペースで着ています。

夏は中にタンクトップを合わせて、冬はカーディガンを羽織って、スーツのインナーとして1年中活躍しています。

Photo:Riki kashiwabara
Text:Yoshie Hayashima
Edit:Ryutaro yanaka

小沢 宏
スタイリスト、デザイナー
1964年、長野県生まれ。大学在学中に雑誌『POPEYE』のスタイリストアシスタントとしてキャリアをスタート。『POPEYE』を始め『BRUTUS』『Huge』『Uomo』『Men’s Ex』など様々なジャンルのエディトリアル スタリングを手掛ける。今はちょうど OZAWAHIROSHI EDISTORIAL の展示会の真っ最中。 スタイリスト特有の感性と職人ワザを融合させたラグジュアリーなコレクションと なっている。

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