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FASHION ー 松竹梅

ファッション界の賢人が提案!干場に着させたい「松竹梅」

第9回「時計の松竹梅」

2016.12.1
パイロットウォッチに必要なスペックである高い視認性、精度、帯磁性を兼ね備えた「パイロット・ウォッチ」。グレー文字盤がシックなアクセントとなっておりオンオフ合わせやすいのも魅力。IWCの中では最小ケースである36ミリというのもエレガントな表情を添えている。自動巻き SSケース アリゲーターストラップ 6気圧防水。パイロット・ウォッチ・オートマティック36 45万5000円(税抜)/IWC(IWC 0120-26-1868)

広田:IWCのパイロットウォッチで45万5000円(税抜)です。こちらもミリタリーウォッチですね。

干場:確かにそうですね。

広田:こちらは(ケース径が)36ミリしかないんです。

干場:こちらを選ばれた理由を教えてください。

広田:ハミルトンはカジュアルに使う時計ですが、こちらはアリゲーターストラップで、オンオフ使えます。あと敢えて何を着けているのかわからない感じ、がいい。オーソドックス過ぎるくらいな時計なんです。干場さんは、いろいろわかっているから、お洒落を意識するより、普通なものをしていても説得力が違う。

干場:これ見よがしじゃない。とてもバランスがいいですね。真面目な感じ。
IWCといえばポルトギーゼや大きいフェイスの軍モノもありますが、あえてこちらなんですね。

広田:あれもかっこいいんですが、36ミリの小さいサイズというのがいい。ベースの質感もとてもいいんです。

干場:遠目から見てよくわからないから、覗き込みたくなる。

広田:IWCの方に「なんで干場さんに、これすすめるんですか? もっと大きい時計とかあるじゃないですか」って言われたんですが、最近、イタリアでサイズが小さめの時計を着ける人が増えてきている。トム・フォードさんもロレックスの36ミリくらいのものを着けていますね。最近、海外では33ミリを着けている人も見かけますね。

干場:小さいほうがエレガントなんですか?

広田:そうですね。あとやはりシャツにひっかかり難い。大人なので時には匿名性のあるものをさり気なく着けるっていうのがかっこいい。引いてみるというのがいい。

干場:出ました、引き算! 

広田:質感も本当によくて、このストラップはサントーニのものですし。

干場:シンプルでいいです、これ。

広田:そうなんです。ただのおっさん時計に見えるけれど、そうじゃない。

干場:確かにそうですね!
では最後の松の時計をお願いいたします。

八角形のベゼルと六角形のビスが目を惹く、ブランドのアイコンモデル「ロイヤル オーク」。数々の名作を生みだしたジェラルド・ジェンタのデザインで1972年誕生したモデル。スポーティエレガンスの象徴としても人気。18金イエローゴールドケース 反射防止加工サファイヤケース 5気圧防水。ロイヤル オーク オートマティック37mm 440万円(税抜)/オーデマ ピゲ(オーデマ ピゲ☎03-6830-0788)

広田:オーデマ ピゲ ロイヤル オーク オートマティックです。440万円です。

干場:お、きましたね! 440万円! いいな~。

広田:今年イエローゴールドが発売されたんですが、これは干場さんにめちゃくちゃ似合うな、と。

干場:(着けてみて)おお~!

広田:似合う似合う!  (一同:似合う!)

干場:自腹買いとかやっちゃわなくちゃ、いけないやつですか???(笑)

広田:干場さんから、フル金愛をよく聞かされていたんで、今回はこれしかないな、と。

干場:重量感があって、これはもう…… これこそアガリ時計ですね!

広田:この時計がイタリア人から愛されるのは理由があって、スポーツウォッチでありながらラグジュアリー感がある。イタリア人って1本ですべてのシーンを賄える万能時計が好きなんですよね。サブマリーナとかロイヤル オークとか。もちろんそれはTPOが解っていて選べるからこその万能時計という選択なんです。

干場:万能時計ってジェームズ・ボンド役のショーン・コネリーがタキシードの時にサブマリーナを着けていた、あの頃から出始めたんですよね。

広田:そうです。

干場:それまでは、スーツにダイバーズウォッチありなの?っていう考え方でしたもんね。

広田:あれから、それで許されちゃうんだ、みたいな感じになった。
ギーブス&ホークスのかたが、スーツにダイバーズウォッチなんてけしからん! なんて言っていましたが、それももう今は昔、ですよね。

干場:最近の007のダニエル・クレイグのシリーズもオメガのダイバーズウォッチを着けていますよね。
スーツにダイバーズウォッチを合わせていることで、この人、海系のスポーツやっているのかもしれないよねって好印象に思われる気がします。

広田:スポーツウォッチのデザインって、メガネのデザインと同様、ベゼルとか針は細ければ細いほどフォーマルでドレッシー、知的に見えるし、太いほどカジュアルでスポーティに見えるんです。

干場:そうなんですね。

広田:そういう点でも、このロイヤル オークはよく考えられていて、ベゼルは太いじゃないですか。

干場:はい、スポーティですよね。

広田:でもビスを入れているため、間延びして見えない。インデックスと針は細い。とてもバランスの良いデザインでドレスウォッチのようにスーツにも合うんです。スポーティとドレッシーを上手くミックスさせていますよね。

干場:いいとこどりなんですね。

広田:デザイン要素はそうなっていて、昔のダイバーズウォッチはベゼルが太いものが多かったんですが、例えばIWCのアクアタイマーのように最近のものはスーツに合うようなタイプが増えてきていますね。

干場:これは(ケース径)何ミリですか?

