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FASHION

アメリカ最高級デパートNordstrom本店PRマネージャーが語る”ファッションの今と未来”

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顧客最優先主義を貫いた成功例

ワシントン州シアトルに本店をおく全米最大の高級デパート、ノードストローム。
元々シアトルの靴屋からスタートした当店は、徹底した顧客優先主義で現在の規模へと成長を遂げました。

全米で最も薄いとされるノードストロームの従業員ハンドブックには、「どんな状況下でも、自分のベストの判断で、行動をしなさい。それ以外のルールはありません。」と記載されているのだとか。

”顧客徹底主義”にまつわる有名な逸話をご存知でしょうか。

昔、ある男性がタイヤを4つ転がしながら来店、「ここで買ったのだが返品をしてくれないか」と間違えて他の店で買った商品の返品を要求してきました。タイヤはノードストロームで取り扱いがなかったものの担当した従業員は返品に応じました。

この話はマーケティングの逸話としてアメリカのアパレル業界ではよく話されています。

前置きが長くなりましたが、今回は本店PRマネージャー、ジョン・ベイリー氏にファッションと今後の展望に関してインタビューをさせていただきました。

John Bailey

makiko: ノードストロームはファッショントレンドをどう捉え、商品やブランドの品揃えをしているのでしょうか。

John: 我々は「何でも揃う場所」でありたいと思っていて、お客様に幅広い価格帯の商品を提供しています。ノードストロームは高級デパートでありながら、一つの店舗に様々な価格帯の商品がある、非常にユニークな形態だと思います。我々のバイヤーチームは、市場が求めるであろうフックとなるブランドをパートナーとして見つけてくる素晴らしい手腕をもっています。
私たちはたくさんの選択肢を用意することで、お客様が求めるスタイル(例えば200ドルのデニムに40ドルのTシャツを合わせる、ハイプライスとローのミックススタイルなど)を実現できるように努めているんです。デザイナーブランドから、人気のブランド、それに我々のプライベートレーベルという幅広いチョイスが実現しました。今後はイギリスのカジュアルレーベル、「トップ・ショップ」ともパートナーになる予定です。ちょっとビックリでしょ。でも僕はこれからはもっとカジュアルとラグジュアリーをミックスするスタイルが好まれると思うんです。だったら一店舗で揃ったほうが、お客様にとっては便利ですからね。

makiko: さすが”顧客最優先主義”ですね。では、2017年のファッショントレンドはどうなると予想されますか。

John: 今年の春夏は「スパイスの効いた優雅なスタイル」が確実に来ますね。上質な素材、優雅かつ正統派でありながらも、どこかスポーティなアクセントが入っている、そんな遊び心あふれたスタイル。ワードローブは、具体的に言うと、ちょっとラフな着崩し感が重要、そして古くさくないクラシックテイストを忍ばせ、そこに自分の好きな時代のファッショントレンドを添える、という感じですね。春ですから色で遊ぶのもいいと思います。

makiko: アメリカではどんなアイテムが人気なのでしょうか。

John: ノードストロームは1901年にシアトルで靴屋として誕生しました。ですから我々は特に靴部門に注力していて、ナイキからヴァレンティノまで幅広い品揃えを誇ります。アメリカで特に人気なのは、Tory Burch, Sam Edelman, Adidas, UGG Australia, Christian Louboutinなどですね。去年の8月にはJ Crewのエディテッドセレクションをローンチし、非常に成功しています。そういった、”他では手に入れられないもの”をお客様に提供するのがすごくワクワクするんです。

一ヶ月ごとのポップアップスペース、Love Pop-Up Nordstromもその一つ。

maki: 確かにワクワクしますね。他に面白いサービスはありますか。

John: 最近、シアトルエリア限定で、「Reserve Online, Try-On In-Store(オンラインで取り置き、店頭で試着)」というサービスを始めました。ノードストロームのモバイルアプリにお取り置き機能を追加したんです。自分の近くの店舗に取り置きした商品が届き、そこで試着できるって、すごく便利だと思いませんか。服を購入するには、やっぱり試着って大事ですしね。

maki: 分かります。一着一着を大切にしたいから、じっくり試着したいですよね。今後、ノードストロームが日本で展開する予定はありますか。

John: 残念ながら日本への店舗進出は予定がないですが、オンラインでは日本への発送もしています。セール商品も買うことができるのでぜひ試してみてください。

ファッションは足元から…靴屋からスタートしたこの会社が成功したのも頷ける気がしてならない。

Photo/ Text: Makiko Yamamoto
コーディネート: Kyoko Matsuda
取材協力: シアトル・ワシントン州観光局

 



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