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第45回 タイムトリップした2人をもてなす「時音の宿 湯主一條」

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600年の歴史と先人の足音 “時の音”と過ごす時空を超えたひと時

今回ご案内するお宿は、1428年開湯、創業約600年の老舗旅館、宮城県鎌先温泉「時音の宿 湯主一條」です。

情緒ある温泉街を抜け、狭い坂道を上った目の前に現れるのは「一條の森」。さあ、ここから“物語”が始まります! 主人公はもちろんお二人。コンセプトは“森の中でのタイムトリップ”。お二人はこの“一條の森”に迷い込み、様々な体験をしていきます。今回は映画の主人公になった気分で、滞在を楽しんでいただければと思います。

緑生い茂る森の中をさ迷い歩くと、そこにあるのは森林浴のできる露天風呂。90年程前に男がたった1人で掘った洞窟から温泉の成分が検出されたことがきっかけで、目の前に露天風呂が作られたそう。お肌がツルツルすることから「つや肌の湯」とも呼ばれています。

こんな所に? と驚きながら、さらにもう少し歩を進めると今度は天然温泉が出現します。この湯は600年前からこんこんと自噴している「傷に効く」といわれている薬湯。1428年1人の農夫が鎌で農作業中に発見し、あの伊達政宗も入湯したという記録が残っています。東北の人々には「傷に鎌先」として親しまれ、手術後や火傷など足、腰痛などを癒しに訪れる名湯です。

新緑、紅葉、雪と季節それぞれの美しさを楽しむことができ、夜はライトアップされるので、紅葉時は大きくて真っ赤なモミジが鮮やかに目の前に浮かび上がります。モミジの木のすぐ下には小川が流れ、露天風呂から景色を眺めていると、野生の天然記念物の日本カモシカが姿を現すことも…。

1人の農夫、90年前に現れた謎の男、戦いの傷を癒した武将、この地を守ってきた自然と動物たち…そしてあなたたち。多くの人が訪れた先人の足音“時の音”を感じながら、ゆっくり湯に浸かり、彼らとの時空を超えたひと時を楽しんでください。

お楽しみの食事の時間は、“時の橋”を渡って大正時代へとタイムトリップ!

その先で2人を待つのは、木造一部四階建の個室料亭「匠庵」。大正から昭和にかけて建てられた歴史的建造物で、登録有形文化財にも指定されています。

黒光りする回廊をほのかな灯りがゆったりと映し出す中、BGMは穏やかなジャズの調べ。大正時代にタイムトリップしたそこでは、地場の最高級食材と共に、料理人の“心”が込められた、和洋織りなすお食事「森の晩餐」をいただきましょう。

食前酒からスタートする一條の晩餐。お料理のメインである焼き物と鍋物は、肉か季節の魚料理を食事がスタートしてから選ぶ楽しみがあります。肉は仙台黒毛和牛を使用しており、柔らかさと肉のうまみが口の中全体に広がります。別料金にはなりますが、おススメなのが「フォアグラ大根」。コンソメでじっくり炊いた大根の上に表面をカリッと焼いた新鮮なフォアグラをのせ、ビネグレットソースをかけた一品。お口の中で程よい甘さとソースの濃厚な風味が広がり、フォアグラと大根の食感が絶妙にマッチします。フランス料理の中にも和を感じる味付けに、きっとお二人にも喜んでいただけることでしょう。

特別な空間での特別なお食事の後は、BAR「ロビーラウンジ都路里(つじり)」で一杯いかがでしょうか? 経験豊富なバーテンダーとの会話では、あなたの力量も試されるのでは?

温泉、食事を堪能した後はゆっくりとお部屋でお休みください。薬湯に近いお部屋で、窓からは当館のシンボルである木造本館を眺めることが出来ます。

大正時代の東北の素朴で親切な一條の森の人々の優しさ、自然、歴史。小さな感動を幾つも体験し、一本の映画を見終わった時の様な優しい気持ちになって坂を下り、さあ現代へとお帰りください。あなたが主役の新しい一ページが明日からまた始まります。

Text : Akiko Uehara

【時音の宿 湯主一條】
宮城県白石市福岡蔵本字鎌先一番48番地
0224-26-2151
(FAX)0224-26-2158

1泊2食付/税サ込
平日・休日 1万6,200円~(入湯税別)
休前日 2万1,600円~(入湯税別)



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