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FASHION

2017年ISETANにローンチ! 注目のUSブランドCEOが語るビジョン

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シンプル・イズ・ザ・ベストを極めた頑固なブランド

1897年、ワシントン州シアトルでゴールドラッシュに挑むための”アウトドア・クロージング・メーカー”として設立されたフィルソンが今年初めて日本に店舗を構える。ISETANでのローンチを目前にする中、CEOのSteve Bock(スティーヴ・ボック)に創業120年を超えてもなお愛されてきた秘訣を伺いました。

CEO Mr. Steve Bock

makiko: 創業120年、これはアメリカにおいては非常に長い歴史をもつファッションブランドですよね。どうしてここまで生き残れたのでしょうか。

Steve: 一言でいうなら、120年前から今まで変わらないこと、クオリティ&ギャランティというモットーを貫いてきたからなんです。ゴールドラッシュの作業員用の服をはじまりとし、その後、厳しい環境と対峙するアウトドアウェアやアクセサリーを展開して今に至りますが、ハードな環境下でも耐えうるクオリティと、使い古して壊れてしまった場合に修理サービスを受けられる永久保証制度を提供し続けています。その信用が、人から人へ伝わって確固たるファンを築いてきたのだと思います。大々的なプロモーションは特にしていませんから。

makiko: でもファッションって流行がありますよね。トレンドはどのように取り入れるんでしょうか。

Steve: トレンドは取り入れません。ただ、我々の商品にはカテゴリー毎に哲学があります。それを活かしたデザインで商品を生産しつづけるだけなんです。例えば、このプレードジャケット、これは林業の労働者の作業着に着想を得ています。背中一面がポケットになっており、ここに山のマップを入れることができるんです。中は撥水加工なので、背汗でぬれることもありません。こういうユニークなデザインを各ラインに取り入れることで、タウンで着ても、どこか人とは違ったオリジナリティを出すことができると思いませんか。そこにトレンドは必要ありません。大事なのはフィロソフィーなのですから。

シアトルにあるFilsonフラッグシップストア

makiko: ブレない強さを感じます。さて、2017年に新宿伊勢丹に上陸されるとのことですが、日本に向けたマーケティング戦略を教えてください。

Steve: そう、2017年の春に店舗を出す予定です。日本で販売するから日本人サイズの展開はマストですよね。でもその他にマーケティング戦略というものは特にありません。アメリカでやっていることをそのままやるだけなんです。もちろん、色んなプロモーションをして打ち上げ花火をバンバンあげることはできる。でもそれって一過性の流行にすぎないと僕は思うんです。フィルソンが愛され続けている理由は、お客様が僕たちのDNAに共感してくれているから。国が変わってもそれは同じだってことを、この春証明したいと思っています。

使えば使うほどに味わいと愛着が出るFilsonのアイコンバッグ

makiko: 一貫していますね。なんだか人生の哲学と同じような気がしてきました。

Steve: 「同じ事をやりつづける」これって簡単なように見えて、実はすごく難しいですよね。その事に対して相当な自信と確信がないとできないことです。一歩一歩、そうまるで着実な人生のように、はたまた太い幹のように…今の時代だからこそ、この姿勢を貫きたいんです。

何を質問しても、似たような返答が返ってくる…こんなインタビューは初めてでした。それほどに彼らの伝えたいことはシンプルだということ。ファッションの哲学の一つでもあるSimple is the bestを体現している、フィルソンはそんなブランドでした。

Interview/ text/ photo: Makiko Yamamoto
コーディネート: Kyoko Matsuda
取材協力: シアトル・ワシントン州観光事務所



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