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【プレイバック】「ゆとり世代の部下にブチ切れ寸前です」 
美人カウンセラーの「ココロの相談室」

2016.11.7
2016.11.7

怒りは2番目の感情

ビジネスの戦場で働く40代は、仕事やプライベートで悩みを抱えていても、プライドが邪魔して、なかなか人に相談できなかったりするもの。そんな迷える子羊に、手を差し伸べてくれる救世主が、“美人すぎる臨床心理士”としてメディアで活躍中の、山名裕子先生です。仕事に、プライベートに悩むみなさまに裕子先生が心理学的な観点からアドバイスをしてくれます。スマートな40代、”スマフォー”必見のコラムです。

Q、40代の中間管理職です。自分が20代、30代の頃は、先輩たちから体育会系のノリで鍛えられてきたので、今の“ゆとり世代”との接し方がよくわかりません。ちょっと怒るとすぐに拗ねるし凹むし、どこか打っても響かないというか、真面目に接すれば接するほど、アホらしくなってしまいます。結果、怒りやイライラが募ってしまい、日々の生活がすさんでいます......。(中間管理職の)立場上、経験の少ない若手をアドバイスしないと仕事のクオリティーに影響するので、接するのを避けるわけにもいかないのですが、ゆとり世代の若手に接するときもイライラせず、注意したり、アドバイスするときのうまいコツなどありますでしょうか?(42歳・雑誌編集者)

裕子先生のカウンセリング結果
「今回の質問は切実ですね。ゆとり世代というのは、現在ハタチから29歳の20代のことですが、彼らの世代は、アメリカ式の『褒める教育』が日本に入ってきたことで、それほど叱られずに育ってきた人が多い世代なんですね。ゆえに、なかなか社会に適応できず、新入社員の3割が3年以内に辞めてしまうと言われています。本来、社会というのはそういうもので、めったに褒めてもらえる機会などないのに、彼らはそれがわかっていないから、体育会系のノリで怒られることに戸惑いを感じてしまうわけです。

©gettyimages

『怒り』という感情は、2番目の感情といわれます。例えば、いま部下に怒っている人も、最初から怒っていたわけではなく、最初の感情は、『お願い』であったり『期待感』だったはずが、その期待を裏切られたショックが原因となり、怒りを選択して表現してしまうのです。何の関心もない人には、怒りを感じないことからも理解していただけると思います。

大切なことは、期待に応えてもらえなかったからといって、すぐに感情的になって怒鳴らないことです。怒鳴ることで相手の反発心を刺激したり、相手に嫌悪感を与えたりしてしまいます。感情的に伝えるメリットはないのです。まして、ショックを怒りで伝えてしまうと、本質を見失って余計なことまで言ってしまいがちなんです。結果、相手の人格否定につながったりするので、人の部下の上に立つ人は『アンガーマネージメント』、つまり怒りを管理する必要があります。

©gettyimages

ここで大切なのは『怒る』と『叱る』は違うということ。感情的か論理的か。そして自分優先か相手優先か。怒るというのは、自分を優先して表現しているので、相手優先ではないわけです。厳しく聞こえるかもしれませんが、今回の相談者の方の場合、 『若手と接するのが苦手』と言っている時点で、自分から歩み寄り、良好な関係を構築する姿勢を失っていますし、常識的なのはあくまで自分と考えているようにみえます。 しかし、「常識」とか「普通」という感覚は、育った環境や個々の経験でも変わってきます。

だからこそ、自分の常識や普通が本当に正しいのかを、もう一度、見直す必要があります。時代によっても常識は変わりますから、自分だけが正しいと思わないこと。ときには自分の感覚や基準を疑うことが求められます。

「褒める教育」で育ってきたゆとり世代のコたちは、特別扱いをされるのが好きです。そんな彼らに使ってみてほしいのが『ハード・トゥ・ゲットテクニック』。これは『○○クンだからお願いするんだけど』とか、『ほかに頼める人もいなくて......』といった具合に、相手に特別感を演出するテクニックです。恋愛でいえば、『おまえだけだよ』『あなただから言うのよ』なども『ハード・トゥ・ゲット』の手法なのですが、ゆとり世代には、このアプローチは有効です。

また、部下を褒めるときに、褒めなきゃ、褒めなきゃと思って、やたらとおだてる人がいますが、それでは逆効果です。何か目的に向かわせるための褒め(おだて)は部下のモチベーションを格段に下げるからです。そこで、上手に褒めるテクニックとして『褒めるサンドイッチ』というやり方があります。例えば、『いつも助かってるよ、ありがとう』『でも、もっとこうしてくれたら、すごい助かるよ』『今後、期待してるからね』という具合に、褒めて、指摘して、さらに期待を込めて褒める。それから、『ありがとう』という言葉は褒め言葉に入ることを頭に入れておいてください。また、自慢することはあまりプラスではありませんが、自慢話のあとに『君たちのおかげだよ、ありがとう』と付け加えるだけで、だいぶ印象が変わるように、「ありがとう」は魔法の言葉なのです。

男の人はなめられたくないという気持ちが強いですし、上司と部下の距離感が近すぎるのは良くない、と考える方もいるでしょう。しかし、無理に頑張って威厳を出そうとしなくても、仕事ができる上司なら、背中を見せるだけで部下は尊敬してくれます。むしろ、ほとんどの若手は先輩に対して警戒心や心理的な距離感、苦手意識等を持つはずなので、どちらかというと“ほぐす”方向に意識を割くべきだと私は考えます。

特に、今の若い世代は野心もそれほどなくて、あまり仕事にやり甲斐を感じていなかったり、『給料さえもらえればいいや』的な安定志向のコが多いんですね。それでは、彼らの仕事に対するモチベーションをどう維持し、高めていけば良いのでしょうか。

モチベーションには、外発的モチベーションと、内発的モチベーションがあります。前者は褒め言葉や評価、報酬、昇級など。後者は、仕事に対するやりがいや、楽しさ、達成感などを指します。この両者のバランスが取れないと継続していかないと言われています。部下たちが必死に働いても、結果としてお手柄は上司にすべて持っていかれてしまうという話はよくありますが、そうではなくて、感謝を伝えつつ達成感を一緒に共有することも大切です。

繰り返しになりますが、部下が何かミスをおかしてしまったとき、叱る必要はあっても、怒る必要はありません。皆の前で叱責されたことが心の傷になって辞めてしまう人はすごく多いので、叱るときは1対1が基本。『ちょっとメシ行こうか』とご飯に誘って、そこで指摘してあげるくらいの気配りがあって良いと思います。ご飯代を払ってあげる男気があると、なお良いですね。

とかく人は、相手を変えようとする生き物です。相手が悪いからと、それを責めて変えようとすれば、相手は反発します。しかし、自分が対応の仕方を変えれば、相手のリアクションも変わります。相手を変えようと必死になるよりも自分を変えるほうが何倍も楽ですし、近道ですよ。これは夫婦関係でも一緒。覚えておいてくださいね。

Photo:Mitsutoshi Watanabe
Text:Naoya Aoyagi

山名裕子
著名な精神科医師の父を持つ 心理学会のサラブレット。 心理学資格の中で最難関とされる臨床心理士の資格を取得。 学業に励む傍ら各ファッション誌で読者モデルとして活躍。自身のメンタルケアオフィス「やまな mental care office」を東京青山に開設。心の専門家、臨床心理士としてメディア出演をはじめ幅広く活動中。

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