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WOMAN ー こじらせ映画評

日髙夏子の「こじらせ映画評」

気絶必至!アカデミー賞「主演女優賞」は誰の手に?

2017.2.25
2017.2.25

有力候補は2作品

FORZA STYLE読者のみなさま、こんにちわ!

最近、巷では「偏愛」という言葉をよく聞きます。
これは文字通り「あるものや人に偏った愛情を示すこと」ですが、みなさんの
「偏愛」は何ですか?
私は男性の偏愛姿(なんか、卑猥に聞こえますが・・・)が大好物なんです。まるで少年のようなキラキラした瞳で愛おしそうにそれを語っている姿が眩しくて素敵すぎます。例えるならば、FORZA編集部のみなさんのファッションへの偏愛っぷりなんて最高なワケですが。

では、そんな私の偏愛とは?
もちろん、映画には相当偏っていますが、それよりもアカデミー賞授賞式に対する熱愛っぷりは周囲をドン引きさせるほど。授賞式中は、誰も近づけないようなオーラを放ち、誰も聞いていないのに1人でずっとブツブツと副音声のような解説を発しているらしい。そんなアカデミー賞授賞式が、今年も2月27日(日本時間)に開催されますよ、ダンナ!

とはいえ、アカデミー賞って実はよくわからないって方が多いと思いますので、簡単に説明すると、その年に制作された映画の作品・キャスト・スタッフを表彰するもので、映画芸術科学アカデミー協会に属するアカデミー会員(要は映画に関わってきた多種多様なお偉い様方)の投票で選ばれる世界最高峰の映画の賞です。

実はハリウッド業界あげての社員総会のようなものであり、同じ苦労をしてきた仲間同士で労いましょう! というもの。同志や憧れの大先輩から認められたということなので、その嬉しさは図りしれないもの。ちなみに受賞者へは賞金とか副賞は一切与えられません。もらえるのは、名誉とオスカー像だけ。でも、そのパワーは絶大だということは、みなさんご存知でしょう。

そう、私にとっては何よりもそこが魅力的。アカデミーにノミネートされたり、授賞式に登場するだけで、それまで無名だったものや見向きもされなかったものが一夜で世界中の注目を集める。これぞまさに、アメリカン・ドリーム。どんな宣伝施策やイベントよりもSNSでバズるよりも、強大なパワーを持っているんです。そうやって世界が動く瞬間を目撃出来ることが、授賞式の一番の楽しみではないでょうか。

そして、今年の動向について少し。
入門編としてご覧いただきたいのが、主要部門として最も注目を集める作品賞、監督賞、主演男優・女優賞、助演男優・女優賞あたりでしょうか。

©︎2015 SBS PRODUCTIONS SBS FILMS TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION  FRANCE 2 CINEMA  ENTRE CHIEN ET LOUP

そんな中でも、今年は何よりも女優賞に注目が集まっています。若手実力派のエマ・ストーン、正統派女優としての地位を確立し二度目の受賞を狙うナタリー・ポートマン、人種の多様性を掲げるアカデミーの証・黒人女優のルース・ネガ、フランスの国民的大女優で大穴のイザベル・ユベール(この人、ホントにすごすぎて私は主演作品の「ピアニスト」を見た後あまりの衝撃にしばらくフランス映画を見れなくなってしまったほど)、そして、女王メリル・ストリープという、近年稀にみる女同士の壮絶な戦い。もう気絶!!

賞の結果はもちろんですが、女優陣のレッドカーペットでの華やかな共演も楽しみです。自分がレッドカーペットに立つ時はどんなドレスが良いかな~(日本人だからやっぱ着物か? いや和柄のドレスか?)そして、どんな素敵な俳優にエスコートしてもらおうかな~とか、無駄な妄想を巡らせることがこじらせ女なりの楽しみ方だったりします。(もちろん、エスコートしてくださる素敵なスマフォーの貴方も募集中ですよ!)

逆に、なぜか男性はブラックのタキシード姿ばっかり。最強のフォーマル・スタイルではありますが、奇抜なファッションはほぼ見かけません。女優を引き立てるような裏の条約でもあるのか? と思うほどですが、シルエットのスマートさやアクセントとして効かせたタイ使いなどでセンスの差が一目瞭然に出ることも確かなので、読者のみなさんはここに注目するのもオススメです。

©2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.

そして、メインの賞である作品賞にも注目です。
圧倒的な最有力候補は「ラ・ラ・ランド」。往年のミュージカル映画への愛や夢と希望が詰まったまさにエンターテインメントの集大成と言われることの作品。前哨戦と呼ばれるアワードも総なめにしていて、歴代最高の14部門にノミネート(あのタイタニックに並ぶ)され、その中の何部門をかっさらっていくのか。ミュージカル好きとしては、予告編を見ただけでも気絶。

©2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.