広田:37ミリですね。

干場:少し小さめですね。僕が持っているのは39ミリかな。
でも金の時計っていろいろありますよね。その中でこれを選んだのは何故でしょう?

広田:ブレスレットまで金のものという視点で選びました。あと、使い込んでいく内に、テロっとなっていくのがこれなんです。

干場:テロっとした感じってどういうことでしょう?

広田:これってエッジがかなり鋭く立っていますよね。例えばロレックスなどは最初から丸くなっているんです。使い込んでも形があまり変わらないようになっている。ロイヤル オークは角が立っていて、使い込む内に角が丸くテロっとなっていき、それもまたいい味になります。角が落ちて柔らかくなる。

干場:最初から角が落ちているんじゃなくて、経年変化も楽しめるっていう訳ですね。確かにこれはびっちびちに角が立っていますもんね!この磨きも凄いですよね。

広田:職人のおじさんがヤスリで一気にジャッとかけているんです。

干場:実は先ほども話したロレックスでゴールドケースに黒文字盤というのを見て、ちょっといいなと思う反面、印象が強すぎるかなって思っていたんです。
これは文字盤がネイビーなんですよね。

広田:落ち着いて見えますよね。あと、金の部分もマットなので落ち着いて見える。昔の金時計はぴかーんと光っているものが多かったんですが、最近は減りましたね。干場さんだったら、ローズやピンク(ゴールド)でなく、やっぱりイエローゴールドですよね。

干場:その心は?

広田:日焼けした人はイエローが合う。

干場:ちなみに今日の広田さんの時計はアップルウォッチですが、それはなぜですか?

広田:もめないから(笑)。いろいろ着けていると、(メーカーに)、なぜうちのを着けてくれないんですか? って聞かれるんですよ。
あとモンディーンの時計もよく着けています。

干場:知らないブランドです。

広田:(鞄から取り出し)これです。

干場:あ、これ、スイスの駅にある時計ですね! 面白い時計してますね。どこで買えるんですか?

広田:日本の時計やさんでも買えます。直径30ミリくらいで小さいんですよね。
大きい時計は最近あまり着けないですね。これも意外と干場さんもお似合いになると思います。
良いモノを知るイタリアのおっさんが、あえて子供の頃に着けていたような時計をする、っていう風情で。

干場:一貫していますね、広田さんの基準! 

広田:今回の中ではどれが欲しいですか?

干場:そうですね~、これ(ロイヤル オーク)って言いたいところですが、これを買えるほどのお金がないですし……。IWCもいいんですが、やはりハミルトン カーキですね。

広田:日本人の男性の時計選びって基本的に地味なんです。干場さんがフル金の時計を着けることで、いいな、と思う人が増えるといいんじゃないかな。なので、干場さんにフル金の時計を買わせる会を設立して買っていただこうかと。
いい歳した大人は、フル金の時計をさらっと使いこなして欲しい。

干場:金の時計に負けずに、時計を追い越していくっていうことですね。
ちなみに今日のコーディネートを教えてください。

広田:時計はアップルウォッチ、ジャケットはテイラーケイド、シャツは無印良品。ジーパンはステュディオ・ダ・ルチザン、靴はレッドウイングのチャッカブーツです。メガネはルノアです。
時計業界にいるとメカにばかり目が行きがちですが、干場さんのようにTPOで時計を使い分けて欲しいですね。

干場:男性の所有している時計って、ライフスタイルの幅を計るものだと思うんです。人生を楽しんでいる人だったり。

広田:時計はそれを象徴していますよね。いろいろ買って楽しんで欲しいです。

干場:ところで最近、注目しているメーカーはありますか?

広田:ドイツの時計メーカーは、面白いですよね、真面目に作っている。
例えばグラスヒュッテ・オリジナル。あと、ショパールやブルガリも面白くて注目しています。

干場:そうなんですね。
今日は楽しいお話しをどうもありがとうございました。

Photo:Tatsuya Hamamura
Text:Yoshie Hayashima

広田雅将(ひろたまさゆき)
時計専門誌『クロノス日本版』編集長。
1974年大阪府生まれ。大学卒業後、会社員生活を経て、2004年より時計に関する記事を書き始める。2005年より「クロノス」にて働き始め時計ジャーナリストに。2016年より現職。国内外の時計賞の審査員を務める。その時計に関する膨大な知識により、つけられたニックネームは「ハカセ」。

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