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FASHION ー 僕が捨てなかった服

「僕が捨てなかった服」

スタイリスト小沢 宏 第2回 「ピオンボ」のネイビー タキシード

2016.12.12
2016.12.12

ブラックとは異なるエレガントさでタキシードの魅力に開眼

人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ってることにします。トップバッターのファッションエディター山田恒太郎氏に続き、前回からは10回にわたり、スタイリストの小沢 宏氏が膨大な数の所有してきた服の中でも捨てられなかった服をご紹介する企画、第2回目は「ピオンボ」のネイビーのタキシードです。

今回紹介するのは、「ピオンボ」のネイビーのタキシードです。これは、ミラノのブティックで1990年代後半か2000年頃に購入したものです。

現在は「MP di Massimo Piombo」という名前で展開しており、その前身となったのがピオンボで、服本来の装飾性が楽しめ、美しいカラーリングが特徴のブランドです。ピオンボは当時、よい服があるんだよ、と知人から聞いて興味を持ち、コレクションでミラノ滞在中にブティックへ足を運んでみました。

ミラノの中心街にあったそのブティックは、中庭を抜けうす暗いドアを開けて入るのですが、そこはまるで個人の邸宅のような空間が拡がっていました。店内には売り物と言うよりは、他人の持ち物のように洋服が並んでいたのが、とても印象的だったのを憶えています。

そして、その時に知ったのが、タキシードって黒だけじゃなくネイビーがあるんだ、ということ。と同時に、この色はミッドナイトブルーと呼ばれる色で、イタリアでは夜に着るエレガントな色味だということも知りました。

ジャケットは絞りすぎていない程よいシェイプで、シルクを配した太めのラペル。2プリーツのベルトレスパンツはマーベルト仕様となっていて、シャツがずれ難いように細いゴムがベルト裏に装着されています。クラシックなディテールを随所に配し、職人の手仕事による仕立てでありながら、どこかモード感のある佇まい。クラシックやモードという範疇に囚われない絶妙なバランス感が、このタキシードにはあります。

最近はパーティや結婚式などの改まった席に、シャルベの白い蝶タイを合わせて着ています。購入当時は、このジャケットにリジッドジーンズを合わせてカジュアルに着こなすことも多かったです。この一着のおかげでタキシードの魅力に開眼し、これを皮切りにグッチやサンローラン、カンタレリなどを購入したくらい気に入ったタキシードです。

手に入れてから20年近く経つのですが、着ていると今だに「どこの服?」と聞かれます。時間を超越して本当に良いものってあるんだ、これこそが『捨てられない服』なんだ、ということを実感しています。

Photo:Riki kashiwabara
Text:Yoshie Hayashima
Edit:Ryutaro yanaka

小沢 宏
スタイリスト、デザイナー。1964年、長野県生まれ。大学在学中に雑誌『POPEYE』のスタイリストアシスタントとしてキャリアをスタート。『POPEYE』を始め『BRUTUS』『Huge』『Uomo』『Men’s Ex』など様々なジャンルのエディトリアル スタリングを手掛ける。またデザイナーやプロデューサーとして数々の企業やコラボブランド、自身のブランド「オザワヒロシ エディストリアル」を手掛ける。「暮れの時期を迎え、今までは各雑誌の忘年会に慌ただしく顔を出していましたが、 最近は少人数でゆっくり食事をする機会が増えてきました。これも年齢的なものなのか…。 でも、SNSで近況を知っていても実際に顔を合わせて盛り上がるってことも必要だよな」 なんて思う、52歳の冬。

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