空冷ポルシェ「911」に匹敵する資産価値を持つ腕時計
Rolex(ロレックス)のみならず、ヴィンテージウォッチの市場や相場を牽引している最強の時計。それは「Cosmograph Daytona(コスモグラフ デイトナ)」であり、異論を挟む余地はありません。
かつて、その中心に立っていたのが、名優ポール・ニューマンが愛用していたことで知られる“ポール・ニューマンダイヤル”仕様の「コスモグラフ デイトナ」です。バリエーションが豊富であることに加え、真贋を見極めることがなかなか難しく、購入はそれなりのリスクを伴います。下で1000万円オーバー、最近ではオークションで1億円越えの個体が出たりと、人気・実力ともに最強クラス。
新型のRef.116500LNの登場から、初期の自動巻きモデルとして人気のRef.16520の価格の高騰ぶりも凄まじいものがありますが、やはりヴィンテージの花形と言えば手巻き時代の個体でしょう。
最近では、Ref.6239の最初期の“ル マン”と呼ばれるダイヤル、幻のRef.6240の“ソロ”などの一部の超レアモデルは“ポール・ニューマンダイヤル”をも凌ぐ、熱狂的人気を集めています。
そこで今回ご紹介するのが、マニアから熱視線を浴びるRef.6239の“ブラウンエイジング”です。
こちらの個体は、通常であれば黒いはずのインダイヤルが茶色に変色しており、同年代の個体同士でも、これひとつで価格に大きな開きが出ます。なぜなら、この手の経年変化は、デニムの色落ちのように使い込んでどうこうなるものではないからです。
一口に経年変化と言ってもテイストはさまざまで、より自然な焼け具合であるほど価格は上がります。
すでに空冷ポルシェ「911」と互角か、それ以上の安定した資産価値を持つ、手巻きデイトナ。リセールバリューに関しても無類の強さを誇るので、“投資”という意味でも買いの一本であることは言うまでもありません。
Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text: FORZA STYLE