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オバマも病みつき! シアトルのショコラトリーCOOが語る「ヒットの法則」

2016.12.14
2016.12.14

アメリカのラグジュアリーチョコレートのパイオニア

1982年に創業した「Fran's」は当時から現在まで「本物の味」を追求しつづけ、アメリカ全土はもとより、世界中から注目を集めているショコラトリーで、オバマが大統領になる前から愛しているお店としても有名です。

その創業者でもありオーナーであるFran Bigelow(フラン・ビゲロー ※トップ写真右)に事業への思いとビジネスの秘訣を伺いました。

チョコレートファクトリーを併設した旗艦店で楽しめるテイスティングメニュー。ワインテイスティングのように口の中で堪能しながら味わうといつもとまた違ったエクスペリエンスができる
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makiko:そもそもどうしてショコラトリーを始めようと思ったのでしょうか。

Fran:昔からチョコレートが好きだったっていうのが大きな理由ね。そして1980年代当時、アメリカにはヨーロピアンスタイルのチョコレート、いわゆる洗練されたチョコレートは自国のブランドとしては皆無に近かったの。甘すぎず、素材の味を活かしたチョコレートはすべてヨーロッパからの輸入だったから。私自体は結婚当初お料理ができなくて、ジュリア・チャイルドのクッキングTVを見て一から料理を勉強したものだわ(笑)。彼女はフランスでお料理を学んだでしょ、だから私もフランスのチョコレートを勉強しようと思ってパティシエの学校にいったの。味に対する考え方とか素材の組み合わせ方とか、いろいろ驚くこともたくさんあったわ。そして、1982年にショコラトリー「Fran's」をオープさせたの。大好きなチョコレートが仕事になるなんて、最高よね。

makiko:そんな「 Fran's」が大切にしているものとははなんでしょうか。

Fran:常にハイクオリティを追求することね。ハイグレートでできるだけナチュラルな素材を使うことがFran'sのスタンダードとして欠かせない要素。そしていつも新しい試みをしつづけること。スタンダードを大切にしつつ、ウーロン茶や生姜などチョコレートとしては珍しい素材を融合させてお客様が飽きないようにするということ。今では当たり前になっている「カラメルと岩塩」を取り合わせたのも私が最初なの。これはオバマ氏が最も好きな味よ。

ファクトリーを見学。いままさに出来立ての艶めきがなんとも美味しそうだ
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makiko:普遍と進化の融合、非常に理にかなっていますね。では、ご自身が考えるFran'sがここまで成功した理由とは?

Fran:それは、マーケティングね。創業当時、アメリカではチョコレートって”子どものおやつ”といった値段だったの。でもFran'sはチョコレートを「ギフト」として考えた。みんなが好きな食べ物でしょ、だから、大切な人へのギフトとして購入する、そういうシーンを思い描いて、プライスを高めに設定したの。周りからは「どうしてチョコレートにこの値段?」って驚かれたわ。でも良質のカカオと自然の素材を使用しているから当然なの。いいカカオは砂糖よりも高価格で、それをふんだんに使うと、どうしてもその値段になってしまうのよ。そして高級感のあるパッケージにして、シーズン毎にボックスやリボンの色を変えたり、ギフトカードを添えたり…チョコレートに「プレシャス」な雰囲気をプラスした。もちろん、製造はすべて手作りだし、パッケージングも手作業でね。そしてタイミングのいいことに、90年代には世界的に「チョコレートは健康にいい」というムーブメントが起こったの。厳選素材のみを使用しているFran'sはその代名詞になったわ。

昨年日本のテレビ番組に取り上げられたことをきっかけに、日本のアルティザンとのコラボレーションがスタート。漆塗りの器を用いたギフトボックスは新しい試みとして注目を集めている
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makiko:マーケティングに加え、時代の流れにもうまく合っていた、ということですね。そんなビジネスパーソンに欠かせない習慣はなんだと思いますか。

Fran:常に一歩先を考えながら行動することね。もちろん先を追うだけでなくすべてのことにしっかり目を配りながら。もっといい味を生み出す努力も決して欠かしてはならないと思うわ。そして、新しいことを始めるのをためらわないこと。私もこの事業を始めたのは結婚後だったけれど、今思うのは、「何ごとも始めるのに遅すぎることはない」ってこと。今は若くして成功している人がたくさんいるから焦りを感じる人もいるかもしれない。でも決してそれをみて自分の可能性を制限してはいけないと思うわ。経験や知識がついてからしか始められないこともあるんだから。

makiko:その言葉に勇気づけられました!最後に、Franさんご自身のネクストステップを教えてください。

Fran:私がもっているもの、知っていることを次の世代にしっかり伝えていくことね。今が頂点ではないわ。チョコレート業界は飽和しているように見えるけれど、もっともっと可能性はたくさんあるはず。それをしっかりやっていきながら、「シアトル発」というプライドをもって、地元でしっかりやり抜いていくことが大事だと思っているわ。海外進出の話もいろいろあるけれど、私個人としてはこの土地でやり続けることに意味があると信じているの。

創業者、経営者として彼女がどれだけ考え、努力を惜しまなかったか…それが優に想像できるインタビューであり、Fran'sが30年以上もの間人々に愛され続けている理由がはっきりとわかったインタビューでした。

text, photo: makiko yamamoto
取材協力:シアトル・ワシントン州観光事務所

 

 

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