華やかな世界観や一度聞いただけで耳から離れない楽曲・パフォーマンスは、まさにエンターテインメント。アメリカン・ドリームの全てが詰まっているキラキラした作品なんです。これこそ、日々スマートに過ごすスマフォーのみなさんに現実逃避をしてもらうために最適の作品だと思うんです。まさに、ハリウッド! という作品で独走が予想されていたのですが・・・ここへ来て、とんでもない対抗馬が現れる。

© 2016 A24 Distribution, LLC

恥ずかしながら、私も最近知った作品「ムーンライト」です。ブラッド・ピットがエグゼプティブ・プロデューサーを担当していながらも、超低予算制作で公開映画館数も圧倒的に少なかったため、日本ではほぼ無名でした。しかし、アメリカ全土で大旋風を巻き起こしているらしい。こちらは「ラ・ラ・ランド」とは真逆に、まさにアメリカの現実を描く作品です。

© 2016 A24 Distribution, LLC

スラム街を必死に生き抜くためにもがく1人の黒人少年の生き様を少年期・ティーン期・青年期の3世代で描きます。彼は黒人であり、ゲイである。迫害対象の全てを背負うという運命ですが、その姿を息をのむほど美しく詩的に描いているそう。私は、初めてポスターを目にした時、体の芯から震えてしまったほど、そのビジュアルに一目惚れしてしまいました。これは、とんでもない作品ができてしまった・・・そう心底思ったほどです。


© 2016 A24 Distribution, LLC

実は、この一騎打ちには政治的背景が大きく絡んでいると言われています。
なにより、ムーンライトは人種差別・性的趣向への差別、それと闘わなくてはいけない弱者の姿が描かれていて、これはまさに現在のトランプ政権に突きつける内容だと思うんです。

©2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.

「ラ・ラ・ランド」は逆に、こんな問題だらけの時代だからこそ、夢や希望を忘れないように、そして映画やエンターテインメントの世界だけは華やかさを忘れてはいけないという強い想いが故の人気もあるそうです。どちらも正反対なアプローチではありますが、なぜこのタイミングで有力候補となったのか、納得出来ますよね。

さらに、アカデミーは伝統的な賞であるからこそ、これまでの受賞傾向としてアメリカの歴史や政治を扱ったアメリカ万歳! 的な映画が選ばれることが多かった。それも素晴らしいことですが、日本人の私としては、どこか理解しきれなかったり納得出来なかったりすることもしばしば。だからこそ、そんな傾向から外れた、この2作品が候補というのは、すごいことだと思うんです。

個人的には、「ムーンライト」に一票。もちろん、夜中に歩道を歌ってステップ踏みながら帰っちゃうほど不審者に間違えられるようなミュージカル好きな私にとって、「ラ・ラ・ランド」は最強だし、狂うほど見たかった(※第4回セッション参照)ただ、「ムーンライト」のような低予算でなかなか人目に触れない、ましてや大衆的ではない作品が受賞することでスポットライトが当たり、一夜にして人々の注目を一身に集めることになる。

これこそがアカデミー賞の起こす奇跡であり、パワーだと思うんです。そして、受賞がきっかけで沢山の人がこの作品を知ることは、扱われている厳しい現実を知り、考えるきっかけに繋がると思うんです。そうすれば、少しづつ少しづつ、世界が良い方向に進んでいってくれるんじゃないか・・・そんな気がしてなりません。

好きなものに対しては、なぜか直感が働いてどっぷりとはまるこじらせ女の私ですが、まさに「ムーンライト」がそう。さて、この直感は正しいのか? それともやっぱりこじらせているだけなのか? 結果が楽しみでなりまん。
ということで、今年は有力候補がどちらも私の好みの作品だなんて・・・気絶!! それを通り越して、昇天!!

スマフォーのみなさんにも楽しんでいただきやすい部分にフォーカスしてお届けしましたが、いかがでしか? この他にも、サプライズ満載の豪華なプレゼンターが登場(2、3年前には、オバマ大統領夫人ミシェルさんがプレゼンターとして登場したことも!)したり、素晴らしいパフォーマンスや涙無しには見れない受賞者の感動的なスピーチもありますので、まさにこれこそエンターテインメントの全てが詰め込まれた最強のショーとしても十分楽しいでいただけるはずです!
是非、ご覧くださいませ!!
それではみなさま、今日も素敵な1日をお過ごしください♡

Photo:Riki Kashiwabara
Text:Natsuko Hidaka

Edit:栗原P

【生中継!第89回アカデミー賞授賞式】
2月27日(月)午前10:00~
字幕版:2月27日(月)夜9:00~ WOWOWで放送
http://www.wowow.co.jp/extra/academy/

「ラ・ラ・ランド」
2月24日 TOHOシネマズみゆき座他全国ロードショー
http://gaga.ne.jp/lalaland/

「ムーンライト」
4月、TOHOシネマズシャンテ他全国公開
moonlight-movie.jp

【ELLE(原題)】
2017年夏、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
https://www.gaga.co.jp/cinemas/detail/871

【撮影協力】
ユーロスペース
渋谷区円山町1‐5 KINOHAUS 3F
03-3461-0211
http://www.eurospace.co.jp/

【ひだか・なつこ】
小学校から大学までの16年間を附属の女子校で過ごした“こじらせ女”。(幼稚園もほぼ女子校だったので、それもカウントすると約20年間)幼い頃に家族の影響でエンターテイメントに目覚る。中学・高校をミュージカルに、大学生活を映画館でのアルバイトに捧げ、海外ドラマ廃人も経験する。映画やエンターテイメントとより多くの人を結びつけたいという想いから、放送局に入社。今でも毎週末は映画館で過ごし、これまで見た作品は約4000本。そんな映画への愛をこじらせ、コンシェルジュとして今回の連載を担当する。
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